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髙橋藍の解体新書【前編】 髙橋藍 勇気と信念で【プレイバック】

髙橋藍(日本代表)

 2020年1月に春高の舞台で躍動した新星は、瞬く間に日の丸のステージへと駆け上がった。日本バレーボール界の次世代を担う髙橋藍。

月刊バレーボール2021年11月号の特集「髙橋藍の解体新書」では人柄、パフォーマンス、そして歩んできた軌跡など彼の魅力に迫りました。前編となる今回は20歳(当時)になったばかりの彼にその心境と今後のビジョンを聞いた。(本文は当時の内容のまま)

 

 

 

----以下、月刊バレーボール2021年11月号より----

 

【髙橋藍のアナザーカット写真を見にいく】

 

東京2020オリンピックで29年ぶりの決勝トーナメント進出を果たし、今後の飛躍を感じさせた男子日本代表。次世代を担う存在として、注目と期待を集めるのが髙橋藍だ。

代表活動を終えて、日本体大に戻ってまもない9月下旬。20歳になったばかりの彼に、その心境と今後のビジョンを聞いた

 

 

 

 

オリンピックの経験が

自信を与え、大人にさせた

 2021年9月2日。髙橋藍は20歳を迎えた。いわゆる“大人の仲間入り”を果たしたわけだが、「まだ実感はないですけれど(笑)」と本人。

 

 それでも風格はすでに立派な大人、と言って差し支えないだろう。日本代表では安定感抜群のレシーブ力と積極果敢なアタックを発揮し、堂々とコートに立つ。今年の東京2020オリンピックでは、男子チームの29年ぶり決勝トーナメント進出に大きく貢献した。

 

 その代表期間中でも変化は見られ、中垣内祐一監督(当時)は「オリンピックを経験したことがいい影響をもたらしたと感じています。自信が練習やプレーにもプラスに表れている。それに、私との会話でも余裕を感じますし、軽口をたたけるようになってきました」と明かす。

 

 

 代表2年目ということで、「皆さんとなじめていると思います。自分自身、少し大人にならなければいけない、と思い、(石川)祐希さんや(西田)有志さんなど先輩たちとはバレーボールだけでなく、社会のことなど、いろんな話をさせてもらいました。それが自分を成長させてくれたと感じています」と髙橋は話した。

 

 一方で、世界のバレーボール事情に目を向ければ、同年代の選手がシニアに名前を連ねている。

 

 「オリンピックでも対戦したイタリアの(アレッサンドロ・)ミケレット選手は自分と同い年ですし、今回のアジア選手権でもイランのミドルブロッカー(アミルホセイン・トゥホテ)は一つ年上でした。自分と年齢が変わらない選手が世界で活躍しているので、ほんとうに負けられないな、という気持ちが強くなります。それに、そういう選手たちがどんなマインドで過ごしているのかも知りたいです。自分にとって刺激であり、成長するためのいいライバルでありたいなと思います」

 

 もはや代表の世界で20歳という年齢は若くない? そう水を向けると白い歯をのぞかせた。

 

 「いやぁ、まだ若いんじゃないですか(笑) 周りの選手に囲まれていると、ですが、若さは自分でも感じています」

 

 そうだった。まだ彼は大学2年生。成人したとはいえ、“大人になったばかり”の学生なのだ。

 

【次ページ】大学に進学して感じたよかったことは?

 

 

在籍する日本体大は

「競技に専念しやすい」

 振り返れば、2020年の年明けはまだ東山高(京都)のエースとして、全国大会を戦っていた。4月から日本体大での学生生活をスタートさせ、短期間の代表合宿を挟んで、昨年末には全日本インカレで準優勝に貢献。今年に入ると、早々から代表合宿へと臨んだ。

 

 その間も大学のチームメイトたちとは連絡を取り合っていた。だが、半年という期間を経て再び顔を合わせるにあたっては「多少は緊張しました。たぶん1年生のときなら、けっこう大変だったと思いますが、2年目だったので。やっと帰ってきたな、と温かく迎えてくれました」と髙橋。2月下旬、大学2年目のシーズンがようやく始まったといってもいい。

 

 

 その日本体大は言わずと知れた名門校だ。これまでにも幾多の名選手を輩出し、今夏のオリンピックでも山本智大(堺ブレイザーズ)、高梨健太(ウルフドッグス名古屋)ら卒業生たちがプレーしている。

 

 大学について、髙橋は第一に「環境のよさ」を挙げた。

 

  「自分以外にも柔道の阿部詩選手やボクシングの入江聖奈選手など他競技でオリンピックを戦った方々がたくさんいて、トレーニングの環境も整っています。自分が心身ともに成長するために最適だと思いますし、何よりスポーツに専念しやすいです」

 

 男子バレーボール部で指導を仰ぐ山本健之監督も現役時代(元JT)はディフェンスで名を馳せた名選手であり、髙橋はディグについて「無駄な動きをなくすように」アドバイスを受けたという。体重移動の意識や重心のかけ方を見直したことで、「まだボールが上がらなくても、相手のスパイクに触る場面も多かったので、(監督の指導が)生きていると思いました」と手応えを語る。

 

 「大学でできることはたくさんあると思うんです。レベルの高い中でプレーすることはとても成長につながると感じていますし、トレーニングに注力して時間を費やせるので、体づくりの面でも大きいです。大学で体を鍛えて日本代表での活動に励みたいですし、もちろん代表で学んだことを大学でも生かしたいです」

 

【次ページ】髙橋藍が大事にしている言葉とは?

 

 

自分自身に投影した

海外ドラマのセリフ

 20歳の節目を迎えた年に、何事にも代えがたい経験をし、そして、次なる夢に向かって突き進む髙橋藍。そんな彼が今、大事にしている言葉がある。

 

 「以前は小学生のころにテレビ番組で紹介されていた、健常者からパラアスリートに転向された選手の『NEVER GIVE UP』という言葉が好きだったんです。でも、海外ドラマの『プリズン・ブレイク』を見たときに、主人公の『勇気と信念が世界を変える』というセリフがめちゃくちゃかっこよくて!! これはバレーボールでも同じことが言えるな、と思って今はこの言葉を掲げています」

 

 

 勇気を持って自分を信じることで世界は変わってくる。そのことを自分自身に投影したときに、髙橋の目はさらに鋭く、輝きを増した。

 

 「これからかな、と。自分の中にある海外挑戦への気持ちは勇気だと思いますし、今、日々取り組んでいる練習やそこで感じている成長そのものを信じることで、これからの自分が変わっていくのではないかと思います」

 

 次の目標は2024年のパリオリンピックでメダルを獲ること。そのために、どれだけ成長できるか、どれだけ強くなれるか、を念頭に置き、髙橋はレベルアップを積んでいく。

 勇気と信念で、自分の道を変えていくのだ。

 

 

髙橋 藍

たかはし・らん

2001年9月2日生まれ

身長188㎝/最高到達点343㎝

東山高→日本体大2年

アウトサイドヒッター

 

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