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男子日本代表2026

一ノ瀬漣×税所蓮嘉(鎮西高) 進化しすぎてスパイクがアウト!? 日本代表、エースとして成長した夏を経て連覇が懸かる国スポへ

  • 高校生
  • 2026.10.10

第80回国民スポーツ大会(少年男子)が10月11日(日)~14日(水)に新青森県総合運動公園 マエダアリーナ(青森)で行われる。前回大会王者の熊本県(鎮西高単独)は、インターハイ準優勝の一ノ瀬漣と税所蓮嘉が攻撃の軸。この夏場には、日本代表Bチームの一員として南米合宿を経験した一ノ瀬だけでなく、2年生エースの税所らも力をつけてきた

 

 

税所蓮嘉(左)と一ノ瀬 漣

 

 

お互いの成長を感じた

準優勝のインターハイ

 

――お二人の対談は優勝した昨年のインターハイ以来。それぞれの成長は感じますか?

一ノ瀬 (今年の)春高が終わってから夏までの期間での成長は、税所を見ていてもそうですし、自分でも感じます。やっぱりその期間は、選手一人一人が成長するなと思いました。

 インターハイでの税所はディフェンスがよく、レセプションもまったく崩れることなく終えていました。入学したころからパンチ力はありましたが、サーブの精度もさらに上がってほんとうにすごかったですね。

 

税所 うれしいです(笑) サーブについては自分でも成長したと思っていて、特に決勝(対清風高〔大阪〕)で発揮できたことはよかったです。トスを上げてから打つまではリラックスして、ヒットする瞬間に思いきり力を入れる意識で打ったらいいサーブが入ったので、それをずっと継続するようにしていました。

 決勝でも準決勝(対駿台学園高〔東京〕)でも同じ高さで、同じ強いスパイクを打ち続けている(一ノ瀬)漣さんの姿を見て、やっぱりすごいなと思いました。駿台(学園高)戦では、1セット目を取られましたが、漣さんに(トスを)集めれば全部決めてくれる思いもありました。3セット目に後ろから上がったトスを決めてくれたのも、漣さんだからできること。どんなトスでも打ちきるという意味では、去年のインターハイ以上に決めていたと思います。

 

――第3セット8-4、税所選手がつないだ二段トスを、一ノ瀬選手がインナーに打ちきった場面ですね。あのプレーから一気に会場の雰囲気が変わりました

税所 先生(宮迫竜司監督)にも二段トスは(ネットに)寄せろと言われていたので、その意識で上げたらキレイに上がって。トスを上げたあとにすぐ後ろを見たら点が入ったので、「おー、やった!」って(笑)

 

一ノ瀬 トスがよかったと思います(笑)

 今年の春高で悔しい思いをしていたので、ずっと「2年生のころよりもっともっと成長しないといけない」と感じていました。成長している手応えは、練習試合や大会を重ねてもあります。

 その要因は、日本代表で活動して、トップレベルをずっと感じていたことが大きいです。向こうで通用しなくて、試行錯誤しながらやっと通用できるようになったことは、こっち(高校)に戻ってきたら当然通用するので。レベルの高い環境でプレーさせてもらうことで、いちばん成長できたと思います。

 

 

インターハイではともにチームを引っ張った#3一ノ瀬と#6税所

 

 

――最終日は準決勝、決勝とともにフルセットになりました。インターハイで印象的な試合はいかがですか?

一ノ瀬 やっぱり駿台戦ですね。1セット目は打つところにレシーバーがいましたが、2セット目からは(鎮西高の)ライト側の攻撃が多くなって、ブロックも1枚、2枚になることが増えたので。そこでうまくコースを抜いたり、2セット目から緩急をつけたスパイクがハマってよかったです。駿台と戦ってみて、去年(の鎮西高)よりもディフェンス面は上なのではないかと感じますし、攻撃も下回っているわけではないと思いました。

 

税所 自分も駿台戦です。1セット目を取られて、いつもであればそこから落ちていってしまいますが、それぞれの勝ちたい気持ちが強かったと思います。相手にデータを取られているなかで、漣さんもただ打つだけではなくて軟打も入れたり、二段トスをレフトと思わせてライトに上げたり。一人一人がそういった工夫したプレーができていたので、相手もやりづらくて勝てたのではないかと思います。

 

――清風高との決勝はフルセットの末、第5セットは13-15で及びませんでした。接戦をものにするには何が必要だと思いますか?

