バレーボールの「令和7年度全国中学選抜」(以下、全中選抜)の第一次強化合宿が10月16日〜19日に岩手で実施され、男子は全国各地から31名の選手が参加した。来年2月に予定されているイタリア遠征のメンバー候補である彼らの中には、兄がアンダーエイジカテゴリー日本代表を経験した2人がいた。
まずは土井颯太(大村中〔長崎〕3年)。兄の土井優太(日本体大2年)は大村工高(長崎)時代に男子U18日本代表入りを果たしている。そして岩下遼大(錦ヶ丘中〔熊本〕3年,フォルテジュニア)。こちらの兄、岩下将大は鎮西高(熊本)で今季、ここまでインターハイと国体のシーズン二冠を達成しているメンバーの一人であり、2年前には全中選抜のイタリア遠征でエースアタッカーを担った。今回、彼ら弟たちのクロストークが実現。目指すは…、兄貴超え!?
――お互いの中学で対戦機会はありましたか?
土井 中学ではなかったですね。
岩下 2人ともJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会の県選抜に入っているので、その練習試合では対戦しました。
――プレーヤーとしての印象はいかがですか?
土井 やはりトス回しが上手なセッターなので、ブロックする際も振られることが多くありました。対戦していて、やりにくい相手です。
岩下 とはいえ(土井は)ブロックが高いですから。それにアタックでもコースの打ち分けがうまいので、ブロックの横を抜いてきたりもします。対戦しづらいですね。
――今回の合宿で一緒に過ごしてみて距離感は変わりました?
土井 県選抜の練習試合のときもそうでしたが、とても話しやすいです。
岩下 しゃべりかたがおもしろいんですよ(笑)
土井 それに、とにかくイケメンですから。
岩下 いやいや(照れ笑い)
土井 ご覧のとおり。かっこいいですね。
――この第一次合宿にはどんな思いで臨んでいましたか?
土井 去年も参加したのですが、そのときは何をすればいいのかわからず、先輩たちに任せきりでした。今年はみんなに指示やアドバイスすることもできているので、去年よりも参加している実感があります。それに、ここにきただけでは自分の目標は達成されません。まずはイタリア遠征に、そして、その先を目指したいと考えています。
岩下 イタリア遠征のメンバーに選ばれることが目標ですが、自分に足りない技術などを周りの選手たちから見て学んで、少しでも持ち帰って県選抜で発揮できるように頑張りたいと思っていました。
――さて、今回は実績あるお兄さんを持つ2人にご登場いただいたということで…、兄弟げんかはしたことありましたか?
土井 昔はしていましたが、今は全然です。小さいときは、「自分のほうが強い!!」だなんてしようもないことでけんかしていました(笑)
岩下 小さい頃は自分が生意気だったので(笑) こちらから一方的にけんかをしかけて言い争いになる、という具合でした。最近は全然ありません。
――同じバレーボール選手として、お兄さんたちが日の丸をつけた姿をどのように感じていましたか?
土井 憧れにできる選手が身近にいるのはとてもいいことです。それを目標に自分も頑張らなければ、と思えますから。
岩下 どうしても「お兄ちゃんが選抜に入っているから」という見方や考えがあって、嫌に感じるときもありますが、自分の家族が活躍していることは素直にうれしいことですから。今回の全中選抜も「お兄ちゃんが行けたから、自分も入れる」とは思わず、自分は自分であのレベルに追いつけるように頑張りたいです。
――お2人にとっての中学バレーも大詰めです。シーズンを終えたときにはどんな選手になって、お兄さんと向き合いたいですか?
土井 まだまだ体格やパワーでは及ばないと思うので。まずはお兄ちゃんが高校に入学したときのプレーレベルを自分も満たせているように。そんな選手にまずはなりたいです!!
岩下 ポジションが違うので比べることはないのですが、海外遠征や試合など同じ舞台を経験して、一緒のレベルでプレーして最終的に超えられるようになりたいです。
■令和7年度全国中学生選抜の第一次強化合宿を実施。川合俊一会長も激励に
■インターハイ連覇、全中6連覇の金蘭会高校、中学が合同祝勝会を開催 両監督が明かした偉業への道のり
■U16女子日本代表 3位決定戦で中国に惜敗も世界選手権出場権を獲得
■資格「松本恋/穏のうまさにしびれたんです」全国大会6連覇の金蘭会中が今夏、出会った新しい世界
■男子U16日本代表 手塚純矢(V-NUTS)の2025年。「全国ヤングクラブ大会では自分のベストパフォーマンスを」
【ギャラリー】土井颯太と岩下遼大の全中選抜第一次強化合宿の様子
