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連日の大観客。東京GB主催の有明コロシアムで中学生たちが“目撃”したVリーグ

 いよいよ大詰めを迎える、2022-23 Vリーグ。今季のキャッチコピーである「目撃せよ。会場でしか出会えない瞬間がある。」とともに、コロナ禍も移り変わる中で、ゲームやプレーを直接目にする機会はこれまで以上に増えたはずだ。中でも今年3月5日(日)に有明コロシアム(東京)で開催された、V.LEAGUE DIVISION1 MEN(V1男子)の東京グレートベアーズによるホームゲームは入場者数8142名を記録。これは18-19シーズンからスタートした新生V.LEAGUEにおいて最多を更新する数字だった。その会場で、中学生たちが目にしたものとは。

 

 

三宿中女子バレーボール部の声

 

 今年3月4日、5日。舞台は有明コロシアム。東京グレートベアーズが「満員プロジェクト@有明」と銘打ったホームゲームの2日間は、多くの観客でアリーナが埋め尽くされた。ファンはもちろんのこと、関東圏を中心とした中学校やクラブチームなども多く詰めかけ、国内最高峰のバレーボールを目の当たりにした。

 その中の一つに、東京都世田谷区の三宿中女子バレーボール部がある。監督を務めるのは公益財団法人東京都バレーボール協会評議員の高橋正樹さんで、自身は三菱UFJ銀行バレーボール部に身を置くと同時に、外部指導員として三宿中に携わっている。これまでにも部員たちを連れてVリーグを観戦する機会を設けていたが、ここ数年はコロナ禍もあり難しかった。それもあって、「やっと今年からできるようになりました」と高橋さんは目尻を下げる。

 

三宿中女子バレーボール部を指導する高橋さん

 

 観戦したのは3月4日で、このときの入場者数は6235人。19-20シーズンに記録されたそれまでのV.LEAGUE MEN最多入場者数である6820人(20年1月12日/パナソニックパンサーズvs.ジェイテクトSTINGS)に迫るものだった。そこで披露された東京GBのエンターテイメント性たっぷりの演出が施されたゲームに、三宿中の2年生エース島津美玲は驚いた。

「あんなにたくさんの人がいる中で、プレーするのはすごいなと思いました」

 島津選手はふだんからテレビなどでVリーグ男子の試合を見ることも多いそうだが、生観戦は初めて。「ボールが速くて、圧倒されました。驚きましたし、感動しました」と振り返った。

 

東京GBvs.ジェイテクトの試合の様子

 

【次ページ】部員たちに見られた変化

 

三宿中女子バレーボール部の部員たちの意識にも変化が

 

観戦後の部員たちに見られた変化

 

 部員たちの姿は、高橋さんの目にはこのように映っていた。

 

「部員たちはそれぞれ、自分のポジションに寄り添って見ていたようです。セッターは『その位置からあそこまで上げるんだ!!』と目を丸くしていました。エースの島津は、相手のジェイテクトSTINGSの柳田将洋選手を見て、サーブレシーブからバックアタックに入る動きを注視していたようです」

 

 島津選手に聞くと、特に見ていたのは柳田のほか、男子選手のサーブだという。

 

「どういうところを通せば、どのようにボールが落ちるんだろう、とボールの軌道や変化を見ていました。私もジャンプフローターやジャンピングサーブなど、いろんなサーブを打つので。普段の練習から、コースを狙うことを意識するようになりました」

 

2年生エースとして、さらなる活躍を誓う島津

 

 三宿中は今年3月に東京農業第一高等学校(東京)で行われた「第5回農大カップ」に出場。島津はサーブでチームに流れを引き寄せた。またチームとしても3位の成績を収め、高橋さんは「Vリーグの試合を見たことで、バレーボールをプレーするうえでの考え方が、素人の域から少し出たのかなと感じます。決まったからすごい、ではなくて、決まるまでのプレーについて話す場面が増えました」と部員たちの成長を語った。

 

 あの日、中学生たちはトップ選手たちのプレーを“目撃”した。それはきらびやかに映り、同時にプレーヤーとしては成長につながるきっかけをつかむ機会となった。

 

憧れの場。国内リーグの持つ価値が、そこには確かにあった。

 

東京GBvs.ジェイテクトの試合の様子

 

(取材・三宿中写真/坂口功将〔編集部〕 Vリーグ写真/中川和泉〔NBP〕)

 

 

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