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千葉ZELVA(V3男子) ベテラン山田の現役復帰に「一層危機感を持って戦う」

 

 

34歳でコートに戻ったセッターの山田

 

 絶え間なく飛び交うコミュニケーションの声、得点ごとに力強く突き上げられる拳、ボールを追い、フェンスにまで飛び込むディフェンス。「どうしても勝ちたい」。叫びのようなプレーがコート上にあふれる。「とにかく今、このチームに必要なのは『勝ち』なんです」。1月28日(土)、トヨタ自動車サンホークス戦にフル出場した山田要平は、汗をぬぐって静かに言った。

 

【画像】山田要平ら千葉ZELVAその他の写真

 

今必要な「自信」を作り出すための決断 

 

 千葉ZELVAは、昨季V2男子を15位と最下位で終え、V3男子へ自動降格となった。1月29日(日)終了時点で、4勝12敗と10チーム中9位。シーズン序盤、2022年内の8試合では1勝にとどまった。主力だった選手が抜け、チームを作り直して手探りのスタート。走りながら課題に取り組み、練習に励んで試合に臨んだ。だが、なかなか結果に結びつかない。「何が何でも勝ちたい」。黒星が先行した2022年末、選手たちは声をそろえて上田日登監督に訴えたという。

 

 上田監督はチームの未来を考え、3年目のセッター板橋健之、アウトサイドヒッターからセッター兼任となった杉﨑大和の2人に、試合経験を積ませたい思いが強かった。それでも、「今、勝ちたい」チームの総意をかなえるためには、ゲームメークができ安定感のあるセッターの起用が必要と考えた。

 山田は、セッターとしてトップカテゴリーで11年戦ったベテラン。昨季、V1男子に所属する東京グレートベアーズの前身であるFC東京を離れ、千葉のコーチに転身した。「山田選手にはコーチという立場から、自身の経験や、V1レベルの考え方や姿勢を選手たちに伝えてほしいと思っていた。コーチでいてほしかった。でも…。今、必要なのは選手たちの自信。『勝利』という結果が出ないと選手たちの自信につなげられない」。今、勝つために手を尽くさねばならない。かっとうの末、監督は山田の戦線復帰を決断した。

 

 山田が出場し始めた1月7日(土)から28日までの8試合で、チームは白星を3つ重ねた。「山田選手のトス回しはさすが、やりやすい。板橋さん、杉﨑さんには、山田選手が出場する試合を学びの機会ととらえてほしい」と話すのは、ミドルブロッカーを務める橋本大海。仲間への思いと共に、「自分もアタッカーとして、『やっぱり山田選手が出ないといけないよね』という空気にならないよう意識してプレーしたい。(山田が復帰したという)現状に安心するのでなく、一層危機感をもって臨みたい」と自戒する。

 山田本人は「やれることを全うします」と淡々。「コーチの目線でも、選手としてでも、どの役割でも勝つことにこだわって、その時その時の最善を尽くす」。

 

 

積極的なコミュニケーションで勝利にフォーカス

 

 千葉の選手は日中仕事をこなし、週2回の練習を行って試合に臨む。仕事の都合で練習に出られず、試合のみの帯同となる選手もいる。「少ない練習だからこそ、結果を出すためには、もっと一人一人が意識を高める必要があります」と橋本。「与えられた環境の中で、どれだけ各人がやるべきことを考えて取り組めるか。練習時間に限りがあることを言い訳にはしない」。

「長期目標はV2復帰だが、地盤を固めるという意味で、今季まず10勝が目標」と現実を見据える上田監督。残る11試合で、どこまで勝ち星を伸ばせるか。

 

取材/淺井恭子

 

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