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春高2024

パナソニックを退団して韓国リーグへ 伊賀亮平&大竹壱青が語った挑戦への思い

  • V1
  • 2023.05.24

 

V1男子のパナソニックパンサーズは、伊賀亮平、大竹壱青が退団することを523日(火)に発表した。ともに425日(火)から27日(木)に韓国の済州島で行われた韓国トップリーグ「Vリーグ」のトライアウトに参加。アジア枠としてドラフトで指名され、伊賀は「水原韓国電力ビクストーム(KEPCO VIXTORM)」、大竹は「ソウル・ウリィカード・ウリィWON」に入団する予定だ。5月上旬に行われた黒鷲旗で、2人は新たな道に進む理由を語っていた

 

 

来季は韓国リーグでプレーする伊賀(左)と大竹

 

過去最多出場も伊賀は目標のために決断

 

「海外の話があったら、迷わずゴーだよ」

 これほど説得力のある言葉はなかった。伊賀亮平が「いろんな人に話を聞きましたが、最後に押してくれた」と語ったのが、フィンランド、フランス、ポーランドでのプレー経験がある古賀太一郎(東京グレートベアーズ)だった。

 

 中央大時代は1学年下の石川祐希(ミラノ)がイタリアで戦う姿に刺激を受けるなど、以前から海外でのプレーに興味はあった。その思いを持ち続けながら、今シーズン途中に舞い込んだトライアウトの話。これまでもディフェンスに関するアドバイスをもらっていたという先輩リベロからのひと言に、「長い間日本でやっていましたし。知らない場所でバレーをしたほうが、精神面も強くなるかなと思いました」。今季はキャリアハイの141セットに出場したが、その立場を失ってでもチャレンジしたい思いが強かった。

 

 韓国チームからは守備力を高く評価され、トライアウトでもその実力を証明。「トライアウトは即席チームですし、組織というよりはまず自分のプレーを見せないといけない環境だったので。そこはめちゃくちゃアピールしました」という成果が実り、見事指名を受けた。環境が変わっても、「日本でやっているままでいいと思っています。調子の幅はあまりないと思うので、よくも悪くも、ふつうにやっていきたいです」と磨いてきた技を発揮するのみだ。

 

 パナソニックを退団し、プロバレーボール選手としての道を歩み出す。韓国での挑戦はその一歩だ。

 「(韓国で)ずっとできるのであれば、ほかの世界も見えてくるかもしれないじゃないですか。まずはこの1年、韓国でのプレーに集中したいです。自分のモットーである楽しく。しんどくても楽しくプレーしながら、優勝を目指して真剣に取り組んでいきたいです」

 輝かしい未来を目指して、未踏の地を迷わず進む。

 

 

取材はフルセットにもつれこんだグループ戦早稲田大戦の直後。韓国リーグへの思いを語る前に、#16伊賀は「水町(泰杜)はすごいですね。Vリーグでも見るぐらいのサーブですし、いいスパイクでした」と相手をたたえていた

 

大竹はさらなる出場機会を求めて

 

 出場機会を増やした伊賀とは対照的に、大竹壱青にとっては苦しいシーズンだった。終盤には今季日本代表に選出された20歳の西山大翔が台頭。入団5シーズン目で最少の48セットの出場に終わった。「僕の力不足もあると思います。ああやって若い力が出てきたということは、自分の能力がまだまだだとしっかり証明されたと思うので」と唇をかんだ。

 

 ルーキーイヤーは最優秀新人賞を受賞し、Vリーグ優勝に貢献した。「パンサーズで5年間お世話になったので。いい経験をさせてもらって、感謝の気持ちはあります」。それでも、「何もしないのは嫌なので。ほんとうにバレーボールが好きで、まずはバレーボールがしたい。今の僕の力はどうなんだろう、という気持ちもあって、挑戦しようと決めました」と腹をくくった。

 

 トライアウトの結果、ソウル・ウリィカード・ウリィWONから指名を受けた。身長202cmの高さから打ち込むパワフルなサーブとスパイクを、再びコートで見せつける。「皆さんに見ていただく機会は減ると思いますけど。『大竹壱青が韓国に行っているんだな』って頭の片隅に置いてもらえたらと思います」と笑顔。切磋琢磨してきた西山には「やっぱりすごい能力があるので。あとは彼次第ですけど、頑張ってもらいたいとすごく思います。思いきって伸び伸びやって、また強いチームをつくってもらいたいです」とエールを送った。

 

黒鷲旗ではサービスエースやスパイクを決めるなど、途中出場でも結果を残した#4大竹

 

伊賀亮平

いが・りょうへい/1994629日生まれ/身長171cm/最高到達点305cm/駿台学園高(東京)→中央大/リベロ

 

大竹壱青

おおたけ・いっせい/1995123日生まれ/身長202cm/最高到達点346cm/東亜学園高(東京)→中央大/オポジット

 

文・田中風太(編集部)

写真・山岡邦彦(NBP

 

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