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大同大大同高が今春逝去の恩師へ捧げた全国大会での躍動「勇気をもらいました」(渡辺義幸監督)

 今年3月下旬に実施された第27回全国私立高校男女優勝大会(さくらVOLLEY)。3年ぶりの開催となった今大会で、センセーショナルな活躍を見せたのが、男子の大同大大同高(愛知)だった。過去最高成績となる準優勝、そのベンチには今春に亡くなった鈴木克彦・前監督の写真が添えられていた。

 

<第27回さくらVOLLEYで準優勝に輝いた大同大大同高>

 

渡辺監督になって初の全国大会

 

 多彩なコンビバレーを繰り出し、勝ち上がった今大会。決勝では過去2度優勝の駿台学園高(東京)に敗れはしたものの、大同大大同高の選手たちは誇らしげに、銀メダルを首から提げる。表彰式を終えて集合写真の撮影に移ると、渡辺義幸監督の手には前任の故・鈴木克彦先生の写真があった。

 

「僕が監督に就任して4年目になるのですが、鈴木先生がずっと『どの全国大会に連れていってくれるんだろうな』と楽しみにされていた、とご家族から聞きました。今回は私学大会ですが、僕が監督になって初めての全国大会でしたので…」

 

 そう話す渡辺先生のほおに、ふと涙がつたった。

 

 これまでに30回のインターハイ出場も含め、県内では最多となる全国大会出場の実績を持つ大同大大同高。だが、愛知県は星城高や愛知工大名電高など強豪がひしめく全国屈指の激戦区。県予選突破自体が難関であり、渡辺監督はこれまで何度もその壁を打ち破れずにいた。それだけに、今回のさくらVOLLEYは特別な舞台でもあった。

 

<故・鈴木先生の写真を手にする渡辺監督> 

 

「頑張らなきゃ、という思いにさせてくれる先生でした」(渡邉キャプテン)

 

 渡辺監督と鈴木先生は監督・コーチの間柄で20年以上の歳月をともに過ごしてきた。監督を交代してからも、鈴木先生はコーチやマネジャーとしてチームに携わり、サポートを施してくれたという。今大会に臨んだ現役部員たちは、鈴木先生と監督・部員の間柄ではなかったが、そうしたサポートに触れてきた。

 

 鈴木先生がこの世を去ったのは、大会を直前に控えた今年3月上旬。キャプテンの渡邉大和は大会に向けて、思いを強めた。

 

「鈴木先生は、そこにいるだけで僕たちも頑張らなきゃ、という思いにさせてくれる方でした。先生の分まで頑張るんだ、という思いで今回のさくらVOLLEYに臨みました」

 

<攻守でチームをリードする①渡邉大和キャプテン> 

 

 聞けば、鈴木先生は物静かな方で、それほど会話した記憶もないという。ただ、その分、ふと触れ合った瞬間が渡邉キャプテンの中に温かい記憶として残っている。

 

 「自分が高校1年生のときの県予選決勝で、鈴木先生と初めてハイタッチしたんです。とにかく、それがうれしかったです」

 

「先生、やりました」(渡辺監督)

 

 今回のさくらVOLLEYで勝ち上がるチームの姿を見ながら、渡辺監督は天国からの後押しを覚えていた。

 

「僕の中に不安や迷いがあったのも事実です。ですが、それを超える勇気をもらえた気がします。今までにない成績を残すことができたので、鈴木先生も喜んでくれていると思います。先生、やりました!! と伝えたいですね」

 

<多彩なコンビバレーを繰り出し、今大会を勝ち上がった> 

 

 常に、目標は全国制覇、と部員たちは言ってやまない。今大会で惜しくもあと一歩という結果への悔しさは確かにある。それでも「全国大会で活躍する大同大大同高を見せることができたので、そのことを報告したいです」と渡邉キャプテン。

 

 さくらの季節に吹いたオレンジ旋風。そのそばには、チームの姿を見守るかのような鈴木先生の笑顔があった。

 

 次はインターハイ、そして春高という全国大会の出場と、そこでの金メダル獲得を目指す。

 

 先生、見ていてください。

 

<今季はオレンジ旋風を巻き起こすことができるか> 

 

(文/坂口功将〔編集部〕)

 

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