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中川美柚や廣瀬七海ら、スターの原石が輝く『V Cup』開幕【V1女子今週の見どころ】

■『V Cup』とは?

 V・ファイナルステージが終了し、JTマーヴェラスが優勝でリーグを締めくくったV.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)。今週からは、『2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 WOMEN V Cup』と題し、V1リーグの12チームで順位を争う第二のリーグ戦が幕を開ける。この大会には、東京オリンピックへ向けた代表活動のためにチームを離れる日本代表選手たちは参加しない。そのため、同じチームとはいえリーグとはその顔ぶれが大きく変わり、観戦側も、フレッシュな気持ちでもう一度リーグを楽しむことができる。

 

 3月27日(土)~28日(日)のファイナルラウンドまで、4週にわたり開催される『V Cup』では、まず、全12チームを2グループに分け、1回戦総当たりによる予選ラウンドが行われる。ファイナルラウンドでは、各グループの上位2チームによるセミファイナルが実施され、その勝者がファイナルに進出。敗者が3位決定戦を行うことで最終順位が決定される。

 

 日本代表選手たちの存在に刺激を受けながら、日々、技を磨いてきた選手たちがその成果を発揮する舞台、『V Cup』。代表活動で主力選手たちがチームを離れる中、V.LEAGUEでも活躍を見せた選手はもちろん出場機会が限られていた若手選手など、スターの原石たちがコートで躍動する姿に注目だ。

 

■リーグ優勝のJTと若手の選手層が厚いデンソーが激突

 デンソーエアリービーズのホームゲームとなる岡崎大会の初日には、リーグ連覇を成し遂げたJTマーヴェラスとデンソーの一戦が行われる。JTからは、大黒柱の小幡真子や芥川愛加、技巧派の林琴奈やセッターの籾井あきが日本代表に選出。デンソーからは、司令塔の田代佳奈美や鍋谷友理枝、奥村麻依、リベロの井上琴絵や若手の東谷玲衣奈ら5名が代表に名を連ねた。

 

 両チームともに主力セッターとリベロを欠く中での試合となるが、柴田真果(JT)、松井珠己や田原愛里(ともにデンソー)ら、今大会での活躍が期待されるセッター陣のゲームメイクは見どころの一つ。それぞれ、アンダーカテゴリーの日本代表としても結果を残している実力派の3選手と、攻撃陣のコンビネーションに注目したい。

 

 田中瑞稀や西川有希、ヒックマン・ジャスティスや目黒優佳など技量の高い攻撃陣がそろうJTと、リーグで最優秀新人賞を受賞した横田真未や工藤嶺、中元南を中心に決定力のある若手選手がそろうデンソーの対戦。混戦が予想される中、リーダーシップをもって試合をけん引する選手の存在が、勝敗のカギを握るだろう。 

 

リーグ優勝を果たしたJT。刺激を受けた若手選手たちが、次はV Cupで魅せる【写真:月刊バレーボール】

 

■岡山はセッター、トヨタ車体はミドルブロッカーの成長がカギ

 岡崎大会の2戦目には、岡山シーガルズとトヨタ車体クインシーズが激突。岡山は、セッターの宮下遥を欠いての大会となるが、リーグでも積極的に起用されていた宇賀神みずきがいかに試合を戦い抜くか。頼れる先輩がいない中、セッターとしての成長に期待ががる。また、岡山は普段からメンバーチェンジを駆使して総力戦で戦うチームであり、多くの選手が要所で活躍できる底力の強さも魅力。その強みを見せつけ、試合を優位に進めたいところだ。

 

 対するトヨタ車体は、主力ミドルブロッカーの荒木絵里香と渡邊彩が日本代表に選ばれ、チームを離れる。相手の攻撃を防いだり、そこから切り返すため、そしてアウトサイドヒッターの負担を減らすためにも重要な枠割を持つミドルブロッカー。日本代表経験もあるベテランの松本亜弥華、2017年のU-23アジア選手権で先発メンバーとして優勝に貢献した杉郁香、辻彩乃らがそのあとを引き継ぐこととなる。長身を生かし、岡山の多彩な攻撃に対して壁となれるか。そして、攻撃面での貢献にも注目したい。

 

