サイトアイコン 月バレ.com【月刊バレーボール】

それいけ NEW GENERATION 高橋慶帆<自らの成長で誰かを笑顔に>【月バレ2021年4月号プレイバック】

#5高橋慶帆(習志野)

 9月19日(火)〜26日(火)まで杭州(中国)で開催されていた第19回アジア競技大会(2022/杭州)のバレーボール競技で銅メダルを獲得した男子日本代表。今年度初選出の高橋慶帆は全7試合に出場し、そのうち5試合でチーム最多得点をあげて勝利に貢献した。彼がバレーボールを始めた理由や今後どのようなプレーヤーになりたいかを語った、2021年4月号のインタビューをお届けする(内容は当時のまま)。

 

 

#5高橋慶帆(習志野)

 

【画像】高橋慶帆(男子日本代表)アジア競技大会(カタール戦)の写真

 

----以下、月刊バレーボール2021年4月号より----

 

バレーボールを始めて4年 世代を代表するエースとマッチアップ

 

 ネットの上、いちばん高いところが常に高橋慶帆の戦場だ。最高到達点は349cm、圧倒的なジャンプ力を武器に春高を2度戦った。

 今年の春高では、2回戦で東福岡高(福岡)と当たり敗戦。悔しい結果にはなったが、東福岡のエース柳北悠李にスパイクを「1セットに1本止めることが目標でしたが、1セット目で3本止めることができました」と高橋はうれしそうに話した。

 

 イラン人の父と日本人の母を持つ高橋がバレーボールを始めたのは、中学2年生という少し中途半端な時期だ。小学2年生からサッカーに打ち込んでいたが、ケガなどさまざまな理由からやめることになり、バレーボール部に入部。しかしそこに明確な理由があったわけではないという。「陸上部とバレーボール部で悩んだのですが、決め手は朝練がなかったことです」と、笑いながら選択の理由を話した。

 

 バレーボールは想像以上に難しかった。アンダーハンドパスはコントロールができないし、サーブは入らない。そして「サッカー部の癖で、手よりも先に足が出てしまうことが多かった」。そんな日々を乗り越えながら半年がたった10月、当時身長176cmの高橋は地区の選抜に選ばれた。レベルの高いプレーに触れたことで、「バレーボールがうまくなりたいと思いが描けるようになり」、さらに上を目指す一つの転機となった。

 

 

【次ページ】経験をすべて成長につなげて、見ている人を元気にできるプレーヤーに

 

高橋慶帆(習志野)

 

経験をすべて成長につなげて、見ている人を元気にできるプレーヤーに

 

 JOC杯の選考会も経て、中学3年生の夏に習志野高の監督から声をかけられたが、受験するかどうかは悩んだという高橋。出場したたった1度の県大会で1回戦敗退の自分が、強豪校でプレーできるか不安だった。しかし、春高の千葉県代表決定戦を見て、習志野高の速く多彩なコンビバレーに魅せられた。「今までに見たことがないバレーで、自分もこの中に入りたいと強く思いました」。

 

 入部当初は、練習量も内容も中学とは違い、ついていくので精いっぱいだった。さらに「経験値が少ないので、もっと上の位置からスタートしているみんなに追いつけるか、メンタル的にきつかった」と振り返る。しかし「監督やコーチ陣たちが根気強く育ててくれた」ことでめきめきと成長し、最高到達点は10cm上がった。長身選手発掘育成合宿に参加したことも自信につながった。「スタートは遅くても、努力しだいでいくらでも成長できると実感しました」。

 

 1年目、初めての春高では手が震えるくらい緊張し、先輩たちに支えられながら戦ったが、結果は1回戦敗退。自らの実力を知らされたが、昨年2月に男子U18(ユース)日本代表候補合宿に参加したことが再び転機に。「全国レベルの高さや細やかな技術を間近で見たことで、刺激を受けました。どうやったらマネできるか、ひたすら考えていました」。その意欲が柳北のスパイクを止めるまでの成長につながった。

 

 4月からは高校最後の一年が始まる。「春高を2度経験しているので、自分から発信する必要がある」と話す高橋は、新チームで副キャプテンを務めることになり、名実ともにチームを引っ張らなくてはいけない立場に。得意のブロックでは「経験や知識を仲間に伝えて、自分がその中心になる」と意気込み、「1本ブロックされても落ち込まず、決めきる強い気持ちを持ちたい」と攻撃への意欲も十分だ。

「プレーを通して、見ている人に元気になってもらいたいです。」と語る高橋。高校、そしてその先のカテゴリーでも、見ている人を笑顔にするために、常に成長の機会を逃がさずにつかんでいく。

 

高橋慶帆

■所属→習志野高2年(千葉)

■生年月日→2003年10月13日(17歳)

■身長→191cm

■最高到達点→349cm

■ポジション→ミドルブロッカー

■憧れの選手→「西田有志選手の、コートの中で闘争心全開な熱い姿に憧れています」

※プロフィールは当時のもの

 

--------

 

 以上、2021年の月刊バレーボール4月号の記事を振り返った。見ている人を元気にさせるプレーヤーになりたいと語っていた高橋慶帆は、今後も進化を続けて多くの人を笑顔にしていくことだろう。

 

 

 

【関連記事】

■アジア競技大会 男子日本代表はカタールを下し前回大会を上回る銅メダル

■高橋慶帆「まずは持てる力を発揮したい」【月バレ2023年7月号プレイバック】

■アジア競技大会 開催国の中国に敗れ3位決定戦へ

【高橋慶帆選手のプロフィール】

【男子日本代表特設サイト】

 

【次ページ】高橋慶帆(男子日本代表)アジア競技大会(カタール戦)の写真

 

 

モバイルバージョンを終了