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身長145㎝のセッターと150㎝のリベロが導いた奈良の名門・菟田野中の全国制覇。197㎝のエースとともに

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 大きいなぁ。会場で、その姿を見た誰しもがそう思ったに違いない。今年8月の「第56回全日本中学校バレーボール選手権大会」(全中/広島)で優勝に輝いた男子の菟田野中(奈良)は身長197㎝の文字どおりの大エース、堀江亜汰琉がひときわ目を引いた。大人も顔向けのサイズと圧倒的なパフォーマンスは驚きのひと言だったが、同時に印象的だったのは2人のチームメートである。

 

 

抜群の反応と俊敏性でボールを拾い上げたリベロの呉竹(左/くれたけ・とうま/菟田野中〔奈良〕2年/身長150㎝/最高到達点255㎝)

 

 

 セッターの中島大和とリベロの呉竹刀磨。ともに2年生そして、身長は中島が145㎝、呉竹は150㎝。根も歯もない表現になってしまうが、バレーボール選手としては明らかに「小さい」。堀江が横にいると、なおさらだ。

 かといって、小さいことが「不能の要因ではない」とは漫画作品『ハイキュー!!』でも知られた言葉。実際、菟田野中の2人は司令塔そして守護神としてチームを日本一に導いてみせている。

 堀江の攻撃力は言うまでもないが、トランジションアタックの起点を何度もつくったのは呉竹のレシーブだ。「決勝はうまくいかなかったけれど」と言うが、「全部のボールを手に当てるつもりでした」と相手に決定機を与えなかった。

 

 

体全身を使って高くトスを上げたセッターの中島(左/なかじま・やまと/菟田野中〔奈良〕2年/身長145㎝/最高到達点250㎝)

 

 そうしてボールを拾い上げると次は中島の役目。決勝を終えて「めっちゃ疲れました…」とこぼしたとおりにコート上を縦横無尽に走り回り、「トスとスパイクがどんぴしゃで合ったときがいちばん楽しい」という瞬間を求め続けて、エースへ託す。その2本目のボールは、準決勝で対戦した清風中(大阪)のセッター久原暖が「どこからでも精度の高いトスを上げる。すごかった」と語ったほどだった。

 そうして優勝の立役者となった中島は大会を終えて、力強く口にした。

 「自分は体が小さいけれど、ほかの小さい選手たちに勇気を与えられる存在になりたいです」

 “小さな巨人”はアタッカーだけにかぎらず。存在感もハートも大きなセッターとリベロが、そこにはいた。

 

 

それぞれの役割を果たし、大会ナンバーワンエースの堀江(右)をお膳立てした

 

(文・写真/坂口功将)

 

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