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「決めようと思っていました」石川祐希が明かす、フランス撃破まで残り1点で回ってきたサーブの胸の内

 バレーボールの男子日本代表がスロベニアで行われていた男子世界選手権から、9月8日(木)に帰国した。最後は決勝トーナメント初戦で東京2020オリンピック金のフランスに敗れたが(ベスト16、最終順位12位)、フルセットにもつれ込んだその試合で日本はマッチポイントに到達した。その場面で、サーブは日本のエース石川祐希に回ってきたのだった

 

<世界選手権から帰国し、取材に応える石川祐希>

 

相手のミスで日本がマッチポイントに到達

 

「決めよう」

 

 エンドラインに立った石川祐希は、この試合に決着をつけようとしていた。決勝トーナメント一回戦は日本がフルセットに持ち込み、先にフランスに14点目を奪われたが、石川が得点し、14-14の同点に。そこからフランスがタイムアウトをとり、直後のプレーで相手エースのイアルバン・ヌガペトがバックアタックからフェイントをかけたが、ボールはネットを越えず。得点は日本についた。

 

 セットカウント2-2、日本リードで15-14。昨年の東京2020オリンピックや今年のネーションズリーグを制するなど、名実ともに世界トップのフランスを今まさに、倒すチャンスがきている。あと一点。

 

 石川は平常心に努めた。

 

 「『決めよう』と思っていましたし、かといって、そう思ってしまうと、力んでしまうので。いつもどおり、と思いながら、サーブを打つ前は準備をしていました」

 

 そうして放たれたボールは…、ネットにかかった。

 

<サーブに入る石川(写真はネーションズリーグ)>

 

数字のうえでもサーブの能力がアップ

 

 石川自身、今年磨いてきたプレーの一つがサーブである。具体的には、個人でサービスエースを奪う力。

 

 日本代表もチーム全体としてサーブに力を注ぎ、それが今年のネーションズリーグで初の決勝ラウンド進出、過去最高成績となる5位につながった。石川はネーションズリーグの予選ラウンドで計29本のサービスエースをマークし、この数字は大会全選手の中で2番目の数字だった。

 

 サーブで得点できるのは、数字の上でも証明済み。フランス戦のあの場面、石川は当然のごとく、エースを奪いにいった。だが、結果として必要以上に力が入ってしまったというのは本人の告白だ。

 

 「ボールをヒットする瞬間に、『点を取りにいこう』として、力みが出てしまいました。点を取りにいくのは決して悪いことではありませんが、ダメなのは、そこで力んでしまうこと。

 頭は熱く、体はいつもどおり、が絶対条件だと思います。いつもどおりを出せるように、もっともっと頭と体とを整理して打たなければいけない」

 

 闘争心と平常心。そのコントロールにずれが生じたがゆえの、サーブミスだった。そこからブレイクを奪われた日本は、一度は追いついたものの、16-16から2連続失点。金星を逃す結果に終わっている。

 

<いつもどおりにプレーすることの大切さと、その難しさを象徴する場面だった(写真はネーションズリーグ)>

 

>>><次ページ>男子日本代表が追求するは「1点を取る力」

<フランスの司令塔、ブリザール(写真:FIVB)>

 

フランスに金メダルをもたらしたブリザールのサーブ

 

 勝敗を左右する要素を挙げるなら、今やサーブでの得点は決して小さいものではない。フランスのセッター、アントワーヌ・ブリザールは最たる例で、東京2020オリンピックや今年のネーションズリーグの決勝では、いずれもフルセットの最終第5セット序盤でサービスエースを決めて、金メダル獲得の立役者に。クラブでも、イタリア・セリエAで所属するピアチェンツァでは昨季のコッパイタリア準決勝で連続サービスエースをマークして、流れを引き込む姿が見られた。

 

 セッターであり、“得点を演出する”のが主な役割だが、バレーボールにおいて唯一の個人技と言われるサーブで、自ら得点してみせる。そこにブリザールが備える“個の強さ”がある。

 

<サービスエースを奪う力をさらに高めていく(写真はネーションズリーグ)>

 

男子日本代表が追求するは「1点を取る力」

 

 そして、それがチームに勝利をもたらすことを、石川自身は胸に留めている。

 

「フランス戦での、あのサーブミスの1点。あそこで1点が取れるかどうかが日本の勝利に関わってきますし、僕個人がさらに上を目指すためには必要なことなので、そこを突き詰めていきたいです」

 

 帰国した男子日本代表の面々は、あと1点の重みを痛感していた。西田有志や髙橋藍は悔しさを口にすると同時に、「最後の1点を取る力」を強調した。

 

 世界の強豪国と勝負できる力が日本にあるのは確かだ。その先頭に立つ石川に、もし再び同じシチュエーションでサーブが回ってきたら?

 

 それはきっと、日本を勝利に導く一撃となるに違いない。そのための成長を、これからも石川祐希は続けていくのだから。

 

<着実にステップアップを遂げる男子日本代表(写真:FIVB)>

(取材・文/坂口功将〔編集部〕)

 

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男子日本代表が挑んだ世界選手権

戦いの模様は「月刊バレーボール」10月号(9月15日発売予定)に掲載!!

お楽しみに♪

 

>>><次ページ>【ギャラリー】石川祐希のサーブ連続写真

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