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中央大男子 “世界最高峰”に触れて/連載④山﨑真裕「違い、が楽しい。毎日が勉強です」

 

 

 関東大学1部の中央大男子バレーボール部は今年1月下旬から4名の部員の海外派遣を実施。バレーボール部後援会によるプロジェクト「THE FUTURES」の支援によって、3年生の藤原直也を筆頭に、2年生の柿崎晃、澤田晶、山﨑真裕も“世界最高峰リーグ”イタリア・セリエAの各チームに練習生として参加した。選手登録はされず試合に出場することはないが、チームの活動に加わり、リーグのレギュラーシーズンが終了する3月中旬までを過ごす。およそ1ヵ月半にわたる活動の中で、彼らはどんなことを味わったのか。月バレ編集部取材記者が、現地で話を聞いた。《全4回》※学年は取材当時

 

 

山﨑真裕(やまざき・まさひろ/中央大2年/身長195㎝/星城高〔愛知〕出身/ミドルブロッカー)

 

【ギャラリー】シエナの練習風景〔15枚〕

 

《インタビュー連載④》シエナ:山﨑真裕

 

 石川祐希がプロ1年目を過ごした地、シエナ。当時の思い出として真っ先に「体育館の寒さ」を挙げていたが、どうやらそれは今も変わらないようだ。「Emma Villas Aubay Siena」(シエナ)のホームアリーナ、「Palasport Mens Sana PalaEstra」で試合を行う際にはネックウォーマーをつけてプレーする選手もいるし、取材に足を運んだ際にはニット帽を被って練習する選手の姿も。山﨑真裕は「寒いっしょ!?」と白い歯をのぞかせた。

 練習ではチームメートが山﨑を「マサ!!」と呼ぶ声が響く。特に同じポジションのオマール・ビグリノ(イタリア)が、いい“兄貴分”となっているようだ。

 

 

ビグリノ(右)と練習中に会話する場面が多く見られた

 

――チーム内で過ごしている様子を見ていると、楽しそうですね

山﨑 イタリアに来る前から、バレーボールだけでなくて、食事や言葉など何もかもが違うんだろうなと想像していたので、ワクワクしていました。実際、毎日がほんとうに楽しくて!! 違いを楽しめています。例えば、ミドルブロッカーの呼び方もイタリアでは“チェントラーレ(Centrale)”。合流した時は、それが何かわからず、「マサ、マサ!!」って呼ばれて、「あ、ミドルブロッカーの自分のことか」って(笑) 体づくりにしてもウエイトトレーニングを含めて考え方が違うので、毎日が勉強。いつもノートを書いています。

 それにオマールやネマニャ・ペトリッチ(セルビア)がほんとうに優しくて。私生活からよく面倒を見てくれて、大好きです。

――反対に、不安などは?

山﨑 派遣が決まったときはワクワク5割、不安5割でした。不安は的中したといいますか、もう絶望感に近かった。正直なところ、自分はブロックに自信がありましたし、大学でもクイックを決められていたので、「どんなもんじゃい!!」くらいの気持ちで臨んだんです。そうしたら実際は、次元が違い過ぎて話になりませんでした。

 ミドルブロッカーにしても、高さはもちろん、それだけじゃなくてクイックではコースをきれるうまさがあるし、プレー全般にスピードがある。それに、いいサーブを打てるし、ディグも上げられますから。高さ、速さ、うまさの3拍子がそろっている選手ばかりで、もう“すごい”のひと言です。

 

 

ミドルブロッカーとして、次元の違いをまざまざと味わった

 

――石川選手は大卒1年目で、この場所に。ご自身のそうした未来を想像できますか?

山﨑 (即答で)できないです。まだ、まだまだ足りない。この世界で戦うならば、最高到達点を大学4年間で350㎝に届かせる必要があるかと。

 ただ、できることなら、こういう環境でユニフォームを着てプレーしてみたいです。セリエAの試合は、地域のファンがものすごい熱気で応援してくれるんです。ちびっこから年配ご夫婦、なんなら犬までいますからね!!(笑) おそらく、みんなシエナというチームが大好きで。実際に試合に出て、あれだけ応援されたら、シエナの町や人がもっともっと好きになるんだろうなと思います。

――帰国すれば大学3年目が始まります。意気込みを聞かせてください

山﨑 この春からは上級生になるので、バレーボールにいっそう集中させてもらえることになります。当然、結果が求められるでしょう。それに今年度のキャプテンの山本涼さんは高校の先輩で大好きなんです。今回、ヴェローナに参加した藤原直也さんも慕っているので、4年生たちを春リーグから勝たせたい。そのためにも、スタートから頑張りたいです。

 

 

成長するきっかけや方法を学んだ機会となった

 

――今回、セリエAを目の当たりにしたからこそ、大学で収まってはいけない、とも?

山﨑 ほんとうに、そのとおりです。大学で天狗になっていちゃダメですね…。今までの自分では足りないんだぞ、と思い知らされました。

 では、ここから何が必要か。例えば、海外のミドルブロッカーと比較するとワンサイズ小さいわけですが、ブロック時の移動は劣らないとも感じているので、下半身は引き続き強化していきたいです。それにこっちのミドルブロッカーは空中での安定感を意識した体づくりをしているようで、自分もトレーニングの方法など新しく取り入れてみようとも考えています。

 

 

チームメートから「ビッグスマイル!!(もっと笑って)」と声をかけられ、照れ笑い

 

(取材・写真/坂口功将〔編集部〕)

 

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