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春高2024

デフバレーボール日本一が決定 大阪のチームが男女アベック優勝

  • 実業団・クラブ
  • 2023.03.17

 

 

男子優勝決定の瞬間

 

第24回ジャパンデフバレーボールカップ川崎大会が2月24~26日に川崎市とどろきアリーナ(神奈川)で開催された。今大会はコロナ禍によって中止を余儀なくされていたこともあり、3年ぶりの実施となった

 

デフバレーボールとは

 

 デフバレーボールは聴覚障害を持つ選手が行うバレーボールで、選手たちはホイッスルの音や選手どうしの声、ボールをはじく音などが聞こえない状態で試合が進行する。基本的なルールはバレーボールと同じだが、周りの音が聞こえないため、タッチネットなどの反則が起こり、プレー中にホイッスルを鳴らしても気付かれない場合は、審判がネットを揺らすなどしてラリーを中断する。このほか、コート上ではアイコンタクトで意思疎通を図ったり、サーブ前に手話で確認を行ったりする光景が見られるのが特徴だ。また監督が健聴者で手話などができない場合、セットの間やタイムアウト時に手話の通訳が監督の指示を的確に伝える必要がある。通訳者はただ手話ができるだけでなく、専門的な話を端的に伝えなければいけないため、ときにはチーム間の意思疎通の重要なキーマンとなることも。コートに立つ選手はもちろん、スタッフの働きも勝利のためには重要だ。

 国際大会は最高峰となるデフリンピックのほか、世界選手権などが実施されている。また、一般社団法人日本デフバレーボール協会が主催する国内大会には、ジャパンデフバレーボールカップと、40歳以上を参加条件としたジャパンデフマスターズバレーボールカップがある。

 

会場の様子。場内放送はなく、連絡事項はビジョンに表示されていた

 

デフリンピック日本開催を控えての大会

 

 2025年に東京での開催が決まった、聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック2025年夏季大会」を控えるなかで行われた今大会には、男子7チーム、女子10チームが参加。女子のtortoise(トータス/大阪)と男子の好きやねん(大阪)がそれぞれ頂点に輝き、大阪のチームが男女アベック優勝する結果となった。

 

 女子では、日本代表経験のある選手を擁する神奈川女子バレーボールチーム(神奈川)と、tortoiseに注目が集まった。両チームともにストレートで勝ち上がるという安定した試合運びで迎えた決勝。tortoiseは今大会までに強化してきたというサーブコントロール力を武器に攻めるも、相手の攻撃力に対応しきれず、第1セットは22-25で神奈川女子に先制を許してしまった。あとがなくなったtortoiseだったが、第1セットの状況を見た杉本真澄監督は、第2セットに入る前にすぐさま対応。サーブのローテーションを見直したほか、セッターを福本真子から、二段トスが安定しており経験豊富な栄智美へと交代。さらに“つなぎきる”ということを意識して林紅実をレフトからライトにスイッチし、林がいたレフトには石原美海を配置した。

 

 これらの変更がぴったりとはまって、第2セットでは序盤から一気に流れをつかむと25-15と圧勝。第3セットは神奈川女子も負けじと食らいついたものの、tortoiseが逃げ切り15-13で勝利を収めた。

 試合後、杉本監督は「大会直前にキャプテンの戌丸奈美が前十字じん帯を断裂するアクシデントがあり、一時は『どうしよう』と思ったが、チーム全員が頑張ってくれた」と選手たちをねぎらった。

 

 

女子はtortoise(大阪・手前)が優勝

 

 なお、男子の決勝は前回王者の好きやねんが、播摂デフバレーボーイズ(兵庫)に2-0でストレート勝ちを収めて、王座を守った。監督役としてチームを引っ張った、好きやねんの中山僚太は試合後、「優勝できてよかった。若いチームなのでいろいろと調整が大変なこともあったが、ふだんの個々の練習の積み重ねがあり、それをチーム練習に落とし込むことができた結果」だと語った。

 

 

男子は好きやねん(大阪)が頂点に

 

■最終順位

男子

優 勝 好きやねん(大阪)

準優勝 播摂デフバレーボーイズ(兵庫)

第3位 愛天翔(愛知)

 

女子

優 勝 tortoise(大阪)

準優勝 神奈川女子バレーボールチーム(神奈川)

第3位 HYOGO(兵庫)

 

■個人賞

最優秀選手賞

男子 今井勇太(好きやねん)

女子 梅本沙也華(tortoise)

 

ベストプレーヤー賞

男子

寺井捺貴、杉田彰吾(好きやねん)、遠山順平、村田泰真、加賀辰樹(播摂デフバレーボーイズ)

女子

石原美海、梅本綾也華(tortoise)、八木沢美穂、中田美緒、真庭結生(神奈川女子バレーボールチーム)

 

最優秀監督賞

男子 中山僚太(好きやねん)

女子 杉本真澄(tortoise)

 

文/本川由依

 

 

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