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創部3年目 クラーク記念国際高(北海道)9人の1期生が最初で最後の全国大会に挑む【密着レポート①】

  • 高校生
  • 2021.11.10

第74回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)北海道代表決定戦が11月11日(木)、江別市東野幌体育館ほかで開幕する。過去30回以上の全国大会出場数を誇る名将・掛屋忠義監督率いる創部3年目のクラーク記念国際は、1期生9人にとって最初で最後の全国大会出場に挑む

写真・文/中島洋尚(クラーク記念国際高)

 

 

 

1期生9人にとって最初で最後の全国大会出場に挑む

 

 

 「0から何かを作り上げたい、また春高バレーなどの全国大会に出場したいと思い、クラークを選びました」。

 2年前、塚原百惠キャプテン(3年)が入学式の記者会見で口にした言葉を、現実にする最後のチャンスが迫ってきた。

 「厳しい練習をしてきたので、最後は最高に楽しく終わりたい。全国大会(を目指す)? もちろんです。(全国)大会の前日が掛屋監督の誕生日(1月4日)ということも知っています。会場でお祝いしたいですね」と柔らかい表情で話した。

 

 

【クラーク記念国際高・フォトギャラリー】

 

 

 チームには中学校時代に“スター”だった選手はいない。それでも掛屋監督は「3年目で全国大会」を目標に、過去の指導校と同様の高いレベルのチーム作りを心がけた。2年前のゴールデンウイークに行った本州遠征では、その3ヵ月後にインターハイで優勝する就実(岡山)や、福井工大附福井(福井)、岡崎学園(愛知)と、全国上位の実力を持つ3校と練習試合で対戦。点差はついたが、高校トップのスピードを体感することで、目標を明確にした。その夏にはゲストコーチにロンドンオリンピック銅メダリストの迫田さおりさんを招き、強い刺激を受けた。最新型バレーボールマシンの導入も、名将の覚悟だった。

 全員1年生で臨んだ同年の北海道春高予選は、初出場の勢いにも乗って3回戦に進んだ。3回戦では、その前年度の春高代表校である北海道大谷室蘭を相手に、第1セットで23-25の接戦を演じ、周囲を驚かせた。第2セットは押し切られてストレートで敗れたものの、インパクト十分の戦いぶりで、ベスト16に入った。

 そして、コロナ禍でトレーニングすら十分にできなかった2年目(昨年度)の挑戦。春先のインターハイ予選が中止となり、秋に出場した2度目の春高予選は、1回戦で恵庭南と対戦。フルセットとなったものの、最後は競り負け、初戦敗退となった。さらに、年明けの新人戦でも、2回戦で強豪・札幌山の手に対し、第2セットは26−28と粘ったが、番狂わせは起こせなかった。

 3年生にとっては、どの大会も最後になる今年。6月のインターハイ予選の決勝リーグ進出決定戦(準々決勝)は、優勝した旭川実に対して第1セット途中で大きくリードしたが、終盤の8連続失点で逆転を許し、23-25でセットを落とした。続く第2セットも序盤から主導権を握られ、ストレート負け。「いいところまではいくけれど、〝勝てるかも〟と思ったところから全員の動きが硬くなる。メンタルかな…」と掛屋監督は強豪相手に惜しい試合をするたびに肩を落とした。

 善戦止まりの悪い流れを断ち切ったのが、地元・深川で開催された8月のこめっちCUPだった。今夏のインターハイ予選でベスト4の旭川大高や、前年の春高予選で敗れた恵庭南を下し、大会連覇。副キャプテンの菊地叶楓(3年)は「今までずっと『チーム力がない』って言われましたが、このときは最後の一本が決まるまで、コートの中も外も、全員が一つになって戦えたことが心に残っています」と話す。本番である今大会の3ヵ月前に、自分たちの成長を確認できたことは大きい。

 

 

 

8月に地元・深川で開催された、こめっちCUPで優勝したあとの1枚

 

 

 想定の通り勝ち進んだ場合、全国初出場をかけた準決勝の対戦相手は、札幌大谷となる可能性が高い。掛屋監督の全国大会出場実績のほとんどが、この前任校でのもの。自らが約30年かけて築いた“強豪校”の壁を破ることが、次に進む条件だ。「この3年間、コロナ禍など、想像しなかったことが数多く起こった。開催されなかった大会も多く、彼女たちにどの程度の力をつけてあげられたのか、正直わからない部分もある。ただ、札幌大谷時代も、あんまり期待されていないときの方が、結果はよかったですね」と指揮官。

 3年間で最高の状態にあるチーム力と、勝負どころを知り尽くす老獪な采配が、2016年に夏の甲子園に出場した硬式野球部と同じ“創部3年目での全国”へと押し上げる、キーになりそうだ。

 

【3年生コメント】

井上友結

「コートの中でも、外でも必ずできることはあります。できることをしっかりして、全力で戦います」

 

柏倉ののか 

「ピンチの時にチームを鼓舞するスパイク、アタックを打ちたい」

 

河合七星

「最後まで、このチームのアタッカーに打ってもらえるようなトスを上げきりたい。それが勝ちにつながれば」

 

白川夢菜

「“チームの支えとなるレシーブをする”という3年間の目標を、最後に達成したい」

 

西村まどか

「最後の集大成の大会。全員が夢を抱いてきた全国大会への切符を、全員で勝ち取りたい」

 

林愛夏 

「今まで(ケガで)つらい思いをしてきたけど、最後は悔いが残らないように、すべてを出しきりたい」

 

八重樫灯莉

「3年間一緒に頑張ってきたけど、コートに立てない選手もいる。全員の気持ちを背負って、責任感を持ってコートに立ちたい」

 

【大会概要】

第74回 全日本バレーボール高等学校選手権大会 北海道代表決定戦(春高バレー予選)

会場:江別市東野幌体育館ほか

大会日程:令和3年11月11日(木)~13日(土)

 

【クラーク記念国際の初戦】

令和3年11月11日(木)午前10時ごろ VS.網走南丘

 

 

 

  • 熱血指導柳田将洋×岐阜成徳学園高
  • スポルティング×東山高

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