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WD名古屋が初開催した高校生大会に“二刀流”の水町泰杜も登場。清風高が優勝を飾る

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 SVリーグ男子のウルフドッグス名古屋は913日、名城公園内「tonarino」にて「ウルフドッグス名古屋オープン ビーチバレーボール高校生男子大会」を実施。初開催となる今大会には愛知県を中心に、長野県や静岡県、京都府や大阪府などから計9チームが参加した。

 

 

高校生たちが特設コートでプレーした

 

 

二刀流の先陣を切る者として。水町泰杜がプレゼンターを務める

 

 優勝は清風高(大阪)の宇田川友希/江嵜秀翔(ともに2年)組。2人は一貫校の清風中(大阪)時代からビーチバレーボールに励み、4人制の全国大会「湘南・藤沢カップ」に出場した経歴を持つ。当時は未経験者も含めた一般生で構成される「バレーボール部」に在籍し(今夏に全日本中学校選手権大会で日本一に輝いた「バレーボール競技部」とは異なる)、現在は高校において正式に誕生した「ビーチバレーボール部」の部員として活動している。

 顧問から誘いを受けて今大会への参加を決意し、そこでは「絶対に勝つ」と息巻いていた。いざ試合では「相手の攻撃に対してもしっかりとボールを拾い上げられた」(江嵜)とレシーブからゲームを組み立て、「自分のセット(トスアップ)が乱れていたのですが、修正できたことで、いい戦い方ができました」と宇田川。決勝では静岡西高(静岡)を下して大会を制した。

 

 

優勝した清風高のペア

 

 

 その戦いぶりを見て、「(清風高は)一つ一つのボールタッチが上手でしたね。ショットもコントロールできていましたし、ジャンプサーブも打っていて、すごいなと感じました」と感嘆の声を漏らしたのは水町泰杜。現在はトヨタ自動車ビーチバレーボール部で活動しており、きたる2025-26 大同生命SVリーグではWD名古屋の一員として戦う。今大会では表彰式のプレゼンターを務め、出場チームへ参加賞のほか、優勝・準優勝チームへは優勝トロフィーを手渡しした。

 

 試合を観戦しながら、「途中は自分も『プレーしたい』『あのショット、拾いたい』とうずいていました」と水町。自身は919日から今大会の会場であるtonarinoで開催される「ジャパンビーチバレーボールツアー2025 8戦 名古屋大会」に出場する予定で(20日の1回戦から)、これがビーチバレーボール選手としては今年最後の公式戦となる。「(tonarinoの)階段が真っ赤に染まって、トヨタの応援も来てくれるのではないかとイメージしています。去年の名古屋大会は1回戦負けなので、今年は頑張りたいです!!」と意気込んだ。

 

 

プレゼンターとして優勝・準優勝ペアと記念撮影に応じた水町(中央)

 

 

地域とバレーボールをつなげる。幅広い層を対象に大会を催すWD名古屋

 

 WD名古屋としてはかつてチームを指揮したアンデッシュ・クリスティアンソン氏の元でビーチバレーボールの活動を始めた経緯がある。ジャパンビーチバレーボールツアーの名古屋大会はホームとあって、2年前から所属選手がペアを組んで出場。またtonarinoにおいても夏の時期は「ウルドビーチキャンプ」としてビーチバレーボールの教室や体験会などを催している。

 

 また今回の「ウルフドッグス名古屋オープン」のように学生世代を対象にした大会はこれまでにも催してきており、今では小中高と幅広い層に及ぶ。そうした地域貢献活動の一環として今回、初めて高校生のビーチバレーボール大会が実現。さらに一般社団法人日本ビーチバレーボール連盟の公認大会(優勝チームには連盟が規定する国内大会のオフィシャルポイントが付与される)としたことで、選手たちにとっても参加にあたって意義ある場に仕立てた。地域とバレーボールをつなぐ。それはWD名古屋が地域に根ざしたスポーツ団体として活動していくうえで掲げる指針の一つである。

 

 同様に“つなぐ”という点では「インドアとビーチバレーボールをつなぎたい」という思いで二刀流に励む水町が、その体現者として携わったこともこの大会の持つ側面の一つとなった。実際、参加選手の中には清風高ペアのようにビーチバレーボール単体に取り組む者もいれば、インドアと併行して活動している面々もいた。彼らにとっては同じ空間に水町がいたことが何よりの励みや刺激になった様子。この大会に参加した選手たちの中から「第2、第3の水町泰杜」が誕生し、バレーボール全体を盛り上げる存在となることだってありえるだろう。そんな未来図を思い描けた、一日だった。

 

 

将来、水町とビーチバレーボールでペアが組む選手がここから現れるかも!?

 

(取材/坂口功将 写真/WOLFDOGS NAGOYA

 

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