あのころの熱気はいつまでも
42年前の1983年、当時は3月に行われていた選抜優勝大会(※当時の春の高校バレー)で優勝したのは男子・東亜学園高(東京)、女子・八王子実践高(東京)。八王子実践高は前年のインターハイと国体を制しており、のちのロサンゼルスオリンピックに出場した宮島恵子と中野照子の両エース、セッター柿沼直子、サウスポー新橋結佳という主力4人が残っていたことから、優勝候補筆頭の呼び声のまま栄冠を獲得していた。一方の東亜学園高はノーマークの伏兵で、優勝候補は大阪商大附高(大阪/現・大阪商大高)、直方高(福岡)、岐阜工高(岐阜)、東海大四高(北海道/現・東海大付札幌高)と見られていたが、東亜学園高がサーブで崩しフェイントを多用するという頭脳的な戦術で全国大会初優勝。その戦いぶりから「ミラクル東亜」と呼ばれるようになった。
そして時が流れ2025年9月27日。叙々苑游玄亭新宿には当時、東亜学園高でセッターを務めていた中村貴司氏(現NECレッドロケッツ川崎ディレクター)、レフトエースの若村文昭氏をはじめ、決勝で戦った直方高の宮崎浩次氏、八王子実践高の宮島氏、中野氏、女子準優勝の氷上農高(兵庫/現・氷上高)の石掛美知代氏、北畠優子氏、嶋田美和氏をはじめ、高校3年間バレーで汗を流した総勢57名(男子27名、女子30名)の姿があった。全員が1983年当時高校3年生の同期会で、今回で5回目の開催だが、今年は還暦を迎える年ということで北は北海道、南は沖縄から集結。会場に目を巡らすと、中央大女子バレーボール部監督の柄澤富美男氏(中央大附高)、現在、子どもたちがSVリーグ等で活躍している方々(大阪ブルテオン・西山大翔の父・西山茂雄氏(当時・山陽高)や、ジェイテクトSTINGS愛知・秦耕介の母・秦恵子氏)も主席。「春の高校バレー部40年会~還暦でも若さでアタック~」ということで、会場のあちこちに還暦を祝うタペストリーが飾られ、その前で記念写真を撮る姿が見られた。
昔話に花を咲かせ、若さでアタックしたバレーボールへの「あのころと同じ熱い思い」を語り合う。そこには、かつてのライバルたちがチームの垣根を超え、42年の時を経ても色褪せない、青春の熱気が確かにあった。
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