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身長204㎝の男子バレー界のホープ マサジェディ翔蓮(専修大1年)が感じた世界の壁 U19日本代表としてリベンジへ

マサジェディ翔蓮

バレーボール男子U19日本代表候補選手は、319日から23日に墨田区総合体育館(東京)などで強化選考合宿を行った。身長204㎝のマサジェディ翔蓮(福岡大附大濠高〔福岡〕専修大1年)は、昨年の2024男子U18アジアバレーボール選手権大会(バーレーン)で初めて海外でのプレーを経験。そこでの課題を胸に、7月24日〜83日にタシケント(ウズベキスタン)で開催される2025男子U19世界選手権大会での活躍を目指す

 

 

マサジェディ翔蓮

 

 

中国、イランのような高さを

常にイメージ

 

 とにかく高く、ブロックの上からボールをたたく。全国高校選抜候補、そして日本体大と練習試合を行った321日。身長204㎝の高さから放つマサジェディ翔蓮の打球は、鈍い音を響かせてコートに突き刺さった。右すねの痛みから10日間ほど回復に努めていたが、そのブランクを感じさせないパフォーマンス。中でも、高校生が相手の際は、竹内裕幸監督(星城高〔愛知〕)の教えを徹底した。

「竹内先生からは『日本人が相手だったら(ブロック)の上から打て』と言われていて、通過点を高くすることを意識しています。高校生の上からは必ず打てるようになってきていると思うので、そこはよかったです」

 

 同世代で右に出る者はいない圧倒的な高さ。だが、それだけでは通用しない世界を知った。昨年7月下旬から行われ、初の海外での試合となった2024男子U18アジア選手権大会。相手コートには自分と同じか、それ以上のポテンシャルを秘めた選手たちがいた。準決勝のイラン戦では15得点をマークしたものの、0-3と完敗した。

「高校では自分と同じくらいの人がいなかったので。うわぁ、という…(笑) みんなブロックで(白帯から見て)胸まで出ているし、ミドルに関してはスパイクでも胸まで出ていました。コート内に打っても簡単に切り返されてやられてしまうので。ブレイクのチャンスが回ってきたら、必ずスパイクを決める大切さにあらためて気づきました」

 

 

課題を持ち帰った2024男子U18アジア選手権大会でのイラン戦AVC

 

 

 続く3位決定戦でも、2次ラウンドでは勝利していたパキスタンに敗戦。その一方で、中国がイランを下して優勝した決勝を見ると、「圧倒的な差を感じました」とアジアトップの力を見せつけられた。今回の合宿で選考を通過すれば、次の相手は世界。4月からは大学生として腕を磨くなかで、常に自分に問いかける。

「(2025男子U19世界選手権大会に出場すれば)相手は全員がイランや中国のような選手ばかりだと思うので、その意識を日ごろの練習から持ちたいです。ブロックを意識しながらスパイクを打ったり、例えばサービスエースを決めても、その威力でほんとうに足りるのか。一つ一つ、確認しながらやっていこうと思います」

 

 この合宿のおよそ1ヵ月前には、男子ユニバーシアード日本代表候補(若手有望)選手としてベオグラード(セルビア)で地元チームとのフレンドリーマッチに参加。選出されたメンバーでは、山本快(福井工大附福井高〔福井〕筑波大1年)、神﨑優(金光学園高〔岡山〕中央大1年)と並んで最年少だったが、身長は206㎝の麻野堅斗(早稲田大3年)に次いで2番目。福岡大附大濠高3年生時には全国大会には出られなかったものの、男子バレーボール界期待の若手の一人には違いない。

「まずはユースに選ばれて、そこからジュニアのメンバーに入ったり。まだ技術、メンタルともに全然足りていないので、大学に行きながらシニアに選ばれるように努力していきたいです」

 

 

セッターの松田悠冬(慶應義塾高〔神奈川〕→慶應義塾大1年)を労うマサジェディ。リーダーシップの面でも期待がかかる

 

 

 4月17日に発表された男子日本代表登録メンバーには、同い年の川野琢磨(駿台学園高〔東京〕→早稲田大1年)が名を連ねた。「ライバル」と意識する存在と肩を並べる日を目指して、着実にステップを踏んでいく。

 

まさじぇでい・かれん/専修大1年/身長204㎝/最高到達点345㎝/福岡大附大濠高(福岡)出身/アウトサイドヒッター、オポジット

福岡大附大濠高2年生時には、高校では自身初めての全国大会となるインターハイ、そして国体(現・国スポ)に出場。父はVC長野などで監督を務めたライアン・マサジェディさん

 

文・写真/田中風太(編集部)

 

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