サイトアイコン 月バレ.com【月刊バレーボール】

女子日本代表紅白リモートマッチレポート/オーシャンズブルー編

女子日本代表紅白リモートマッチレポートの第2弾。昨日のシャイニングレッド編に続き、これまでの日本代表ではあまり見 なかった、白と青を基調としたデザインの「オーシャンズブルー」の視点からゲームを振り返る。 試合はもちろん、なかなか実践を経験で きない状況の中、リモートマッチ限定のユニフォームを着てプレーをした選手達は何を思ったのか。ゲームと共に振り返る。

オーシャンズブルーチーム

メーカー側も驚きの展開。コンセプトに込められた願い

 コロナ禍の脅威は日常生活を変え、バ レーボール選手にとっても大きな影響を与えている。アスリートとしての活動場所が 制限され、ボールを触ることすらままならぬ生活が続いた。そうして部分的にではあるが再開した、かつての日常。選手たちは 感謝の気持ちを抱いて、次の一歩を踏み出した。その一人、石井優希はこう話す。

 

「コロナ禍で大変な状況ですが、私たちは練習できる環境をもらえています。この先も不安は残りますが、少しでも私たちの力で元気になる方々が増えることを願い、 また来年の大きな舞台に向けて、精度を高められるように日々頑張ります」

 プレーを通じて、見る人に勇気や感動、 そして元気を。そうした思いを再確認し、 選手たちはこの日に臨んでいた。 紅白戦で使用されたのは、2着のユニフォーム。シャイニングレッドは赤、オーシャンズブルーは青を用いたカラーリング であり、一目で違いがわかるデザインでもあった。

 

 手がけたのは、1989年から女子日 本代表に携わるミズノ。今回の特別ユニ フォームを作成するにあたり、デザインにはメッセージをこめた。たとえば、オーシャンズブルーの一着は鮮やかな青と白が 映えるさわやかなカラーリング。白の部分にはグレーのストライプがうっすらと入っ ており、これらは“水の流れ”をイメージし たもの。

 

 さて、ここでメーカーの担当者も驚いたというのが、チーム名とのマッチング。実のところ、ユニフォームのデザイン自体は 先にできあがっており、チーム名は別進行で公募されていた。決まったのは『オー シャンズブルー』。結果として、デザインのコンセプトにぴったりな名称となったのであった。ちなみに、“元気を与えたい”を コンセプトにしていた赤のユニフォーム も、チーム名は『シャイニングレッド』。 シャイニング=輝き、とは元気なネーミングだ。

 

 そうしたコンセプトを元に仕立てられた デザインは、いつものノースリーブとは異なり少し袖がある『キャップスリーブ』モデルの形状もあって、新鮮そのもの。オーシャンズブルーの場合は選手たちが着用する青のシューズとの相性も抜群で、全体的にまとまりのある印象となった。その一方で、“日本代表といえば赤”という観点から 胸に入った赤のラインは、これが代表のユ ニフォームであることの証しでもあった。

 

 紅白戦当日、選手たちが実際にこのユニフォームを手にしたときに抱いたのは“特別感”だった。オーシャンズブルーの一員として出場した石井は「一日限定のユニフォームで試合をするのは人生初。デザインも今までの代表ユニフォームにない斬新さがありました」と振り返った。また、当日はTシャツユニフォームの着用、と聞い ていたという山田二千華はその仕上がりに 驚きの声。

 

 「思っていた以上にしっかりとしたユニフォームで、びっくりしました。デザインも両チームで違っていましたので、区別も明確。1回だけのユニフォームを着てプレーする試合は、とても特別なものでした」

 いざ試合では、主軸として活躍が期待される石井がチームを牽引。また、昨年の世界大会で大ブレイクした石川真佑や、チーム屈指の爆発力を秘めた黒後愛が中心となって攻撃を展開する。石川は磨いてきた サーブが炸裂し、黒後も前衛後衛問わずに力強いアタックを打ち込んだ。

 

 第1セットは最後までシャイニングレッドに食らいついたものの、最後はベテラン 荒木絵里香の攻守にわたるプレーの前に 22-25で屈したオーシャンズブルー。続く第 2セットも序盤に許した連続失点が響き 21-25で落とし、紅白戦を勝利で飾ること はできなかった。

 

 それでも、特別に設けられた第3セットでは光明が見られた。山田がチーム内最高となる到達点310cmの高さを存分に発揮し、クイックにブロックと攻守でアピール。今年度、初登録の山田だが、昨年若手 中心のメンバーで臨んだアジア選手権では ベストミドルブロッカーを受賞するほどの 高いポテンシャルを備えている。この日の 試合を見ながら中田久美監督も、「国際試合での経験をたくさん積ませたい選手の一人です」と評価した。

 

 山田の躍動もあってチームはリズムをつかみ、黒後も強烈なスパイクで連続得点を あげるなど、相手の反撃を許さず。25-12と大きく引き離して、最終第3セットを戦い終えた。

 コロナ禍の影響を受けて、代表シーズンでは今年度唯一のお披露目の場となったこの日の紅白戦。世界的な脅威に見舞われな がらも、立ち向かっていくバレーボール選手たちがそこにはいた。先行きは依然不透明だが、今回の試合が選手たちにとって胸にある思いを強くさせるものとなっただろう。試合後、山田はこう意気込んだ。

 

 「まだまだ難しい状況が続いていますが、今回のリモートマッチのように、たくさんの方にパワーを与えられるように日々、努力していきます」

 

 苦難を乗り越えた先に、青き大海のような景色が広がっていると信じて。女子日本代表の戦いはこれからも続く。

この記事はミズノ株式会社とのタイアップ広告です。

『同じユニフォームがミズノのサイトで作れます』

※リモートマッチ限定ユニフォームは当システムを使 用し作成

 

ミズノバレーボール

モバイルバージョンを終了