「ビーチバレーボールの神様になりたい」長谷川徳海が全日本選手権で連覇を達成も、抱き続ける壮大な目標と競技への熱き思い
- ビーチ
- 2025.08.18
「ビーチバレージャパンJVA第39回全日本ビーチバレーボール選手権大会 男子」が8月11日から13日に鵠沼海岸(神奈川)で開催され、黒川寛輝ディラン(LIVZON)/長谷川徳海(ハウスコム株式会社)組が決勝で水町泰杜(トヨタ自動車株式会社)/黒澤孝太(明治大4年)を2-1(21-18,20-22,17-15)で下し優勝に輝く。長谷川にとっては大会連覇となった。
長谷川徳海(はせがわ・よしうみ/1984年8月23日生まれ/身長186㎝/中越高〔新潟〕→中央学院大/ハウスコム株式会社所属)
自身のYouTubeチャンネルやSNSを積極的に展開する長谷川
「ビーチバレーボールの神様になりたいですね」
その言葉を聞いたのは1年前、2024年7月13日にTACHIHI BEACH(東京)で開催された「ジャパンビーチバレーボールツアー2024第4戦 立川立飛大会」の初日を終えたあとの取材でのことだった。
この大会では通常のルールとは異なる、「Crown of the beach形式」が採用されていた。これは海外の大会では取り入れられている「キング・オブ・ザ・コート」をアレンジしたものだったが、とはいえ新しい取り組みであり、とりわけ初めて観戦する人たちにとっておそらくハードルは低くなかったはず。そこで長谷川は大会前日に自身のYouTubeチャンネルで、事前に大会から発表されていたレギュレーションをもとにルールの解説動画を配信したのである。もっとも長谷川はYouTubeを筆頭にSNSなどを積極的に活用し、自身のことや大会の振り返りといったさまざまな情報を視聴者へ届けると同時に、そこでファンとの交流を育んでいる。そうした活動に励む理由をこう語った。
「元々は僕の母校のバレーボール部向けに、ビーチバレーボールのHOW TOを出すのが目的で、解説動画などを始めたんです。そうして1年間、動画を出し続けたらしだいに僕個人にもファンがつくようになってきました。
ビーチバレーボール選手として活動して16、17年になりますが正直、コンテンツとしてのビーチバレーボールや競技そのものの魅力、奥深さを一般の方々に伝えるのは不可能だと感じていて。ならば、まずはとにかく『長谷川徳海』という僕自身を見にきてほしい、と。僕のファンになってもらって、そこから少しずつ啓発していく作業ができればと思っています」
その立川立飛大会では、インドアとビーチバレーボールの二刀流挑戦で注目を集めた水町が結果的に準優勝に。水町のファンたちの姿が観客席には多く見られたが、その現実に触れながら長谷川はこのように受け止めていた。
「今日でいえば、きっとビーチバレーボールではなく、水町選手を見にきている方々が大半でしょう。ですが、選手にファンがつくことで、会場に足を運ぶ人たちを集められるのは確かですから。すべての選手が魅力そのものとなって、そこにファンがつけば、おのずとビーチバレーボールの現場にも人が集まってくるのではないかと。それが長らく活動してきて僕が感じたことなので、まずは自分がやってみようと考えています」
その取材の最後に聞いてみた。そうした思いも含めて、今のご自身が目指すものは? その答えが冒頭のセリフだったのである。
「ビーチバレーボールの神様になりたいですね。スキルもそうですし、影響力もつけたいと思っています。だから結果が欲しいですし、まだまだ技術を磨きたい。先輩たちを見ていると素晴らしい選手たちばかりですから、その方々を追い抜きたいですし…、うん。神様になりたいです」
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