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[連載②]デンソーの地域貢献活動 エアリービーズジュニアも活動本格化/「50年目にBEE CHAMPION」

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  • 2022.09.01

<プレーに励むエアリービーズジュニアの選手たち。ミツバチもといミニバチ、といったところか>

 

トップ選手は子どもたちにとって“アイドル”である

 

 同時に、デンソーは従来のバレーボール教室といった育成活動のほかに、「エアリービーズ杯」という冠大会を10年以上にわたり開催している。中学生部門は今年で14回目、小学生部門は11回目を数えた。これまでは拠点を置く西尾市で実施してきたが、セカンドホームタウンである福島県郡山市でも今年2回目の大会開催が実現した。その大会には、デンソーの現役選手たちも足を運び、交流を図っている。

 

 「ほんとうに毎年、開催地の方々のご協力のおかげで、たくさんのチームに参加してもらっています。やはり地域の子どもたちが試合できる場や、地域活性化が目的になります。それに選手たちが出向くことで、エアリービーズや選手たちの顔を知ってもらうチャンスにもなります。地元にはデンソーというチームがあって、こうしたステージを目指して子どもたちには頑張ってほしいな、と思ってもらえたらうれしいです」(山口氏)

 

 トップ選手たちと触れ合うことは次世代の子どもたちにとって、競技をしていれば励みや指針になるし、純粋にバレーボールへの興味関心が深まれば、人気にもつながっていく。そこにエアリービーズ杯の持つ、大きな価値がある。それは、エアリービーズジュニアも同じだ。

 

<今年のエアリービーズ杯の様子(写真はチーム提供)>

 

 近年はコロナ禍にあって、直接触れ合う機会も限定的になってきているというが、ジュニアチームが練習する場所はトップ選手が使用する体育館。必然的に、同じ空間を共有することになる。その意味を、山口氏はしみじみと語る。

 

 「中学生を指導するようになって感じることなのですが、子どもたちにとって現役のVリーガーはもう“アイドル”なんです。私が一生懸命、週に2回、2時間指導しても、エアリービーズの選手がひと言声をかけるだけで、子どもたちの顔や目の色が一瞬で変わる。これはすごいなと思いました。

 

 私自身も現役時代は正直、とにかくバレーボールを頑張る、結果を出す、目の前のことに集中する、という思いで向き合っていましたが、それ以上のものがあるのだと。試合に出ている、出ていないではなくて、エアリービーズのユニフォームを着ている時点で、アイドルであり、ヒロインである。そのことに現役の選手たちには気づいてほしいですよね。試合で結果を残すことも、それはバレーボールに励んでいる、またバレーボールに興味を持ち始めている子どもたちにとって、夢や希望を与えるんだよ、その責任を背負っているんだよ、と」

 

 ジュニアチームを通して、地元の、地元で育った選手がいずれトップチームの一員になる。それもまた、エアリービーズの描く夢の一つだ。

 

 そして実際に、エアリービーズ杯に参加していた小学生が今、デンソーのユニフォームを着ることになった。今季から入団したミドルブロッカーの横田紗椰香である。

【第3回に続く(近日公開)

 

「子どもたちにとって現役のVリーガーは、もう“アイドル”なんです」-山口氏

 

(取材・文/坂口功将〔編集部〕)

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