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大塚達宣×髙橋藍 本誌初対談(後編)「東京2020オリンピックの12人に残るつもりで」【プレイバック】

大塚達宣(左)と髙橋藍(右)(日本代表)

昨年ともに東京2020オリンピックを経験し、今季は男子日本代表の主力として期待がかかる大塚達宣(早稲田大4年)と髙橋藍(日本体大3年)。発売中の月刊バレーボール7月号では、注目の「たつらん」コンビの対談を掲載している。実は本誌での2人のインタビューは2020年7月号以来2度目で、ここではその初対談の模様をお届け。後編は、この年初選出された日本代表への思いを語った(本文は当時の内容のまま)

 

 

 


今年の春高の覇者・東山のエース髙橋、そして昨年の春高の覇者・洛南のエース大塚。過去2年、高校界をリードしてきた二人がそろって日本代表に初選出された。若い力で日本代表に活気をもたらしてくれるであろうその二人に、過去のライバル関係、未来への希望を語ってもらった

 

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——大塚選手は洛南高校卒業後、早稲田大学に進学しチームのインカレ3連覇に貢献しています。この1年でどういうところが伸びたと自己分析していますか?


大塚:高校生の時は他のカテゴリーの選手と試合をしたり練習をしたりということがあまりありませんでした。それが大学だと、合宿でV.LEAGUEのチームに行ったり、試合では黒鷲旗に出たり。昨年の黒鷲旗ではトーナメントまで勝ち上がったことで、通用する部分、足りない部分が見つかりました。それで自然と意識がV.LEAGUEやシニアを見据えたものになり、毎日、高い意識を持ってバレーに取り組むようになりました。そうした「大学の枠にとらわれない、上のカテゴリーにも通用するチームになりたい」という思いは、自分だけでなく早稲田のチームとして持っていると思います。早稲田は指導者やメンバーに恵まれたすごくいい環境なので、もっともっと自分を伸ばしていきたいと思っています。

 


——バレーをやっていて楽しいと感じることは何ですか?


髙橋:バレーという競技自体にまだまだ進化の余地というか、伸びしろがあると思うんです。石川(祐希)選手のフェイクトスなど会場を盛り上げるプレーももっといろいろ出てくると思いますし、全員が同じタイミングで攻撃に入ったりなど戦術的な部分でも進化していて、それにアジャストしていける選手になりたいですね。


大塚:6人で一つのボールをつなぐということにおもしろさがあると思っています。僕は高校まではオープンバレーが多かったのですが、大学に入ってから頭を使った戦術的なバレーがうまくハマったときのおもしろさをより知るようになりました。それを実行できるだけのパフォーマンスを自分も身につけたいと思っています。

 


——昨年のワールドカップはみていましたか?


大塚:見ていました。


髙橋:はい。ちょくちょく。

 

【次ページ】「たつらん」が感じた世界のバレーの印象は?


——今回、日本代表に選ばれたことで、今後、世界と戦っていく舞台に一歩足を踏み入れたわけですが、世界のバレーの印象を教えてください


大塚:パワーが違いますよね。高さもだと思いますが、筋力が違うので「パワーがあって重いボールが高い位置からくるんだろうな」と。


髙橋:あとは、身長が高い分、手が伸びてきたりとか…。日本代表で合宿している中でも、これまでは打って決まっていたスパイクがブロックに当たってしまうので、「もっとブロックを見て打たな」と。普通に練習している中でも意識が高くなります。


大塚:海外の選手は、大きいのに藍が言ったことを当たり前のようにやっていますよね。ふんわりしたサーブレシーブ、ブロックフォローではしっかり下にもぐり込む、とか…。これまでもアンダーエイジカテゴリーで世界と戦う経験をさせてもらって、「そういうところをおろそかにすると自分たちより背の大きい選手には絶対勝てない」と思っています。「世界と比べると小さい自分たちは、さらに緻密なバレーをしていかなければいけない」と思っています。

 


——シニア日本代表として日の丸をつけて戦うということについて、どう感じていますか?


髙橋:高校卒業前という早い段階でシニア日本代表に選ばれたことで、早く世界のレベルを知ることができるのはうれしいです。高い壁にぶち当たるのは覚悟のうえで、「そこからさらに成長していきたい」と思っていたので。すごく貴重ないい機会をもらったと感じています。春高で優勝して自分に自信がありましたが、世界と戦っていくことになるとそこまでの自信はまだないので不安もあります。でも、これからの自分の成長が楽しみでもあります。


大塚:僕も似たような感じになりますが、中3からアンダーエイジカテゴリーでやらせてもらっているのは、こうしてシニアにつなげるため。ずっと上を意識してやってきました。そして実際、シニアの合宿に参加させてもらうことで自分に何が必要なのかを知ることができると思います。まだ20歳になってないこの段階でメンバーにも選んでいただいたチャンスをムダにはしたくないですし、やるからには年齢は関係ありません。どんどん自分ができることをアピールして、最後の12人のメンバーに残るつもりでやっていきたいと思っています。


高橋:僕も、もちろん残るつもりです、合宿中に成長して。今も、「これまで関わってくれた家族、指導者、仲間、応援してくれる人たちに恩返ししたい」という思いを持っていますが、これからはどれだけ自分が強くなっていけるかも大切になってくると思います。自分の人生を懸けて、バレーに向き合っていきたいと思っています。

 

大塚達宣

おおつか・たつのり/2000年11月5日生まれ/身長194㎝/アウトサイドヒッター/早稲田大2年

 

髙橋 藍

たかはし・らん/2001年9月2日生まれ/身長188㎝/アウトサイドヒッター/日本体大1年

 

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