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福岡大附大濠高が15年ぶりの春高へ 予選での多彩な攻撃にも満足せず前園洋行監督は「まだできることがある」【インタビュー(前編)】

15年ぶりの本戦出場を決めた福岡大附大濠高のメンバー

78回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高)が15日(月)に東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。各チームは、どんな歩みで集大成の舞台を迎えるのか。春高福岡県予選決勝で、今季2度の全国ベスト4入りを果たした東福岡高を下し、15年ぶりの本戦出場を決めた福岡大附大濠高。前園洋行監督のインタビューを2回にわたってお届けする。前編では、惜しくも準優勝に終わったインターハイ県予選からの成長を振り返った

 

 

15年ぶりの本戦出場を決めた福岡大附大濠高のメンバー

 

 

――悲願の春高出場を決めました

 正直なところ、今はホッとした気持ちが一番大きいです。

 福岡大附大濠高の指導者として4年目。これまで恩師・大賀俊信先生に全国大会を届けることができたのは、コーチ就任2年目のインターハイ(10年ぶり)、ただ一度だけでした。その年は大賀先生が監督として指揮を執る最後の年でもあり、「最後に春高へ行き、最高の恩返しを」と強く願っていましたが、その思いはかないませんでした。

 だからこそ今回の春高出場は、1年遅れではありますが、大賀先生と“一緒に”春高の舞台に立てるという安堵感に加え、これまで積み重ねてきた日々、選手とともに信じてやってきたことが決して間違いではなかったのだと、静かに確かめられた瞬間でもありました。

 

――中継の映像には笑顔の大賀前監督がよく映っていましたね

 大賀先生ありきの大濠高校ですから、その思いは事前にテレビ局の方にもお願いしていました(笑) 

 試合が終わったあと、先生からかけられた言葉は、ただ一言、「よくやった」でした。大賀先生は決して多くを語る方ではありませんが、その分、一言一言に人を動かす力があります。その短い言葉の中に、これまでの時間、過程、そして結果まで、すべてが込められているように感じました。教え子でもある私は、その一言で、すべてが救われたような思いになりました。

 その後、私の高校時代のコーチであり、現在は福岡工大城東高女子バレーボール部監督の葛西廣紀先生と握手と抱擁を交わした際には、それまでこらえていたものが一気に込み上げ、気づけば涙があふれていました。多くの指導者に導かれ、支えられて今の自分があることを、あらためて実感した瞬間でした。

 

――インターハイ県予選決勝では東福岡高にストレートで敗れましたが、31-33、23-25の接戦でした。春高予選に向けてはどう臨みましたか?

 インターハイ県予選が終わってからの23ヵ月、最後の1点が取れないのはなぜか、それを取るために何をしたらいいかということばかりにこだわりました。

 今回の対戦ではすべてのセットで最後までリードしていましたが、そこから追いついてくるのはさすが。それでも3セットを取りきったので、インターハイからは大いに成長したし、子どもたちの頑張りを実感しました。

 

――セッターの大久保駿キャプテンが見せた、相手に的を絞らせないトスワークは見事でした

 そうですね。あの試合に関しては全員がほんとうに大きな成長をしてくれました。技術というよりは、精神的な成長のほうが見られましたね。

 

――昨年度までは身長2mを超えるマサジェディ翔蓮(専修大1年/ミラノ)選手がいて、大事な場面ではそこにトスを託している印象でした。そこからどうやって、多彩な攻撃を見せるチームスタイルが生まれたのでしょうか?

 彼や中村玲央(慶應義塾大1年)といった日本を背負っていくような選手は、そうやって(大きく)育てないといけないと思っていました。あのバレーは間違っていないと思います。

 ただ、今年度はそこからサイズダウンしたので、このチームの最初に、選手たちにやりたいバレーを決めさせました。どんなバレーがしたいか、そしてどうやって日本一を取りたいか。そこだけはぶれないように、と。今年度は何度か「自分たちで決めたことでしょう」と言ったことを覚えています。

 

 

2024年のインターハイ県予選にて、マサジェディ翔蓮(左)とタッチを交わす前園監督

 

 

――オポジットに横山僚郎選手、セッターに松岡陽斗選手が入る2枚替えでは、松岡選手が前衛に上がって最高到達点338㎝の高さを生かしたスパイクを打つオプションも見せました

 インターハイ県予選でも2枚替えはしていましたが、今回はその延長線上で、もう一段階踏み込んだかたちをつくりました。今まで松岡は後衛の3ローテだけでしたが、彼はとにかくスパイクが好きな選手なので、前衛でも思いきってプレーさせました。おそらく、初めて見るパターンだったと思いますし、そこはうちの一つの秘策でした。

 ただ、それは単なる奇策ではなく、「どうすれば選手一人ひとりの特徴を最大限に生かせるのか」という問いが常にありました。目の前にいる選手たちで、もっと力を引き出せるかたちはないのか、まだ伸ばせる可能性はないのかを、ずっと考え続けてきました。

 

 攻撃のコンビネーションに関しても、まだできることがあります。ミドルブロッカーの北島(善)は、チームが立ち上がった当初はオポジットでしたし、オポジットの中島(匠)はミドルブロッカー、横山はクイックも打っていました。最初の23か月は、今とはまったく違う、バラバラなポジションを経験させてきました。

 その結果、当初は80点くらいの力しか出せませんでしたが、それは可能性を探るための時間だったと思っています。だからこそ春高では、これまで積み重ねてきたものを整理し、このチームが持つ力を100点で発揮できるかたちで臨みたい。そう書いてもらえたら、対戦するチームも迷うと思います(笑)

 

――15年ぶりの舞台ではどんな戦いをしたいですか?

 我々はチャレンジャーです。だからこそ、もっと伸び伸びと、自分たちのバレーをやってほしい。そのバレーで日本一を取りたいと思っています。

 全国大会は、何かを証明する場所ではありません。我々が何者なのかを「表現する場所」だと考えています。これまで積み上げてきたもの、選手一人ひとりの個性、そしてチームとしての在り方を、コートの上でそのまま出してほしい。結果を恐れず、全力で楽しみ、明るく希望を持ってチャレンジする――。その先に、日本一があると信じています。

 

取材・撮影/田中風太(編集部)

 

福岡大附大濠高の春高初戦(2回戦)

1月7日(水)Cコート第3試合(1210分開始予定)

vs.足利大附高(栃木)or小松大谷高(石川)の勝者

 

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