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第1回関田誠大杯「現役の今、やる意味がある」 日本代表の司令塔・関田誠大が福岡で見せた熱い思い

関田が選出した優秀選手らと。表彰選手にはミズノからバレーシューズが贈られた

 関田が選出した優秀選手らと。表彰選手にはミズノからバレーシューズが贈られた

 

 

 サントリーサンバーズ大阪に所属し、男子日本代表の司令塔として活躍するセッター関田誠大。彼の名前を冠した「オリエンタルバイオ presents1回関田誠大杯 小学生バレーボール競技大会 2026」が523日、24日の2日間にわたり、照葉積水ハウスアリーナ(福岡)で開催された。
 本大会には、福岡県内から男女各12チームと混合18チームの計42チームが集結し、日頃の練習の成果をぶつけ合った。試合会場は、子どもたちの家族やチームメートたちの声援で大いに盛り上がり、1点が決まるごとにチーム独自の掛け声が飛び交うなど、終始熱気にあふれていた。

 

 


 その様子をコートサイドから見つめていた関田は、「僕が小学生の頃も試合中はすごい熱気だったので、当時の様子を思い出しました。皆さんと同じく、必死にボールを追いかけて声を出してやっていましたね」と自身の原点を振り返った。

 

 

真剣に子どもたちの試合を観戦していた関田

 

 

「関田選手に会いに行く!」子どもたちのモチベーションを高めた2日間

 本大会は初日に予選を行い、2日目は決勝トーナメントが実施された。2日目には関田のトークショーや、優勝したチームが直接質問できる特別な機会が用意されていたこともあり、参加チームの保護者からは「子どもたちも、私たち保護者も『1日目は絶対に勝って、2日目に関田選手に会いに行くよ!』と、非常にモチベーションが上がっていました」という声が聞かれた。「現役の日本代表選手に会える」という可能性が、子どもたちの大きな励みになっていたのだ。

 

 

各カテゴリーの優勝チームには、関田から直接メダルや記念品が渡された

 

 決勝トーナメント終了後に行われたトークショーで、司会者から「小学生のときから日本代表を目指していたのか?」と問われた関田は、「ざっくりバレーボール選手や日本代表になりたいとは思っていました。中学3年生のときにユースなどの選抜に呼ばれるようになって、そこから徐々に(目標になってきた)」と語った。
 司会者が「日本代表で頑張りたい人はいますか?」と会場に問いかけると、多くの子どもたちが元気よく手を挙げた。その様子を見て、関田は「すごいですね。たぶん、この中から選ばれる人もいるんじゃないかな」と、うれしそうに目を細めていた。
 また、見事に優勝したチームへの特典として行われた質疑応答では、「トスを上げるときに、いつブロッカーを見るのか」「ショートサーブのコツは?」といった技術的な内容のほか、「どうしてそんなにバレーが上手いんですか?」といった直球の質問も飛び出した。

 

 

子どもたちも楽しみにしていた、優勝特典のQ&Aタイム

 


 その問いに対して、関田は少し考えながら、自身の「バレーボールへの向き合い方」について明かした。
 
「自分ではあんまり上手いと思ったことはなくて。いつも試合や練習が終わったときに、『あのプレーはもっとこうできたな』『こうしたほうがよかったんじゃないか』と考えながら過ごしていたら、今みたいな状態になっていました。なので、皆さんにも向上心というものを持ち続けてほしいなと思います」
 トークショーの最後に、関田は参加者全員に向けて次のようなメッセージを送った。
 
「今日、会場に来たときにすごい熱気を感じて、皆さんが一生懸命バレーボールの試合に取り組んでいる姿にほんとうに心打たれました。親御さんが子どもたちに頑張ってほしいと思って、一生懸命応援していたことにも非常に感動しました。参加した皆さんには、親御さんたちが応援してくれていることを理解しながら、将来の可能性に向けて頑張ってほしいなと思います」

 

 

熱心な応援を送っていた保護者へ、試合後に感謝を伝える子どもたち

 

「現役のうちに」そして「試合形式」を選んだこだわり

 本大会には二つの特徴がある。一つは、現役選手が自ら大会を立ち上げたこと。そしてもう一つは、技術を教えるスクール形式ではなく、あえて勝敗の決する「試合形式の大会」であること。そこには関田のこだわりがあった。
 
「できれば現役のうちに何かできたら、という思いはありました。そこ(現役であること)に意味があると思ったんです。今までに(こういったことをした人は)なかなかいないと思うので。(こうした催しに参加することで)SVリーグやVリーグの試合も見るようになると思いますし。(試合形式にしたのは)小学生に限らず、今まで練習してきた成果を試合で出すという機会がなかなかないと思う。今回のように他のチームの選手たちと試合をするには非常にいい機会だなと思い、そういう選択をしました」
 試合である以上、当然そこには勝敗がつく。関田は、子どもたちに勝負の「過程」から多くのことを学んでほしいと語る。

 

 

カテゴリー別での記念撮影では、子どもたちにもみくちゃにされ「関田を探せ!」状態になる瞬間も

 


「今日の大会のように、勝ったり負けたりすると思うのですが、その過程が非常に大事だと思っていて。どうすれば勝てるのかを勝負をしていくなかで考えていけば、みんながもっとまとまってくる。もちろん勝つことも大事ですが、負けたときに『次はどうすればよくなるかな』といったことを考えてもらえたらなと思います」
 そう語る関田自身は小学生時代、強豪として知られる「東金町ビーバーズ(東京)」でプレー。当時学んだことを尋ねると「厳しさしか学んでないです」と苦笑い混じりに振り返る。だからこそ、今の子どもたちへの願いもある。
 
「今の子たちには、バレーボールを楽しんでほしいなと思います。それと、バレーボールはもちろんしてほしいですが、他のスポーツにも触れながら成長してほしいなとも思っています」
 今回、記念すべき第1回大会の舞台に選んだのは福岡県だった。そのきっかけは、2024年に北九州市で行われた「ネーションズリーグ福岡大会」に日本代表として出場したことにある。この取り組みは、他のエリアや全国規模の展開も視野に入れつつ今後も継続していく予定だ。「小学生に限らず、中学生や高校生を対象とするのもおもしろいかなと思う」と、これからの展望も明かしてくれた。

 

子どもたちからパワーをもらって再び日本代表のコートへ

 

無事大会を終え、笑顔を見せる関田

 

 大会を終え、「子どもたちの元気をもらえて、僕もまた頑張ろうと感じました」と笑顔を見せた関田だが、自身を取り巻く環境は慌ただしい。SVリーグのチャンピオンシップを終えたばかりで、あいさつ回りなども重なり、大会時点でまだゆっくりと休養はとれていないとのことだった。
 その後、現在はすでに日本代表シーズンに突入。昨年はケガの治療もあり、コートの外から代表の様子を見つめていたが、今季の代表活動を前に、関田は次のように心境を語っていた。
 
「やってみないとわからないですが、監督が替わって楽しみな部分もあります。一方で、去年の結果も知っているので、どうなるかなと。不安というわけではないですが、『また頑張ろう』といった気持ちですかね」

 子どもたちの笑顔と期待を胸に、関田は再び世界と戦う舞台へと向かう。

 

取材・文 フジサキヒロ

 

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