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「バレーボールユーチューバー」に聞いてみました ビークイック/BeeQuick

 

 発売中の月バレ2022年6月号では、好評連載企画「わたしとバレーの話」にYouTuberのビークイックが登場している。月バレには2度目の登場となるが、初登場は2021年1月号。現在11万人を超えるチャンネル登録者数も当時は6.3万人でメンバーもまだけびんが加入しておらず、二人体制だった。初登場時の誌面を読んでから最新号の記事を読めば、当時と今の彼らの変化や変わらない部分がより分かるはず。ぜひご覧ください。(編注:文中のプロフィール情報、チャンネル登録者数などは当時のまま)

 

【動画】ビークイックの動画「【1995年生まれ】石川世代だけで日本代表作ってみた」を見る

 

【初出:月刊バレーボール2021年1月号】

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スマホやPCで手軽に視聴することができる動画共有サイトのYouTubeは、時間の長短を問わないさまざまなコンテンツの充実ぶりもあって、すっかり人々の間に溶け込んでいる。このYouTube上でオリジナルの動画作品を継続的に公開しているYouTuber(ユーチューバー)の中で、バレーボールに軸足を置いた独特の活動を展開するのがビークイック/BeeQuickの2人。月バレの読者でも「見たことある!」という方は多いに違いない。気になる人物像に迫ってみた

 

自由に、自分たちの呼吸で

 

 その日は朝から、某所の体育館で技術講座の収録が行われていた。壁際でカメラの前に並び、フルタツが少し声のトーンを上げて当日の内容と意識すべきポイントを話し始める。ちょっとした経験談が挟まれ、おだこうがところどころで切り返しながらよどみなくトークが進むと、そのままカメラはコートへ。途切れることなくプレーの実演が始まった。現場での最終確認も、台本も、カンペもなければ、2人の他にはスタッフもいない。大枠の流れに沿ってすべてがアドリブ、すなわち彼らの呼吸で進行していた。

 

 福岡県での小学生時代にバレーボールを通して知り合った2人は、県内の強豪・遠賀中でチームメートとなり、3年生時の2010年に全日本中学校選手権大会で準優勝に輝く。同世代の秦耕介(サントリー)がエースとして率いた駿台学園中には決勝で敗れたが、石川祐希(ミラノ)のいた矢作中(3位)を上回る好成績を残した。その後はそれぞれの道にわかれ、大学卒業後は9人制の強豪チームで別々にバレーボールを続けながらもサラリーマンとして生きる日々が始まった。

 

 しかし「もどかしさを感じていたんです」とおだこう。電話をかけてみると、フルタツも同じように感じていた。「現状を変えたくて」(フルタツ)、話を重ねるうちに、「YouTube、やってみるか」ということで互いに腹を決めると、おだこうのいた関東にフルタツも拠点を移して活動をスタート。2019年春のことだった。

 

 当初は特にテーマを定めずに動画をアップしていたが、ある時にバレーボールの動画を上げると再生回数が跳ねた。その後も検討を重ねた結果、同年9月末には「バレーボールでやっていこう」と方針が固まる。以来「バレーボールに関係することは何でも」をテーマに週3~4本のペースで動画を公開し、本誌発売時点でその総数は300本に迫ろうとしている。

 

遠賀中3年生時の全中より。こちらを向いている中央左がフルタツ、1人挟んだ右がおだこう

 

 

パイオニアとしてのこれから

 

 冒頭の撮影風景について、おだこうは「これ、と決めてしまわないのは個人でやっているよさ。会社組織だとそうはいきません」と話した。エンタメ系の内容などで事前に作り込んで進めるケースもある一方、技術系ならその場の判断で最適と思える内容を撮影する。

 

 始動から1年半、バレーボール界での認知を着実に広げてきた彼らの将来的なビジョンを聞いてみたところ、「将来的か…」と苦笑いで声をそろえた。

 

 「YouTubeもまずやってみて、求められているものがわかってからバレーボール、となったので、また期待されているところが変わったりすると…なるようになっていくのかな」とフルタツ。チャンネル登録者数10万人や、自前のブランドを立ち上げるといった当面の目標に向けて、今はYouTubeで頑張って知名度を上げることに励んでいく。「もともと絶対にバレーで、という考えで始めたわけではなかった。でも、たとえ別の活動が立ち上がっても、バレーをやりながら、になると思います。そこで貢献できることがあるはずです」(フルタツ)。皆さんは、彼らにどんな活動を期待するだろうか。

 

 

「エンタメ」と「学べるまじめ系」の動画

YouTubeの画面(掲載当時)

 

 アップしている動画のカテゴリーは、大きく分けると「エンタメ」と「学べるまじめ系」の2つ。「スポーツは基本、エンタメだと思っている」(おだこう)。人気が高いのは「あるあるネタ」、「やってみたネタ」、「2対2の対決もの」。技術講座は自分たちの経験を元に構成しており、「あくまで僕らの意見として発信しており、絶対的な正解ではない」(フルタツ)とのこと。エンタメは多少の誇張も交えながら、楽しめるものを心がけている。

 

“おもしろいところ”を切り取っていきたい

中学時代の記事が載った当時の月バレを見て

 

「バレーボール界には他のスポーツと比べてやや固い部分があると思います。もう少しフランクでみんなが楽しめる印象に変わっていく、そのきっかけになれるといいな」とフルタツ。「例えばサッカーはプロだから、という部分もありますが、本田圭佑みたいにすごい発言をする人がいますよね」(おだこう)。バレー選手はインタビューなどでも基本的にまじめな人が多い中で、より選手の“おもしろいところ”を切り取っていきたいと考えている。

 

 

ビークイック/BeeQuick

1995年福岡県生まれのフルタツ、おだこうの2人で活動するフリーのバレーボールユーチューバー。2019年4月に始動し、2020年11月末時点のYouTubeチャンネル登録者数は6.3万人を数える。ユニット名の由来は「濁音と伸ばす音があると格好いい。バレーボールにも関係のあるキャッチーな名前を考えた」(おだこう)。そこまで深い意味はないという

■フルタツ

身長175㎝/右利き/遠賀中→鎮西高→九州産大卒/学生時代はセッターとして活躍

■おだこう

身長175㎝/左利き/遠賀中→福岡大附大濠高→日本大卒/ミドルブロッカー以外を幅広く経験

 

Photo/松村健人 Text/豊野 堯(編集部)

 

【初出:月刊バレーボール2021年1月号】

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ビークイックの現在のチャンネルはこちら

https://www.youtube.com/channel/UCaSbtoQtO3Bnm_ZrZx2sruw/featured

 

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