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女子日本代表選出大学生3人が語る 今季にかける思いと意欲

佐藤は昨季の全日本インカレでMIP賞を獲得した実力を今季も発揮できるか

2028年のロサンゼルスオリンピック出場の切符が懸かるアジア選手権(8月に中国で開催)を控えるなか、今年度のバレーボール女子日本代表の登録メンバーに3人の大学生が選出された。昨季55年ぶりの日本一に大きく貢献し、今季はキャプテンを務める東京女体大の佐藤彩夏(4年)、金蘭会高(大阪)からともに筑波大に進学した大森咲愛(2年)と馬場柚希(1年)。大学で日々、鍛錬を積む3人の声をお届けする

 

 

佐藤は昨季の全日本インカレでMIP賞を獲得した実力を今季も発揮できるか

 

 

佐藤彩夏(東京女体大4年)

「自分らしさ」を前面に

下級生もコートに入るチームをまとめる

 

 大学屈指のポイントゲッターが日本代表に名を連ねた。北沢中や下北沢成徳高(いずれも東京)時にアンダーエイジカテゴリー日本代表での経験はなかったが、東京女体大進学後、2年生時からユニバーシアード日本代表に2年連続でメンバー入りを果たす。昨年7月のFISUワールドユニバーシティゲームズでは宮部愛芽世(大阪MV)らSVリーガーとともに戦い、準決勝でブラジルを撃破するなど準優勝に貢献した。日本代表へ登録されたことを聞き、「大学でプレーするなかで、ここまで上り詰めることができ、これまでアンダーで選ばれてきた選手たちと並ぶことができた」と笑顔を浮かべた。

 

 昨年のFISUワールドユニバーシティゲームズでは、強みであるライトからのスパイクの「調子がよくなかった」と苦悩するなかで、先輩たちに「自分らしくプレーしていいんだよ」と言葉をかけられた。中高とともに戦い、今回同じく代表へ初選出された二宮みずき(姫路)ら1学年上の代が抜け、今春は1、2年生が多くコートに入るなかでキャプテンを務める。「最初は自分の中で『こういうバレーじゃないといけない』と縛りをかけていましたが、自分らしさを生かすことも大事」と、先輩の言葉を思い出すことで考えが変化。さらに「私も下級生のときからスタメンで、後輩たちの気持ちがわかるので、支えてあげたい。その中で責任感を持ち、先頭に立って戦ってほしいという思いもあるので、自分がバランスよく声かけをできたら」と経験をもとにチームを率いる。

 

 

最上級生となり、「一日一日が過ぎるのが早い」と#1佐藤。実りあるシーズンにすることを誓った

 

さとう・あやか/2004416日生まれ/身長176㎝/最高到達点295㎝/下北沢成徳高(東京)出身/アウトサイドヒッター

 

【次ページ】筑波大の大森咲愛、馬場柚希

 大森咲愛(筑波大2年)

先輩の存在を支えに

豊富な経験を成長につなげる

 

 

得点力に磨きをかけ、さらに力強くチームをけん引する大森

 

 

 金蘭会高(大阪)1年生時にU18日本代表としてアジア(ユース)女子選手権大会で優勝。昨年の女子U21世界選手権大会では全9試合でスタメン出場し、準優勝に大きく貢献した。ここまでアンダーエイジカテゴリーのチームを引っ張ってきたが、日本代表への選出には「ほんとうに信じられなくて、1週間ぐらいは現実逃避というか、『夢じゃないかな』と感じていました」と驚きを隠せなかったという。それでも昨年のU21世界選手権で培った「高いブロックに対しても決めきる」力を生かして、日本代表でも実戦の舞台に立つことを目標にする。

 

 しなやかなフォームから放たれる強烈なスパイクを武器に、関東大学1部春季リーグ戦8試合を終えてアタックはチームトップの131得点(リーグ2位)を記録。守備でもリベロの井上凜香らと安定したプレーを見せるなど、攻守の柱として成長中だ。「去年は引っ張ってもらう立場でしたが、学年が上がり、プレーはもちろん表情や声かけでも引っ張る立場に」と、意を新たに結果につなげている。

 そんな大森の支えとなっているのが、ケガでコートに立てていない4年生の阿部明音だ。毎日必死にリハビリする姿に勇気をもらい、「コートの外からでもアドバイスや励ましを言ってくれる」と感謝。ともに戦う先輩の存在を力に変えて、まずは今春の優勝を目指す。

 

おおもり・さえ/2006616日生まれ/身長173㎝/最高到達点300㎝/金蘭会高(大阪)出身/アウトサイドヒッター

 

馬場柚希(筑波大1年)

課題を克服し

将来に生かせる4年間に

 

 

馬場(右)の武器であるブロックは大学の舞台でも通用。左は3年生ミドルブロッカーの田代澪

 

 

 世代のトップを走るオールラウンダーが念願の日本代表入りを果たした。「うれしかったのですが、少し不安にも思ってしまいました」と本音を話す。しかし、「代表に選出されたときに、もっと胸を張れるような選手になりたいですし、選ばれたからにはさまざまなことを吸収して、選手として人として成長していきたい」と気持ちを新たにした。

 

 SVリーグに進まず大学に進学した背景には、同じユニフォームを着る大森や東海大に進んだ西村美波ら、金蘭会高の先輩たちの存在が大きかったという。「高いレベルの人たちは高校卒業後にSVリーグに進むと思っていたので、正直びっくりして。でも、それがきっかけで自分も大学を調べ始めました」。高校時代にケガが多かった時期を振り返って、筑波大では食事など技術面以外のことを積極的に学び、「これからのバレーボール人生に生かせる4年間にしたい」と語る。

 今春のリーグ戦では全8試合(53日終了時点)にスタメン出場。「ブロックでチームを引っ張る」という決意を胸に、1セットあたりのブロック決定本数0.9325得点/27セット)を記録しており、関東大学1部のランキングトップをひた走る。また高校時代同様、ミドルブロッカーながらサーブレシーブに参加。堅守でチームを支える馬場が筑波大、そして日本代表の活動をへて、どんな選手に成長するのか楽しみだ。

 

ばば・ゆずき/2008324日生まれ/身長180㎝/最高到達点300㎝/金蘭会高(大阪)出身/ミドルブロッカー

 

 

金蘭会高時代と同じく切磋琢磨しながら高みを目指す馬場(左)と大森

 

 

 関東大学春季リーグ戦もいよいよ残りは3試合。女子は59日(土)、10日(日)に日本女体大(東京)で、17日(日)の最終戦は青山学院大相模原キャンパス(神奈川)で行われる。53日終了時点でともに無敗の東京女体大(1位)と筑波大(2位)は、それぞれ優勝を目指して昨秋上位チームとの戦いに挑む。

 

文/廣田充則(編集部) 写真/山岡邦彦(NBP)、編集部

 

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