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埼玉上尾 山岸あかねが笑顔で引退 「幸せなバレーボール人生」を締めくくる

引退セレモニー終了後に笑顔で取材に応じる山岸

 SVリーグ女子の埼玉上尾メディックスは、今季限りで現役引退を表明していた山岸あかねの引退セレモニー「山岸あかね引退試合~AKANE YAMAGISHI THE LAST GAME~」を510日に東松山市民体育館(埼玉)で開催した。イベントにはチームメートやOGのみならず、山岸と交流がある元女子日本代表の荒木絵里香さんや古賀紗理那さんらも参加。選手たちや会場に足を運んだファンの誰もが笑顔を浮かべるような温かい空気の中、山岸は晴れやかな表情を見せていた。

 

 

引退セレモニー終了後に笑顔で取材に応じる山岸

 

 

 参加メンバーはチームメートとOGの選手で構成された「MEDICS FRIENDS TEAM」、埼玉上尾でチームメートだった荒木さんや内瀬戸真実さん、日本代表でともにプレーした古賀さんや新鍋理沙さん、宮下遥さんらが名を連ねた「KIRAs DREAM TEAM」の2チームに分かれて試合が行われた。3セットマッチの中で山岸は両チームを行き来し、多くの選手とプレー。アタッカーとして全国大会連覇を成し遂げた中学時代を彷彿とさせるスパイクも披露した。「この日のためではないですが、ジャンプトレーニングを一生懸命やってきていて。(得点時には)みんなに褒めてもらえたのでうれしかったですし、楽しかったです」と目尻を下げた。

 

 

前衛からのスパイクだけでなく、バックアタックでも得点した山岸

 

 

 試合後に行われた引退セレモニーでは、中学、高校時代の仲間たちからのビデオメッセージや恩師の方々からの花束贈呈も。また、チームを代表して今季キャプテンを務めた佐藤優花と、1学年上の岩崎こよみが山岸にメッセージを送った。佐藤はいつも前向きな言葉に助けられたといい、「私の人生でキラさん(山岸)に出会えたこと、一緒のコートで試合ができたこと、すべてが楽しい時間でした。ずっと大好きで尊敬しています」と涙を流しながら思いを伝えた。埼玉上尾や日本代表で長い時間をともに過ごしてきた岩崎は「手紙を書いていると、キラがメディックスからいなくなってしまうことをあらためて実感してしまい、書くのが嫌でした」と本音をもらしながらも、これからについて「キラのような選手が増えてほしいので、ぜひバレーボールに関わってほしいですし、指導者になってくれたら、いい選手を育てられると勝手に思っています」とエール。最後は「約10年、キラのパスと愛を受け続けてきた、日本一幸せなセッターより」という愛の込もった言葉で締めくくった。

 

 

セレモニーのラストは参加メンバー全員で集合写真。山岸を中心に笑顔の輪が広がった

 

 

 最後は山岸よりファンに向けて「楽しくて始めたバレーでしたが、なかなか楽しめていない時期や、うまくいかない時期もあり、『ただ勝てばいいや』と思う時期もありました。ですが、年齢を重ねるにつれて、負けたときやうまくいかなかったときでも、バレーを楽しめていると感じられる時間が多くなったかな、と思っています。どんなときもたくさんの熱い応援をしてくださり、ありがとうございます。ほんとうに幸せなバレーボール人生でした」とあいさつ。セレモニー中は涙を見せていたが、まっすぐな言葉で感謝を口にした。

 

 2013年に上尾メディックス(当時)へ入団してからチーム一筋。ファンや仲間から愛され続けた山岸は、さまざまな思い出と感情がつまった「メディックス」でのプレーを貫き通し、現役生活の幕を下ろした。

 

■山岸あかね(やまぎし・あかね)

199118日生まれ/身長165㎝/最高到達点283㎝/東海大付三(現・東海大付諏訪)高(長野)→東海大/リベロ

裾花中(長野)時代に全日本中学校選手権大会で連覇を達成。東海大2年生時に全日本インカレ準優勝、3年生時に優勝を果たす。日本代表には2013年に初選出され、2019年のワールドカップに出場した。国内では2022-23シーズンにVリーグ通算230試合出場を果たし、Vリーグ栄誉賞を受賞。今季のレギュラーシーズン最終戦で、女子の大卒選手では初めて300試合出場を達成した

 

取材/廣田充則(編集部) 写真/石塚康隆(NBP

 

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