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「ユースにいい選手はいませんか?」石川祐希の言葉をU19日本代表候補の選手たちへ 竹内裕幸監督が掲げるポイントはセッターの大型化

練習開始前に選手たちに言葉をかける竹内監督

バレーボール男子U19日本代表候補選手が、3月19日〜23日に墨田区総合体育館(東京)ほかで強化選考合宿を行った。全国高校選抜候補、早稲田大、日本体大、国士舘大との練習試合を中心にスキルアップ。7月24日〜83日にタシケント(ウズベキスタン)で開催される2025男子U19世界選手権大会に向け、竹内裕幸監督(星城高〔愛知〕監督)がチームづくりの狙いを語った

 

 

練習開始前に選手たちに言葉をかける竹内監督

 

 

U19日本代表候補といえど

トップで戦う気概を

 

 ウォーミングアップ中から、選手たちの表情は緊張感に包まれていた。生き残りをかけた選考が始まったから、という理由だけではないだろう。全体練習の前に竹内裕幸監督が問いかけた言葉を、それぞれがかみ締めているようだった。

 「石川(祐希〔ペルージャ/イタリア〕)と会うたびに、『ユースにいい選手はいませんか?』と聞いてくれているからね。あなたたちが石川と戦うとか、石川を倒すとか、そういった意識を持たないとダメ」

 

 星城高でも指揮を執る竹内監督は、アンダーエイジカテゴリー日本代表の監督を務めて3年目。柳田将洋(東京GB)、そして教え子である石川ら、第一線で活躍する選手たちには高校時代から関わってきた。高校、大学を経てからSVリーグに進むのが主流である日本とは違い、海外で19歳といえばトップ選手たちと肩を並べて戦っている年代。だからこそ、竹内監督は言葉に力を込める。

 「彼ら(石川ら)の言葉を僕は直接聞けるので、彼らが今感じていることをこの子たちに伝えていくのも大事だと思います。石川が憧れの人ではなくて、一緒に戦うとか、ポジション争いをするときがきているんだよ、と。どこかで響いてくれるといいですね」

 

 

指揮官の期待も高い松田(左)と瀬川の両セッター

 

 

 厳しい言葉で自覚を促すのは、「ほんとうに(シニアに)送り出したいし、いけそうな素材が多い」と語るように、期待の裏返しでもある。身長204㎝のマサジェディ翔蓮(専修大1年)ら昨年のU18アジア選手権大会を戦ったメンバーに加え、注目は昨年の同大会はインターハイと日程が重なって出られなかった松田悠冬(慶應義塾大1年)と瀬川桜輝(早稲田大1年)の両セッター。松田は身長190㎝、そして瀬川は身長181㎝でそれぞれタイプが違う2人を、チームの核に据えるプランだ。

 

「ユースのコンセプトとして、この2年間でセッターのサイズアップを図ってきました。昨年のアジア選手権大会は比叡山高(滋賀)の中村(悠暉/現中央大1年)を中心にして、今度は中村をジュニアのカテゴリーに推薦で送り出しました。去年インターハイで出られなかった松田、瀬川に日の丸を背負って戦わせたい、というイメージで上のカテゴリーとコミュニケーションを取っています。

 安定感のある瀬川が(チームで)いちばん小さいセッターというのをコンセプトに、大きい選手にチャレンジさせたい。松田がブロックとサーブと高さを生かしていけるところまでいって、苦しいときには瀬川が出る。そんなイメージでいきたいです」

 

 昨年のU18アジア選手権大会は4位。優勝した中国、準優勝のイランとは「レベルの高さをかなり痛感しました」と厳しい現実を見た。それでも、「それを倒すイメージを持ちながら世界に向き合っていきたい。やっぱり日本代表である以上、メダルを目指したいです」。U19世界選手権大会は729日(火)〜81日(金)に島根で行われるインターハイ男子と日程が重なるため、同予選が終わったあとにメンバーを決定。どんな布陣になっても、シニアと同じ、志の高い選手たちが集まることには変わりなさそうだ。

 

 

合宿に参加したU19日本代表候補の選手たち

 

 

文・写真/田中風太(編集部)

 

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