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男子日本代表 フィリップ・ブラン監督の決意①「パリオリンピックに出場する目標を達成したい」

フィリップ・ブラン監督

 

 4月4日(月)、男子日本代表のフィリップ・ブラン監督が、今年度の日本代表35名の発表に伴いリモート会見を行った。その模様を3回にわけてお届けする。第1回はチームの目標について。ベスト8の壁を破って7位に入った東京2020オリンピックに続く2大会連続の出場に向けてポイントを挙げた(記者会見のコメントを一部改変)

 

一つ一つの試合が重要

 

 皆さんこんにちは。今日はよろしくお願いします。私は日本語を勉強しています。日本語はまだまだなので、フランス語で話します。(ここまで日本語)

 

 日本代表の監督として、この新たな冒険の幕を開けることを心から楽しみにしていました。JVA(日本バレーボール協会)から託された任務を受け、チームスタッフとともにあらゆる策を講じ、日本の男子チームがパリオリンピックの出場権を勝ち取れるようつくしたいと思います。

 

【フォトギャラリー】2022年度男子日本代表チーム登録メンバー

 

 東京2020オリンピックで得た経験はプラスのものでした。日本のバレーボール界にとって、オリンピックが成功だったと言えるように、私は非常に多くの情熱を注ぎ、日本で働くことに喜びを感じました。この推進力は継続すべきものです。冒険を続けるために、選手やスタッフに支えられていると感じました。ですから、私は冒険を続けることに非常に熱中しています。

 

 もちろん、私たちの前に立ちはだかる困難は認識していますが、それでも東京2020オリンピックに次いで連続出場となる2024年パリオリンピックに出場する目標を達成したいと思っています。また、個人的な目標でもあるのは、私にとって5回目のオリンピック大会、しかもそれが出身国であるフランスで開催される大会に参加できることです。

 

 2024年パリオリンピックは私たちの最優先目標であり、今後3年間、私たちを導いてくれる糸となるものです。

 

 「All For Paris 24(Two Four)」が私たちのスローガンになります。なぜ「All For Paris」なのかということをご説明申し上げます。それは集団目標であり、そのために私たちがしなければならないこと、それは今後3年間、チーム一丸となって、すべての選手に当事者意識を持ってもらうこと。また、私たちの技術的、精神的、戦略的なすべての資質を成長させるための不断の決意、野心を持ち、大会におけるすべての試合を大きな決意を持ってプレーすることです。一つ一つの勝利が重要であり、下位のチームに対する一つ一つの敗北が、多くの勝ち点を失うことになります。

 

 冒険を共有し、指導者、コーチ、トレーナー、選手、メディア、スポンサー、ファンの皆さまなど、すべてのバレーボール愛好家のサポートを得ること。そのために「All For Paris 24(Two Four)」が私たちのスローガンになります。

 

 

リモート会見でチームの目標について語るフィリップ・ブラン監督【写真:JVA】

 

VNLで何が何でも10位以内に

 

 この夏には、VNL(ネーションズリーグ)と世界選手権という二つの主要な大会があります。世界ランキングを上げていく必要性があるということを念頭に置いておかなければなりません。オリンピックの出場資格は主にこのランキングに基づいているためです。私たちは何が何でも10位以内に入らなければなりません。

 

 結果を考える前に、チームの第一目標は東京2020オリンピックで私たちが持っていた精力的なプレーを維持することでなければなりません。可能な限り最良の結果を得るために、一つ一つの行動に全力を傾ける積極的なチームの姿を常に見せていくことが大切です。野心と決意は、ハイレベルなチームにとって不可欠な資質だと考えています。

 

 私たちのランキングを向上させるプロセスにおいて、VNLが非常に重要です。また、試合をコントロールする経験を積み、コート上のさまざまな選手とともに勝つことを学ぶ機会でもあります。

 

 大阪で行われる大会(7月)は私たちにとって、ついに観客を前にプレーする機会にもなります(※)。確かに私たちは目標を達成するために成果を追求しておりますが、私たちの冒険をファンの皆さんと分かち合うためにも、成果を求めています。自国の観客の前で勝利するということは非常に特別で、快い経験です。

 

 実を申しますと、東京2020オリンピックの際、素晴らしい有明アリーナという会場で無観客の客席を前にプレーしたことに、いまだにフラストレーションを覚えています。

 

 世界選手権はオリンピックの次に重要な大会です。すべてのチームにとって重要な目標であり、それぞれが全力を尽くしてくる大会と考えております。

 

