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サントリー内定の鍬田憲伸(中央大在学中)が悔し泣き リーグ連覇へ正念場

 

涙を流しながらファンにあいさつをする鍬田

 

V1男子サントリーサンバーズの内定選手・鍬田憲伸(中央大在学中)が、13日のパナソニックパンサーズ戦で今季2度目の先発出場。持ち前のスパイク力で得点を重ねたが、チームは1-3で敗戦。試合後、鍬田からは思いがあふれた

 

 歓喜に沸くパナソニックと同じく、サントリーにも感情を抑えきれない男がいた。目を赤くはらしたのは内定選手の鍬田憲伸。2月6日の東レアローズ戦でデビューして以降、先発出場した試合で初めて敗れた。唇をかみしめながらスタンドにあいさつすると、柳田将洋に背中を押され、うつむきながらコートを後にした。

 

 

 

柳田(左)に肩をたたかれる鍬田

 

 合流して間もない内定選手が見せた試合に懸ける強い思い。山村宏太監督はその姿に心を打たれた一人だ。

  「負けて涙を流せるあの感覚は、もしかしたら僕たちは忘れてしまっていたかもしれません。あれを見て何も感じない選手は今後コートに立つことはできないでしょうし、ああいう気持ちを忘れてはいけないと思わせてくれました」

 

 

 

この日は本領発揮できなかったが、サーブは持ち味の一つ

 

 アタック決定率10位(48.9%)、サーブレシーブ成功率11位(57%)と攻守で抜群の安定感を誇る藤中謙也が2月22日の練習中にねんざ。ベンチアウトが続く中、内定選手ながら活躍を続ける鍬田に、今季2度目のスタメンのチャンスが巡ってきた。力強さだけでなく、相手のブロックを利用した技も見せたが、サーブで狙われる場面も多く、アタック決定率は40%に届かず(38.9%)。デビュー以来武器にしてきたサーブも、この日の効果率は1.8%に止まった。それでも、山村監督の信頼は揺らがない。

  「ほんとうに新人らしからぬ度胸で取り組んでくれています。藤中がケガをしてチーム状況はしんどいですが、今後のサンバーズを担ってくれる新しい力が出てきたという、非常に明るいニュースだと思います」

 リーグ連覇を目標に掲げるが、チームはパナソニックに痛い連敗。3位から浮上できず、18日からは2位の堺ブレイザーズを相手に気が抜けない戦いが続く。鍬田が見せた“戦う姿”を胸に刻み、ラストスパートを決められるか。

(文・写真/田中風太)

 

 

 

得点後に笑顔を見せる鍬田(中央)

 

 

鍬田憲伸(サントリーサンバーズ)

くわだ・けんしん/1999年6月28日生まれ

身長190㎝/最高到達点340㎝/鎮西高(熊本)→中央大在学中

 

 

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