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後藤陸翔(東京GB) 「何十回も映像を見た」お手本、ミハウ・クビアクのような存在へ【日本代表を経て2年目のSVリーグへ】

後藤陸翔

バレーボールの国内最高峰リーグ、SVリーグの2025-26シーズンが1024日(金)から開幕する。日本代表の選手たちは今季、どんな思いで日の丸を背負ったのか。今年度初選出された東京グレートベアーズの後藤陸翔には、学生時代からの憧れの存在がいた

 

 

後藤陸翔

 

 

――日本代表に初選出されて、どんな思いでしたか?

 うれしい気持ちも少しありましたが、それよりもスタートラインに立った気持ちのほうが強かったです。「ここからだぞ」という身の引き締まるような思いがいちばんでしたね。中学選抜の合宿に呼んでもらった中学3年生ぐらいのときから、シニアへの思いを持っていました。

 

――後藤選手からは向上心の強さがとても伝わってきます。それも中学時代に芽生えたのでしょうか?

 自主性を重んじる高校(新田高〔愛媛〕)だったので、どうやれば点数が取れるか、相手の嫌がることができるかということは、いろんな選手の映像を見て試していました。もしかしたら、そのころから自然とついたのかもしれません。

 

――当時の目標にしていた選手は?

 パナソニック(現・大阪ブルテオン)にきたときから、(ミハウ・)クビアク選手(元ポーランド代表)のことをすごく勉強していました。当時の日本人プレーヤーがやらないようなプレーをしていたので、それを見て勉強して、自分でも試していました。プレースタイルが似ていて、なおかつあの身長(192㎝)でも世界のトップでやっていたので、すごく刺激になりました。

 

――特に印象的だったプレーは何ですか?

 ラストボールをアンダー(ハンドパス)で返すときに、高く返すと見せかけて、低く返してポイントを取ったんです。それを見て、「まじか」って(笑) どんな状況でもポイントを取りにいく、相手の嫌がることをすることは、日本人でも可能なんじゃないか、って。クビアク選手は日本人寄りのプレーヤーではないかと思いました。

 

 クビアク選手のプレーは自分のルーツになっているので、今もめちゃくちゃ影響を受けています。いちばんはラストボールを返すときだったり、トスが悪いときに、どうやってポイントにつなげるかという部分。トスが悪いときでも自分たちの有利な状況に持っていく力は勉強をさせていただいています。

 

――今もプレーはチェックしていますか?

 (所属する)中国での試合もそうですし、ポーランドが世界選手権で優勝した映像も繰り返し見ています。何十回も見たんですけど、何回も見ることでよりクビアク選手が考えているシナリオがわかるというか。いつも最初から見るつもりで、毎回勉強しています(笑)

 

 

2025年度、後藤は初めて日本代表としてプレーした

 

 

――後藤選手がクビアク選手に憧れたように、次世代のプレーヤーも、引き出しの多い後藤選手のプレーを参考にしていきそうです

 クビアク選手が残したトリッキーな文化は日本に当たり前のように浸透していて、日本のバレーボールのレベルを上げてくださったと思います。それになれるかはわからないですけど(笑) いい要素も含めつつ、また違ったプレーヤーになりたいです。

 

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 初めての日本代表シーズン、後藤はネーションズリーグ第2週のスロベニア戦でVNLにデビュー。帰国後には「2025バレーボール男子日本代表国際親善試合 日本B対オーストラリア(岩手大会)」でもプレーし、世界の高いブロックを相手に経験を積んだ。ルーキーイヤーだった昨季に日本人チーム最多の600得点(リーグ13位)をマークし、得点源として期待されるSVリーグでは、さらに進化した姿に注目だ。

 

ごとう・りくと

2001513日生まれ

身長187㎝/最高到達点345

新田高(愛媛)→近畿大/近畿

アウトサイドヒッター

 

取材/田中風太(編集部)

写真/石塚康隆(NBP)、山田壮司

 

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