 世界選手権についてお話しておりますが、決して始まるべきではなかったウクライナでの戦争で苦しんでいる人々に、私たちは思いを寄せなければならないと考えています。

 

 世界選手権の大会方式を考えると、最初の目標はキューバとカタールに対して必要不可欠である勝利を収め、第2次ラウンドに進出することです。この大会の第3次ラウンドはベスト6に相当するので、非常に難しいことだと思っています。ただ、ベスト10を目指すということで、それはすでによい結果をもたらすと考えています。

 

 先ほど南部(正司)強化委員長も申し上げましたが、大会の開催国がわかるまでは(ロシアから開催地が変更)、それがプールの組み分けにどう影響を与えるかはまだ未知数です。ですから、私たちはさらなる情報を待って今後判断していかなければなりません。

 

※第3週は7月5~10日に丸善インテックアリーナ大阪(大阪)にて開催。日本は6日(火)にオーストラリア、8日(金)にカナダ、9日(土)にドイツ、10日(日)にブラジル

と対戦予定

 

第2回 男子日本代表 フィリップ・ブラン監督の決意②「課題はブロックとハイボールのアタック」へ続く

 

第2回を読む】男子日本代表 フィリップ・ブラン監督の決意②「課題はブロックとハイボールのアタック」

第3回を読む】男子日本代表 フィリップ・ブラン監督の決意③「年齢が選抜基準であってはならない」

 

 

2022年度男子日本代表登録メンバー(35人)

<背番号/名前(所属)/身長/ポジション>

OP=オポジット、OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、S=セッター、L=リベロ

 

1 西田有志(ビーボ・バレンティア[イタリア])/187cm/OP

2 小野寺太志(JTサンダーズ広島)/200cm/MB

3 深津旭弘(堺ブレイザーズ)/183cm/S

4 大竹壱青(パナソニックパンサーズ)/202cm/OP

5 大塚達宣(早稲田大4年)/194cm/OH

6 山内晶大(パナソニックパンサーズ)/204cm/MB

7 高梨健太(ウルフドッグス名古屋)/190cm/OH

8 関田誠大(クプルム・ルビン[ポーランド])/175cm/S

9 大宅真樹(サントリーサンバーズ)/178cm/S

10 髙橋健太郎(東レアローズ)/202cm/MB

11 富田将馬(東レアローズ)/190cm/OH

12 髙橋 藍(日本体大3年)/188cm/OH

13 小川智大(ウルフドッグス名古屋)/176cm/L

14 石川祐希(パワーバレー・ミラノ[イタリア])/191cm/OH ※主将

15 李 博(東レアローズ)/195cm/MB

16 宮浦健人(ジェイテクトSTINGS)/190cm/OP

17 山崎彰都(ウルフドッグス名古屋)/190cm/OH(初)

18 仲本賢優(パナソニックパンサーズ)/187cm/OH(初)

19 新 貴裕(パナソニックパンサーズ)/181cm/S(初)

20 山本智大(堺ブレイザーズ)/171cm/L

21 永露元稀(ウルフドッグス名古屋)/192cm/S

22 樋口裕希(堺ブレイザーズ)/191cm/OH

23 佐藤駿一郎(東海大4年)/205cm/MB

24 高橋和幸(ジェイテクトSTINGS)/170cm/L(初)

25 中村駿介(パナソニックパンサーズ)/186cm/S(初)

26 村山 豪(ジェイテクトSTINGS)/192cm/MB(初)

27 古賀健太(大分三好ヴァイセアドラー)/188cm/OP(初)

28 伊藤洸貴(大分三好ヴァイセアドラー)/190cm/S(初)

29 藤中颯志(VC長野トライデンツ)/178cm/L(初)

30 エバデダン ラリー(筑波大4年)/195cm/MB(初)

31 垂水優芽(筑波大4年)/187cm/OH(初)

32 西川馨太郎(筑波大4年)/195cm/MB(初)

33 牧 大晃(筑波大1年)/210cm/OH(初)

34 甲斐優斗(専修大1年)/200cm/MB・OP(初)

35 麻野堅斗(東山高3年)/206cm/MB(初)

監督 フィリップ・ブラン(公益財団法人日本バレーボール協会)

 

※年齢・所属は2022年4月4日時点

 

【写真】2022年度男子日本代表チーム登録メンバー35人

 

 

 

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