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古川学園単独チームの宮城県 優勝にも満足なし「このままではダメ」【いちご一会とちぎ国体(少年女子)】

  • 学生バレー
  • 2022.10.18

 

 

第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」バレーボール競技(以下、栃木国体)の少年女子決勝が10月10日(日)に宇都宮市体育館で行われた。決勝は古川学園高単独チームの宮城県が就実高単独チームの岡山県に3-1(21-25, 25-20, 25-14, 33-31)で勝利し、2010年以来の頂点に。選手たちにとっては初のタイトルにも、慢心はなかった

 

 

応援団が待つスタンドの前に立つと、思わず涙を流した選手たち

 

 長く伸びたタピア・アロンドラの左手が、相手エースの強打を捕えた。こん身のブロックが決まると、選手たちは一斉に両腕を突き上げる。3年生にとって3度目の全国の決勝の舞台。第4セットは33-31まで及ぶ死闘を制した。保護者が待つスタンドの前に並ぶと、選手たちは肩を震わせた。全国の頂点に立つ喜びを、初めて実感した。岡崎典生監督は「裏表のない子たちで、早く優勝させてやりたかった。苦しい戦いでしたが、勝ててすごくうれしいです」とほほ笑んだ。

 

 

優勝を告げるブロックを決めると、#4タピアはガッツポーズ

 

 失セット0で勝ち上がり、迎えた決勝。就実高単独チームで、1年生が攻撃の中心を担う岡山県にセットを先取された。だが、選手たちはうつむかない。「ジャンプ力もあるし、すごかったけど、相手のうまいところを考えると、自分たちの気持ちが下がる。相手のことは一切考えないで、先生から教えてもらったこと頑張ることだけでした」。そう語った身長196㎝の留学生タピアを中心に立て直し、第2、第3セットを連取。優勝へ王手をかけた。

 

 ジュースにもつれ込んだ第4セットはタピアと相手の1年生エース福村心優美が激しく打ち合った。それでも、タピアが後衛に下がるたび、存在感を発揮したのが阿部明音だ。ストレートへパワフルなスパイクを決め、きっちりとローテーションを回す。「自分とアロン(タピア)がいないローテを1回で切ってくれたり、みんなすごく頑張ってくれたので。その思いにも応えようという気持ちでした」。タピアとともにミドルブロッカーとしてチームをけん引してきたが、インターハイ後にアウトサイドヒッターにコンバート。エースポジションで臨む初めての全国大会とは思えない働きぶりだった。

 

 

アウトサイドヒッターに転向した阿部は、攻守でチームを引っ張った

 

 その阿部の思いに、仲間たちも続く。リベロの北島瑠渚を中心に強打をしのぐと、前衛にタピアも阿部もいなかった30-31の場面で、今季からレギュラーを務めるオポジットの南舘絢華が打ちきった。タピア、阿部という絶対的な存在にボールを集めたインターハイは、決勝で悔し涙。底上げを図った成果が実り「インターハイではアロンと(阿部)明音だけではダメで。チームが一つになるために、2人に頼らないで勝負できる気持ちと技術を練習してきたので」と指揮官は笑顔を見せた。

 

 ポジション変更に成功し、個々の力もついてきた。1999年以来(※当時は古川商)の春高の頂点へ着実に歩を進めているが、選手たちに慢心はない。

 

「このままではダメだと思うので、もっと練習して、日本一になれるように頑張りたいです。金メダルをドミニカ(共和国)に持ち帰りたい!」(タピア)

 

「春高は勝ちたいという思いのぶつかり合い。一人一人がもっと最高のプレーを出して輝ける場をつくって、堂々の日本一を取るために練習に励みます」(阿部)

 

「インターハイで負けてからの練習が正解だったから優勝できたと思いますが、満足することなく、もっと極めたい。支えてくださった方々の顔を思い出しながら、春高に向けてもう1回一からやっていきたいです」(熊谷仁依奈キャプテン)

 

 勝つ喜びを知ったが、負ける悔しさは誰よりも知る。頂点に立つ日まで、その手を緩めない。

 

文・写真/田中風太

 

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