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春高2024

生きるためのバレーボール こんバレ第10回【ベトナム編】

  • 海外ニュース
  • 2023.01.21

 

青年海外協力隊による、海外のバレーボール事情や、実際に行った普及活動の様子をお届けする「世界の国で発見!こんなところにバレーボール」、略してこんバレ。第10回はベトナムに派遣された下原英子さんの活動をご紹介します

 

日本を外から見てみたい

 

 私が青年海外協力隊に参加したのは「外から日本を見てみたい」という思いがあったからです。教員採用試験に落ちたのですが、逆に時間ができたと考えて、「今だ!」と、勢いとタイミングを利用して参加しました。

 

 派遣先のベトナムでの生活は驚きの連続でした。例えば、生活用水は基本的に雨水などを貯めて確保するなど、水が豊富にあるわけではありませんでした。なので、スコールが降ると、みんなシャンプーを持ってきて、外で髪を洗います。また風呂場には屋根がなく、星空の下で、貯めた雨水を桶で浴びます。トイレには灯りがないので夜はとても怖かったです。大きく違う生活に慣れることは大変でしたが、現地の方の価値観や感覚が日本とまったく違うため、気持ちや行動を理解することも大変なことでした。私が現地語をうまく話せないこともあり、理解できるようになるまでにはとても時間がかかりました。また、ときどきノックもせずに部屋に突然入ってくることがあるなど、プライバシーがないことには最後まで慣れませんでした。

 

 もちろんうれしいこともありました。少しずつ仲よくなってくると、選手や近所に住む方が遊びに連れて行ってくれたり、家に呼んで手料理を振る舞ってくれたりしました。また私にもわかるように、一生懸命に身振り手振りを交えて会話しているときには、なんとも言えないうれしさがこみ上げました。

 

生きるために選手を続ける

 

 私はニントゥアン省のファンランで中学生から高校生くらいの女子バレーボールチームの指導に携わりました。選手は省内の各地から選抜されており、驚くことに給料を受け取っていました。選抜なので、更新されなければ選手は入れ替わります。更新時期になると、裕福でない選手は給料が入らなくなるため「家族が困る」と泣いていました。彼女たちは生きるためにバレーボール選手をしているのです。日本の同年代の子どもたちの環境と大きく違うことに驚きました。帰国した日に、空港からの帰り道がやけにまぶしく明るかったことをよく覚えています。現地の環境を目の当たりにして、「日本はなんて恵まれた国なのだろう」と感じました。

 

下原英子

1980年11月1日、岩手県花巻市出身。

バレーボール歴は中高大で計10年。高校ではスタメンを務め県2位が最高成績。

 

 

ベトナムってどんな国?

ベトナム社会主義共和国

面積:32万9,241km²(日本は約37万8000km²)

人口:約9762万人(2020年)

首都:ハノイ

※外務省ウェブサイトより引用

https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/vietnam/data.html

 

 

青年海外協力隊とは?

JICA(国際協力機構)が実施する海外ボランティア活動。開発途上国の国づくりに貢献するために活動しており、職種や業務内容はさまざま。スポーツ分野ではバレーボール隊員も派遣されている。

応募ページURL:https://www.jica.go.jp/volunteer/index.html

 

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