■有力な若手が揃う久光とフルメンバーで戦う姫路の一戦は必見

 日本代表に、石井優希と長岡美悠、井上愛里沙が名を連ねた久光スプリングス。攻守で貢献する主力を欠くものの、高いレベルでバレーボールに携わってきた若手選手が多く在籍することも久光の強み。その中で、ベテランの座安琴希や岩坂名奈、野本梨佳らがチームを引き締める。

 

 東九州龍谷高時代も含めて、国内の大会はもちろん世代代表として国際大会でも活躍してきた加藤光、中川美柚、平山詩嫣、荒木彩花など高い実力を持つ面々に加え、大卒メンバーの今村優香、白澤明香里など技ありのスパイカーが揃う久光。思う存分コートで暴れる未来のスター選手たちの、イキイキとした表情に注目だ。

 

 初戦で久光との対戦を迎えるヴィクトリーナ姫路は、代表選出メンバーがおらず、リーグと同じメンバーで試合に挑むことができる。リーグでの出場機会が少なかった選手を積極的に起用するか、これまで通りの主力メンバーを多用し優勝を狙うか。貞包里穂や荒谷栞ら、リーグでの活躍も目立った注目の若手選手の奮闘に期待がかかる。まずは久光戦で勝利をつかみたいところだ。

 

主力の石井や井上を欠くものの、有力選手が揃う久光。リーグでの悔しさを『V Cup』にぶつける【写真:月刊バレーボール】

■フレッシュスターが揃うNEC、主力が残る埼玉上尾や日立、KUROBEの戦いぶりやいかに

 上尾大会では、初日に、ホームの埼玉上尾メディックスと日立リヴァーレ、NECレッドロケッツとKUROBEアクアフェアリーズが対峙する。埼玉上尾は、チームの得点源の一人である吉野優理が代表活動へ。リーグの主力メンバーも多く残るとはいえ、攻守の要を失った穴は大きい。山口珠李や堀江美志、佐藤優花ら決定力のある選手が活躍の場を作れるか、見どころだ。

 

 対する日立は、セッターの佐藤美弥が日本代表でチームを離れるが、今季セッターとして躍動したのは小野寺友香や雑賀恵斗であり、主力メンバーに大きな変化はない状況。上坂瑠子や19歳の野中瑠衣ら、キレのあるプレーと笑顔で観客を魅了する若手選手たちが、V Cupでも存在感を発揮するだろう。

 

 NECは、古賀紗理那や島村春世、山田二千華ら3選手が日本代表へ。この機会に、リーグでも要所でコートに送り込まれた精鋭たちが先発の座を懸け切磋琢磨し、チーム内競争がさらに活発になるだろう。上野香織や甲萌香、野嶋華澄ら、ミドルブロッカー陣のレギュラー争いも熱を帯びる。柳田光綺や山内美咲、廣瀬七海ら、持ち前の身体能力を生かして躍動するアウトサイドヒッター陣にも注目だ。

 

 そして、NECとの対戦を迎えるKUROBEは、姫路同様、戦力に動きがない。外国籍選手の動向が気になるところだが、リーグのままの戦力で戦うこととなる。内定選手の山城愛心も加わり、戦力に厚みが増した中、V Cupでは上位に食い込めるか。今週から始まる新たな戦いをお見逃しなく。

 

 

《V Cup 組み合わせ》 ※各項目をクリックしてリンク先へ   

<2月27日(土)>

岡崎中央総合公園総合体育館(愛知県岡崎市)

第1試合(11:00) 

デンソエアリービーズ vs. JTマーヴェラス

第2試合(13:00) 

岡山シーガルズ vs. トヨタ車体クインシーズ

第3試合(15:00) 

久光スプリングス vs. ヴィクトリーナ姫路

リモートマッチでの開催

                                        

埼玉県立武道館(埼玉県上尾市)

第1試合(12:00) 

NECレッドロケッツ vs. KUROBEアクアフェアリーズ

第2試合(14:30) 

埼玉上尾メディックス vs. 日立リヴァーレ

リモートマッチでの開催

                                 

<2月28日(日)>  

岡崎中央総合公園総合体育館(愛知県岡崎市)

第1試合(12:00) 

デンソエアリービーズ vs. 日立リヴァーレ

第2試合(15:00) 

岡山シーガルズ vs. トヨタ車体クインシーズ

リモートマッチでの開催

                                        

埼玉県立武道館(埼玉県上尾市)

試合開始時刻 11:00 

NECレッドロケッツ vs. 日立リヴァーレ

リモートマッチでの開催

              

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