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「ビーチバレーボール選手として戦えた」“もう一つの太陽”秋重若菜(トヨタ自動車)が地元凱旋で自身最高成績の準優勝

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 ビーチバレーボールの「ジャパンビーチツアー2026 2戦グランドスラム グランフロント大阪大会」が66日〜7日にグランフロント大阪うめきた広場(大阪)で開催され、女子では中川知香(ハウスコム)とペアを組んだ秋重若菜(トヨタ自動車)が自身初の決勝進出を果たした。今大会は秋重にとって、ちょうど1年前にデビューを飾った舞台だった。だが、そこでは「かなりの惨敗でした」と振り返るように予選敗退に終わっている。

 

 

秋重若菜(身長171㎝/2002年10月23日生まれ/金蘭会高〔大阪〕→早稲田大→トヨタ自動車ビーチバレーボール部)

 

 

母校の金蘭会中・高から徒歩圏内で開催された大会に感慨深い様子も

 

 ビーチバレーボールは大学時代に経験はあったが、本格的に取り組んだのは卒業後にトヨタ自動車に入社してからで、今年が2シーズン目になる。インドアと異なる競技特性に悪戦苦闘しながらも、自身の成長を実感しながら過ごす日々。

 

 今年のジャパンビーチツアーの第1戦名古屋大会では5位(準々決勝敗退)、そして今回の第2戦グランドスラム フランフロント大阪大会では1回戦(準々決勝に相当)を突破。翌日の最終日進出に「初日を勝つことができて、この1年間を通して練習してきてよかったと思えました。明日は初めてのセミファイナルなので、まずは楽しむことを第一に頑張りたいです」と目尻を下げた。

 そこでは開催地が地元の大阪だったこともプラスに働いた。トヨタ自動車の応援団が熱心に声援を送り、また家族や知り合いも観戦に訪れた。さらに会場のグランフロント大阪は学生時代を過ごした金蘭会中・高から徒歩15分ほど。「ほんとうにすぐそこが母校ですから、感慨深いですよね(笑) 学生時代はここでビーチバレーボールの大会が行われることも知らなかったですし、まさか自分がやるとは思ってもいませんでした。ですが縁があって、こうしてこの場所でプレーができています。そのことに感謝して、勝つことで恩返ししたいです」と最終日へ意気込んでいた。

 

 

得点すれば全力で喜ぶ姿も秋重の魅力の一つ

 

 

 結果的に準決勝をクリアし、決勝では石井美樹(ラストウェルネス)/菊地真結(トーヨーメタル)組に敗れたものの、自身最高成績となる準優勝に輝いた。準決勝だけでなく、決勝も含めて初ものづくしとなった今大会。けれども、決勝の舞台に特別な感情を覚えることはなかったと秋重は明かす。

 「意外と特別感はなかったです。素直に、たくさん試合ができていることがうれしいな、という感想がまずありましたから。それほど『決勝だ-!!』というものではなかったです。でも楽しかったです」

 

 もっとも、フラットな精神状態で臨めたのは前日の1回戦も同じだった。「ふわふわせずに試合へ入れたので、いいスタートがきれました」と秋重。ふわふわ、とは。

 「いろんなことを考えているうちに、邪念といいますか。『勝ちたい、いや、楽しみたい』といった考えがめぐって、結果的に目的がわからず試合に入ってしまうんです。それをふわふわと表現したのですが…」

 今大会は、そうならなかった。

 「今日(1回戦)はほんとうに『プレーに関しては、しっかりとこれをやろう』と明確に決めて臨めました。それは、これまで一度もなかった感覚でしたね!! 自分が成長していると感じますし、そのレベルをこれからもどんどん上げていくべきなのかなと思いました」

 そう語った秋重は、にんまりとほほえんだ。「なんといいますか…、ビーチバレーボール選手として戦えた気がします」と。

 

 

ビーチバレーボールらしい動きも増えてきた

 

 

男子で優勝したチームメートたちとの記念撮影に「次は自分が優勝やな」と秋重

 

 ジャパンツアーが始まった当初は「ポーキーショットができるようになりたいです。まだ、とっさにうまくできなくて…」と口にしていたが、今大会を終えて「ちょっとダメだな、って(笑) まだまだ私には早いなと思ったので、大事な場面ではしっかりとスイングしたら、得点につなげることができました。やっぱりこれか、と実感しました」と秋重。切れ味鋭く、かつ力の乗った強打は、ペアを組む中川の器用な攻撃とのコントラストもあって、準優勝という結果を生む武器となっていた。

 

 そして何より、強みはそれだけではない。学生時代から備わっていた明るいキャラクターは、ビーチバレーボール選手になっても健在だ。そのはつらつとした姿はいまやトヨタ自動車の応援団やファンのハートをつかんで離さない。

 ペアを組む中川は言う。「とても明るくて、パワフルなプレーをするので。それに助けられた大会でした。元気で勢いがいい選手ですから、これからも風を吹かせてほしいといいますか、太陽のような存在であってほしいです」

 

 太陽とは、ぴったりな表現だ。同じトヨタ自動車に所属する男子の水町泰杜もまた、インドアではウルフドッグス名古屋で、そしてビーチバレーボールにおいても、そう称されている。あいにく今大会の最終日は終日、大雨にさらされ、表彰式も屋内スペースで実施されることになったが、そこでは男子で優勝したその水町/黒澤孝太(トヨタ自動車)組との3人による記念撮影が実現。なぜか優勝キャップをかぶり、賞金パネルを手に撮影することになった秋重は困惑しながらも、持ち前の笑顔を浮かべた。

 「なんで私が持ってるの!? と思いましたが、優勝したい気持ちが湧きました。あの2人(水町/黒澤組)はちょうど私の年上と年下で年齢も近いですし、いつももう笑ってしまうようなことをやっているので、それが私にとってもいいモチベーションになっています。なので『次は自分が優勝やな』と。堂々と、自分の優勝キャップをゲットしてかぶりたいです」

 強烈な輝きを放つ太陽の横で。もう一つの太陽が今、昇らんとしている。

 

 

優勝キャップをかぶり、パネルとトロフィーを手に「なんで!?」と思わずツッコんだ秋重(中央)

 

(文・写真/坂口功将)

 

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