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駿台学園高 天皇杯関東ブロックラウンド突破の立役者 川野琢磨×堀内晴翔「この大会で勝てたのはこれから先の宝物に」

 昨年の全日本インカレ王者筑波大など強豪がひしめく天皇杯関東ブロックラウンドBグループで、本戦への出場権をつかんだのは高校生で唯一出場した駿台学園高(東京)だった。

 

 今夏のインターハイ王者で、7月の「東京エキシビションマッチ」では中央大と明治大も撃破。堅いディフェンスと多彩な攻撃に加え、その強みは層の厚さだ。今大会ではこれまで途中出場が多かった1年生セッター堀内晴翔をスタメン起用。オポジットはサウスポー三宅雄大(3年)と身長195㎝の川野琢磨(2年)の2枚看板で、筑波大戦では高さのある川野が勝利へ勢いづけた。

 

 国体で5位に終わり、目標の全国三冠を逃してから約10日後の好成績。これまでの歩みと、そして連覇が懸かる春高への思いを、川野の堀内が語った。




川野(右)と堀内

 

——本戦の出場権をつかみ、今の思いはいかがですか?


川野 まずは筑波大学さんや駒澤大学さん、千葉ZELVAさんと試合ができて、いい経験になりましたし、この大会で勝てたのはこれから先の宝物になると思います。出場することができてうれしかったです。

 

堀内 高校に入って、最初から最後まで試合に出ることはありませんでした。今回スタートから出させてもらって、しかも格上のチームと試合をすることができて、とてもいい経験になりました。

 

——大学生、Vリーグとカテゴリーが上のチームとの対戦でした。どんなことを意識してコートに立ちましたか?

 

堀内 相手が格上なので、思い切り攻めていこうと意識して戦いました。真ん中からどんどん攻めよう、という意識でトスを上げました。

 

川野 中途半端なプレーをしたら勝てない相手なので、最初から自分の持っているプレーを全部出そうと思っていました。コースの打ち分けや、バックアタックもしっかり打つことができたので、持ち味を出せたと思います。

——川野選手の言葉にもあるように、バックアタックが効果的に決まっていました

 

堀内 レフトだけにトスが集まると、どうしてもマークが偏るので。ライトがしっかり決めてくれて、すごく助かりました。(川野は)自分がコートから出ていたときに、二段トスを決めきっていたところがすごかったです。

 

川野 積極的にライトを使って、自分を生かすトスワークをしてくれたので、打ちやすかったです。

 

【次ページ】今シーズンになって伸ばしてきたプレーは




得点源として活躍した川野

 

 

——お二人ともこれまでは途中出場が多かったですが、今シーズンになって伸ばしてきたプレーはありますか?

 

川野 真ん中やライトでもバックアタックのコースの打ち分けができるように、練習で何回も合わせてきました。今大会ではバックアタックの決定力が上がって、後衛でもしっかり攻撃参加ができていたのでよかったと思います。

 

堀内 最初は途中交代が多く、緊張してパニックになって、自分のプレーに余裕が持てませんでした。でも、今日は試合の中で楽しむことを忘れずにやっていたので、プレーに余裕があったと思います。

——およそ10日前の国体では、準々決勝で山口県(高川学園高単独)に敗れ、目標の全国三冠を逃しました

 

川野 インターハイで勝ってから国体までの期間で、全然練習で詰められていなかったと思います。インターハイ後の練習は、その前と違って熱量がありませんでした。

 

 でも、国体で負けてからは3年生が熱量を上げて引っ張ってくれて、メリハリのある練習ができました。国体で負けてからは春高に向かって練習していて、その中での今大会だったので、この勝ちをつなげられたらと思います。

 

堀内 インターハイで優勝して、正直自分の中でも満足感があって。練習でのプレーの意識が低かったと思います。それが、高川学園戦の2セット目に出て、サイドアウトが1本切れなかったことにもつながっていると思います。

 

 それからは、トスを上げる前に相手を見たり、トスの一本一本の精度を意識して練習に取り組んでいます。

——ここからは春高予選、そして連覇が懸かる春高を迎えます

 

川野 目標である全国三冠を達成することができなかった分、春高で優勝できるように。まずは東京都予選で優勝できるようにみんなで力を合わせて頑張っていきます。

 

堀内 春高で勝たないといけないので。これからチームで一丸となって頑張っていきたいです。

 




堀内の多彩なトスワークは必見



川野琢磨
かわの・たくま/2年/身長195㎝/最高到達点333㎝/渕江中(東京)出身/オポジット
渕江中3年生時には全中で優勝。JOC杯でも日本一に輝き、最優秀選手賞にあたるJOC・JVAカップに選ばれた。駿台学園高では1年生時には春高優勝を経験した注目のスパイカー

堀内晴翔
ほりうち・はると/1年/身長172㎝/最高到達点305㎝/サレジオ中(東京)出身/セッター
サレジオ中3年生時には全中ベスト4。JOC杯では日本一に導き、優秀選手に選出された。全国中学生選抜として海外遠征も経験。駿台学園高入学後は、主に途中出場でコートに立つ

今後の試合予定
第76回全日本高等学校バレーボール選手権大会 東京都代表決定戦
男子準決勝(13時30分予定)
※試合後に決勝もしくは3位決定戦に出場
■ 開催日:11月19日(日)
■ 会場:エスフォルタアリーナ八王子

 

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【次ページ】11月12日時点の出場チーム一覧

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