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柳田将洋スペシャルインタビュー

5年目の全日本でキャプテンに就任し、新しい決意を持って挑む今シーズン。自分の描くキャプテン像を全うし、さらに結果にこだわった一年に――。最大のターゲットである世界バレーに向けての熱い思いを語る。   ――全日本のキャプテンという重責を担って 実は、学生時代も何回か経験していますが、これまで自分が“キャプテンらしいキャプテン”をやったことがない、と言いますか、あまり自分が一つにまとめていこう、というタイプではありませんでした。それよりは、いろいろな人に意見を求めて話して、“どうしていこう”とベクトルを一つの方向にまとめることに注力してきました。 僕の考えているキャプテン像は、いろいろな選手をまとめるということだと思っています。それは去年や一昨年、引っ張っていた方も同じで、プレーで引っ張ってそこにみんなが集まっていました。僕もそういう理想を持ってバレーをやっているので、チームが向かっていく中心でいられればと思います。 例えばこれまでの全日本でしたら、オミ(深津英臣)さんや清水(邦広)さんのようにプレーで、背中で引っ張っていくことはしたいと思います。プレーで引っ張って、かつ、一つの方向を向けるように、選手間でコミュニケーションを取れるようにしていきたい。 それは多分、レベルこそ違いますが、代表であっても、大学であっても、大きく変わらないのかな、と。同じ“組織”として、まとめることが重要なことだと思っています。   ――以前、中垣内監督にキャプテンを指名されたことが「いいタイミング」とおっしゃっていました ドイツ(ブンデスリーガ/バイソンズ・ビュール)でプレーしていた2017/18シーズン、リーグの終盤に差し掛かっていて、僕のモチベーションとしてもいい形で終えたかった。そこで中垣内監督からそのような声をかけてもらい、すごくいいタイミングで話をもらえたなという主観的な感覚でした。   ――キャプテンを務めたビュールでは、“引っ張る”が強く見えたように思います 確かに、ビュールでそちらのほうが強かったかもしれません。チームが若すぎて、いろいろなことが交錯していたし、経験値がないというのがすごくわかったので。外国人の選手の中で、日本のようには言葉が通じない中で、アクションをするというか、その部分はかなり大げさにやっていたので、外から見ていたら、引っ張っていると感じるのかもしれません。   ――日本に帰ってきて、100%言葉が通じるようになるから楽しみだとおっしゃっていました それは忘れたくないな、と思っています。言葉が通じ始めてしまうと、通じている環境に慣れてしまう。今も時々にハッとしますね。そういうことを経験しているから、もっとそこに対する重要性というのをわかっていないといけない。合宿に入って、言葉が通じるのでいろいろな意見がわかるので、それもいろいろ吸収していかなければならないし、それをないがしろ、じゃないですが、そうしてしまうと、自分の意見だけを通すというのも、自分が思い描いているものとは違うので。そこを何かうまく一つにまとめていくというのは、コミュニケーションなしには考えられないので、難しい。しゃべらなくなるのは簡単だけれど、だからこそ、さっき言ったことを忘れちゃいけないな、と思いながらやっています。   ――全日本も5年目となりました。5年目だからこそ、できることとは? 2つの面があって、自分自身が5年目まで代表として積んできた経歴があり、それが代表で世界に対して、プレーできる要因になると思っているんです。それは代表で戦うこと=相手が世界だから、そこでの年数が長いほど、対、世界に対する隔たりがないと感じます。そこがダイレクトに目標になっている。それはよさだと思いますし、ないといけないとは思います。 その反面、自分が5年間代表でやってきて結果を求められる中で、“自分が何をやってきたか”ということをもちろん振り返ります。下からの突き上げも絶対にあると思うんですよね。監督のイメージもそうですし、そこに対して自分がどれだけチームで重要度があるのか。危機感ではないけれど、ずっと自分を使ってくれるのかは、代表歴が長いことではありません。結果を残していなければならないと思います。 でも、僕の中では現状、それが“ある”とは言えない。結果が残っているとは言えないので、だからこそ、今は1シーズン、1シーズンが勝負になる、というイメージが強いです。代表に残りたいというよりも、結果を残したい。そのために、ステップアップもしたいし、代表にどうしても残っていきたいという思いもある。 そういったアピールをする時もそうですし、常に考え、必ず頭の中にはありますね。メンバーが発表されて、これからどうしよう、という時に、去年何があったから、今年はどうしよう、とか。今年、代表5年目にして少しずつ、心の中で沸いてきているものではあります。 すごく極端に言えば、“自分はいつかいらなくなる”。そういうこととも戦いながら、やらないといけないと思っています。その状況はいつなるのか、コンセプトが変わる時なのか、自分が結果を残せないと判断された時なのかはわかりませんし、自分は準備をするだけに変わりはない。そういうのを考えながらやることが、もっともっともっと、につながっている部分だとは思います。   ――今年の攻撃面での「速さ」に関してはどう感じていますか? 去年のことがあっての今年のトライです。そこで形にすることによって、攻撃面で世界との距離を縮めることができると思います。もちろんブレイクの面でもそうですし、パイプを早くしている部分に関しても、サイドを生かすためにしていると思うので。サイドの攻撃に関してはもう少しアジャストしていく部分があると思うので、コンビや状況によってトスの質をどうするのかという細かい部分をこれからチームで話していきたいと思います。   ――サイドに関しては何が何でも速さを優先するというより、折り合いをつけて打ち切れるところを重視しつつという形になりそうか 速いバレーを優先的に考えて組み立てていると思います。コーチもそこを中心にチームを作っていると思います。打ちやすいほうを優先してしまうというのは、自分の成長につながらないし、去年の経験もあります。今年はそれを踏まえてやりたいので、もう少しトライし続けたい。 僕らの目標は、世界バレー。そこに向けて自分たちは新しいことをやりたいと考えています。最終的にどこを目指していきたいのかということを忘れずに、アジャストするところはしっかりとして、トライするならしっかりと続けるという姿勢を持ちたいです。   ――ドイツでの収穫をどう生かしたいか あらためて、高いブロックは多かったですし、それへの対処法は、速いトスへの対応に加えて並行して見逃さないようにしたいなと考えています。速いトスを上げるのはもちろんセッター。ブロックをかわすというのは僕たちアタッカーの役目。それは全く違うものになりますし、高いブロックに真っ向勝負するわけではないので、どうやって切り抜けていくのかというのも必要なスキルではあります。その点に関しては、やはり常に考えられていましたし、そうなると思っています。   ――ヨーロッパのバレーを知って、感じたことは? 僕が見たり、対戦してきたチームは、クイックやパイプを多用しているイメージです。速さもある程度あり、安定感があります。ブレイクをしっかりとシステム立ててやっています。クイック、パイプ中心というのは、今のバレーボール界において、重要なものだと思っています。まずはサイドアウトですが、ラリー中になればなるほどクイック、パイプの可能性を増やしていくということも大切。そこは藤井(直伸)さんがトライしていて、かなり有効だなと去年分かりました。   ――今年は年齢差のあるチーム。そのバランスはどう見ているのか コートであまり差は感じていません。西田(有志)は遠慮なくやってくれているので、助かっている部分でもあります。年齢や代表歴、経験値の差をコートの中でコントロールする必要はあると思うので、そこは福澤さんやいろいろな選手の力を借りたいと思っています。ムラのない、安定したチームを目指していければいいなと思っています。  
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