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ニミルがまさかのクイックも深津は「何も練習していないです」 WD名古屋が広島THに先勝【SVリーグ男子チャンピオンシップ クォーターファイナル】

要所で会場を沸かせたニミルのクイック

 

2024-25 大同生命SV.LEAGUE MEN クォーターファイナルのウルフドッグス名古屋(レギュラーシーズン〔RS〕3位)対広島サンダーズ(RS6位)戦がエントリオ(愛知)で行われ、WD名古屋が3-1で勝利。2戦先勝方式の短期決戦で、セミファイナル進出に王手をかけた。コンディションが整わない選手もいる中で、WD名古屋は引き出しの多いプレーが光った

 

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要所で会場を沸かせたニミルのクイック

 

ミドルブロッカーには

本職はオポジットのリヴァンを起用

 

 三輪大将のサーブを山崎彰都が正確に返し、ボールはセッター深津英臣の元へ。前衛では山崎、リヴァン・ヌルムルキ、そして後衛からはティネ・ウルナウトが助走に入る。その中で、司令塔が選択したのはニミル・アブデルアジズへのトス。それも、まさかのクイックだった。

 

 セットカウント1-0で迎えた第2セットは、16‐19と追う展開が続いていた。しかし、RSでは1181得点をマークした世界屈指の大砲が相手ブロックの頭上からたたきこむと、チームは一気に勢いに乗る。このプレーを機に同点に追いつき、31‐29でセットを連取。第3セットは落としたものの、3-1でセミファイナル進出へあと1勝とした。

 

 RSではミドルブロッカー陣にアクシデントが相次ぎ、今シーズン限りで引退を表明している近裕崇は、4月5日に練習中の負傷を発表。この日も松葉杖姿で会場に姿を現した。そして、王東宸は、ヴァレリオ・バルドヴィン監督が「彼はあまりいい状態ではない。治ってもらうようにしている状況です」と語るように、3月15日の広島TH戦からベンチを外れている。

 

 そこで、指揮官が「今日、我々は2人のオポジットで戦いました」と語るように、本職がオポジットのリヴァンを、昨年12月1日の東京GB戦以来でミドルブロッカーとしてスタメン起用。ニミルのクイックや、リヴァンのライトからのスパイクなど、型にはまらない攻撃を見せた。

「一人は真ん中から打ったり、戦術的なシチュエーションにおいて変わっていくということ。あともう一つは、今日は真ん中でブロックすることが非常に重要な役目だったと思っています」(ヴァレリオ監督)

 

 アタック決定率70%(10打数)をマークしたリヴァンは、「自分が持てるいちばんいいパフォーマンスをするように努力をして、チームを助けられるように頑張りました」とほっとした表情で語った。

 

 息の合ったにニミルとのクイックを、この大一番で決める。いったいどんな特訓が隠されていたのかと思えば、深津は「何も練習していないです」と笑った。

「サイドアウトの場面でAクイックを打つ練習はしていますが、ブロックに跳んで、そこから誰がどこから打つかはまったく練習してないので。ニミルがミドル(ブロッカー)で跳んで、その後どこにトスを上げたらいいか、正直ブレイクチャンスで戸惑った部分もありました。もう一回データを見直して、選手と話し合ってほんとうに大事な1点をしっかり取りきれるように準備したいです。勝ったという点ではよかったですが、セッターとしてはもう少しやるべきことがあったのかなと思います」

 

 

日本代表に復帰した深津(左)だが、「まずは優勝することしか考えていないです」と目の前の戦いに集中(右はリヴァン)

 

 

 RSでは山崎がミドルブロッカーとして出場する試合もあり、万全のメンバーがそろわないなかでも、その時々のベストを追い求めてきた。深津が口にする「常に監督が、チャンピオンシップでも成長し続けると言っているので」という思いは皆同じ。3位からの頂点を目指すシーズンクライマックス。ここからさらに進化を遂げる。

 

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苦しいチーム事情で傳田にもアクシデント

水町はベンチ入りなるか

 

 ミドルブロッカー陣に厳しい台所事情が続く中、傳田亮太にアクシデント。第4セットのブロック時に相手スパイカーと接触し、左足を痛めて交代した。ヴァレリオ監督は「もちろんケガをして我々にとって非常に苦しいですが、とにかく彼の状況を評価しないといけない」と語った。

 

 なお、この試合はベンチアウトとなった水町について、「彼は今、完全なコンディションではなく、我々としては彼を休ませるほうがいいといと判断しました。また明日の状況を見ていきたいと思います。明日よくなっている可能性もあります」と言及した。

 

 

試合結果

WD名古屋 3(25-17、31-29、21-25、25-16)1 広島TH

 

第3セットを奪い返すも勝利には届かなかった広島TH。オポジットとしてプレーする新井雄大(中央)を中心に、19日のGAME2でリベンジを目指す

 

 

文・写真/田中風太(編集部)

 

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