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女子U20代表/石川真佑「色々なことに挑戦したい」

 現地7月12日からレオン、アグアスカリエンテス(ともにメキシコ)で開幕する『第20回女子U20(ジュニア)世界選手権大会』(以下、世界ジュニア)。女子U20日本代表メンバー12名は7月上旬に現地入りを果たしており、いよいよ大会本番を迎える。

■女子U20日本代表の石川真佑。世界大会へ「色々なことに挑戦したい」

 今回の代表チームでゲームキャプテンを務めるのは、東レアローズの石川真佑。同世代をリードする存在として、中学や高校でキャリアを積んできた彼女だが、意外にも世界選手権はこれが初めてのことだ。日本代表のアンダーエイジカテゴリーとして国際大会に出場したのは、2017年の第11回アジアU18(ユース)女子選手権大会だけであり、選抜強化合宿に参加はしていたものの、高校の大会が重なるなどの事情から出場はならなかった。それだけに、今回の大会を見据えて意気込みを口にする石川の姿がこれまでの合宿では見られた。

 

 昨年度は名門・下北沢成徳高(東京)のエース兼主将を務めた石川は、インターハイと国体の高校二冠を達成。今年1月の春高バレーで高校バレーを引退したあとは、東レの内定選手としてV.LEAGUEへ。併行して、女子U20日本代表の選抜合宿に参加した。

 

 その世界ジュニアに向けた女子U20日本代表を指揮するのは相原昇氏(公益財団法人日本バレーボール協会)。相原監督といえば、精度と速さを追求した“高速コンビバレー”で東九州龍谷高(大分)を率い、幾度となく全国制覇を成し遂げた実績を持つ。

 

 石川は高校時代、高いトスにしっかりと力を乗せて打ち切る、いわば相原監督のバレーとは“正反対”のスタイルだったが、そのスピードにも順応してみせた。実のところ、石川は裾花中(長野)時代にこうした高速コンビバレーを経験しており(全国大会優勝も)、彼女にとっては久しぶりのことだったのだ。

 

 相原監督体制が始まってまもないころ、「最初は慣れるのに時間がかかりましたが、徐々に取り戻せてきていると思います」と話した石川。そのプレーの幅や順応の早さに、相原監督も「さすが」と称賛した。

石川真佑(いしかわ・まゆ/身長171センチ/アウトサイドヒッター)

 パワフルなスパイクやプレーセンスは言うまでもないが、その一方で石川にとっては“壁”を感じる機会もあった。それは5月に行われた合宿でのこと。アメリカの大学選抜チームが来日し、練習試合を行なったのだが、石川は高いブロックを前にことごとく阻まれた。練習後には「ほんとうに何もできずに終わってしまいました」と悔しさをあらわにしていた。

 

 石川の身長は171センチ。世界を通してみれば、けっして大きくはない。本人もそれを自覚しており、「その上でコースを見極めるなど、テクニックの部分でも得点できるようになりたい」と口にしていた。アメリカの大学選抜チームとの試合で世界の高さを痛感したわけだが、以降は東レに戻ってからも、ブロックを利用することなどを意識して取り組んだという。そうして世界ジュニアを前に味の素ナショナルトレーニングセンター(東京)で実施された直前合宿では、「これまで経験してきたことを生かしてプレーできたらと思います。色々なことに挑戦したい」と意気込んだ。

 

 またゲームキャプテンとして、「世界一を目指して頑張りますが、一つ一つ目の前の試合を戦って、勝ちたいです」という思いも。自身にとって初めてとなるアンダーエイジカテゴリーの世界選手権。今年度のシニア代表にも登録された期待の星が世界を経験し、さらなる成長への一歩を踏み出す。

(文/編集部 坂口功将)


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