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東洋高が柳田将洋ら“春高優勝”時のユニフォームを復刻して着用。「感慨深いものがありました」と同期の小林将也監督

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 15日から東京体育館(東京)を舞台に行われているバレーボールの「全日本高等学校選手権大会」(以下、春高)。男子の東京都第2代表で出場した東洋高はエモーショナルな一着で、この舞台に立った。

 

 

3年ぶり29回目の出場を果たした東洋高

 

 

小林将也監督は柳田将洋と同級生。小芝拓也コーチは一学年下

 

 それは、鮮やかな紫色をベースにしたユニフォーム。5日の1回戦では、同じデザインながら白色をベースにしたユニフォームを着用しており、7日の2回戦でついにコート上の大半のメンバーが袖に腕を通す(実際は1回戦でリベロが着用)。勝利を収めた試合後、小林将也監督は目を細めた。

 「感慨深いものがありましたよね。自分も小芝(拓也)コーチもこのデザインのユニフォームを着て、当時の会場は代々木体育館でしたけれど、春高で優勝しましたから。『あ、東洋が春高に戻ってきたな』という感覚を覚えました」

 

 今回の春高で選手たちが着用したユニフォームのデザインは、20103月に国立代々木競技場第一体育館(東京)を舞台に開催された「第41回全国高等学校選抜優勝大会」(※)かつては「春の高校バレー=春高」と称された大会で東洋高が優勝を飾った当時のものと同じ。そう、柳田将洋(東京グレートベアーズ)がチームを日本一に導き一躍その名を全国に轟かせた、あの大会である。

 現在チームを指揮する小林監督は柳田と同級生で、2021年から母校で指揮を執っている。そうして今シーズンはインターハイそして春高に、いずれも3年ぶりの出場を決めたわけだが、所有していたユニフォームは劣化がひどかったそう。実は、東洋高は代々のユニフォームを各世代で選手に提供するのではなく、部の所有として継続して使用している。継承の意味合いが見て取れるとはいえ、実際の使用に耐えられるかはまた別の話だ。

 「小芝コーチがちょうど(2025年の)春に教員になったことも重なって、『当時のデザインを復刻しようよ』と話に出たんです。もう周りも乗り気でした」

 

 3年前ほどから東洋高では紺に近い、濃い紫のユニフォームが誕生し、それは龍(横断幕にも「白龍」と記されている)が描かれたモダンなデザインだった。そうして昨夏に学校へ、ユニフォームの新調を相談する。都予選に勝てば、という小林監督自らが提示した条件をクリアし、インターハイへ出場。復刻が決まった。

 

 

現役時代に日本一を経験し、母校の指揮を執る小林監督

 

 

「『東洋高校=柳田選手』のイメージを持っていた」と現役のエースアタッカー

 

 デザインを新調する。それも復刻で。ただし小林監督は部員たちへそのことを伝える際に、ハッパをかけている。3年生の佐藤一紀(さとう・かずき)キャプテンは振り返る。

 「先生からは『春高に出たら、着させてあげる』と言われました。なので、もうめちゃくちゃ都予選は気持ちが入りましたね!! せっかくなら新ユニフォームを着て春高を戦いたい、と思いましたから」

 

 現役高校生たちは当然、柳田らの代をリアルタイムで見ていたはずもない。物心がついていたかどうかもあやしい年代だ。けれども東洋高へ入学し、バレーボール部でプレーするとなれば、やはりその世代へ憧れを抱かずにはいられない。3年生エースの津末将生太(つすえ・しょうた)は、かみしめるように語った。

 「『東洋高校=柳田選手』というイメージを持っていましたから。部室には、その当時からのデザインのユニフォームが『旧ユニ』という名称で保管されていましたし、それを着て戦う柳田選手たちの姿を映像や写真などで見てきました。だからこそ、復刻された新しいユニフォームを最初に目にしたときはかっこいいなと思いました」

 

 柳田が2010年春に当時の「春高」で決勝を戦った際、着ていたのは紫のユニフォーム。胸と背には「2」の番号、そしてその下にはキャプテンを示すラインが入っていた。

 今大会、その体裁を受け継いだのは佐藤キャプテン。ポジションはリベロで、アウトサイドヒッターの柳田とは異なるが、それでもやはりこみあげる思いがあった。

 「東洋のキャプテンとして、この春高の舞台に立てることがほんとうにうれしかったです」

 

 

柳田は東洋高で遂げた春高優勝でスターダムへと駆け上がった

 

 

「東洋の紫色で」当時を忠実に再現したユニフォームが完成

 

 小林監督の言葉を借りるならば、再び春高の舞台に戻ってきた東洋の歴史と栄光を象徴する一着。制作はこれまでも東洋高のユニフォームを手がけてきたバレーボール界ではおなじみのミズノだが、今回の復刻にあたってはこんな苦労も。

 インターハイが終わってからユニフォームを新調する話がチームから持ちかけられ、ミズノ側もさっそく取りかかったものの試作品が出来上がった際、担当サイドが首をかしげた。どうやら想定していたよりも、色が薄かったそう。

 「一度、試作品を持ってきてくださったのですが、ミズノの担当者さんいわく、『この色は東洋ではないよね』と社内でもチェックが入ったようなんです」

 

 スケジュールでいえば、それはすでに春高都予選前後のことであり、春高本番に間に合うかギリギリのラインだったという。それでも変更がかけられ、あの当時のものを忠実に再現した一着が年末にはチームのもとへ届けられた。見れば、うなずく再現度の高さはミズノだからこそ。小林監督は言う。

 「ミズノさんが頑張ってくださり、まさに“東洋の紫色”で仕立てていただきましたから、心から感謝しています」

 

 今回の春高を経て、この復刻ユニフォームが標準装備となるか、はたまた全国大会やそれこそ春高限定での着用になるのか…どうだろう。

「そこに関してはまだまだ。まずは今回の春高はこのユニフォームで戦うんだ、というだけでした。その先どうするかは、子どもたちと話をして決めます」

 

 鮮やかな紫色のユニフォームを着た選手たちが大勢の観客の視線を浴びながら、オレンジコートでボールを追いかける。誰もが、こう思わずにいられない。

 やっぱり春高の東洋高校といえば、これだよね、と。

 

 

 今回の春高を戦った東洋高の(左から)佐藤キャプテンとエースの津末

 

(文・写真/坂口功将)

 

(※)3月に開催されていた「全国高等学校選抜優勝大会」は2010年の第41回大会にて閉幕。「春の高校バレー」「春高」の名称は全日本高等学校選手権大会へ移管され、2010年度の第63回大会以降で使用されることになり、現在に至る

 

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