一ノ瀬 決勝に関しては、サーブがいいほうがセットを取る印象があります。1セット目を大差で取りましたが、2セット目は自分たちがサーブレシーブで崩れてしまいました。それがないように、気持ちの面でももっとブレないようにしたいです。

 最後は自分たちのミスも出ましたが、それがなければ勝てたゲームだと思います。最後、決めきるべきときに決めないといけない、とあらためて思いました。

 

税所 一人一人の小さなミスで負けてしまいました。宮迫先生、畑野先生(久雄前監督)もずっと言っていたことですが、練習からその1本で負けたという考えで臨まないと、インターハイのような悔しい思いをしてしまいます。練習から一本一本を大事にしていきたいです。

 

一ノ瀬不在の間に

それぞれが自覚を持って

 

――8月下旬には一ノ瀬選手が日本代表Bの一員としてアルゼンチン、ブラジルに南米合宿へ。チームは同期間に開催される国スポ九州ブロック大会に向けて、一ノ瀬選手以外のメンバーで強化を図りました

税所 絶対に決めてくれるエースがいないなかで、(国スポの)九州ブロック大会に臨みました。初めて試合に出る1年生のことも気にしながら自分のプレーにも集中しないといけない難しい試合でしたが、1年生が思った以上に活躍してくれました。自分も大事なところで上がってきたトスを決めきれたので、(勝てば本戦出場が決まる)長崎県戦も勝てたと思います。

 漣さんがいないなかで、練習試合では宮迫先生(竜司監督)に「お前が決めないと勝てない」と言われていました。ほかのメンバーも、「漣さんがいないから負けた」と言われないように練習をして、その成果が結果にも出たので、みんなでよかったね、と話しました。

 

一ノ瀬 (大村工高中心の)長崎には、九州新人(2月の九州高等学校新人大会※)で自分がいないなかで大村(工高)に悔しい経験をしたと思います。今回はそのリベンジができたのもよかったと思います。これで国スポも連覇を目指せるので、みんなにはほんとうにありがとう、という気持ちです。

 これまでと比べてライトやセンターも含めた攻撃の幅が増えたと思いますし、特にライト側の決定率がインターハイより上がったと思います。

※準決勝で対戦し、一ノ瀬がインフルエンザで不在のなか接戦を繰り広げたが、1-2で惜しくも敗戦。大村工高は優勝した

 

 

8月には駿台学園高など強豪校との練習試合で力をつけた税所(左)

 

 

――帰国後の一ノ瀬選手の成長を、税所選手はどう感じていましたか?

税所 漣さんが帰ってから初めてスパイクのコンビ練習をしたときはめっちゃ高くて。練習試合では相手のブロックのかなり上から打っていました。海外ではこういう高さでプレーしないといけないんだな、と思いました。

 

一ノ瀬 アルゼンチン代表と親善試合をしたときは、相手のギアの入り方も全然違ったし、特に(アグスティン・)ロセル選手はブロックの移動がほんとうに速かったです。間が空いたと思っても、手が出てきてワンチをかけられたり、かたちもすごかったです。でも、それがあったから、ブロックでワンタッチを狙ったり、タイミングを速くして打つことも吸収して帰ってくることができました。

 ただ、高校に戻ってきたときにブロックの指先を狙って打ったら、見事にアウトだったので(笑) その調整は難しかったですね。

 

税所 全然上から打っていましたね(笑) 1ヵ月ぐらいそういう高い人のスパイクを見ていなかったので、一発目に見たときは「え?」と思いました。

 でも、一緒に戦うチームメートなので、最終的には支え合って春高で優勝することが目標です。ライバル意識をしっかり持たないと、仲よしこよしだけでやっていたら日本一は獲れません。今の段階では漣さんが圧倒的にうまいチームですが、漣さんにライバル意識を持ってもらえるように成長していきたいです。

 

一ノ瀬 去年のチームだったら将大くん(岩下〔順天堂大1年〕)や秀くん(大石〔福岡大1年〕)のスパイクの火力が高いなかで、「自分も負けないぞ」という気持ちでどんどん成長することができました。そう言ってくれるのはうれしいです。

 

税所 やっぱり寮も一緒だし、ごはんを一緒に食べに行ったりもするので。バレーでも心強くて、帰ってきてくれたらうれしいです。

 

一ノ瀬 税所はプレー中も学年関係なく指摘できるので、自分は言えない分、助かっている部分もあります。キャプテンシーもあるし、来年も何も気にすることなく頼めるな、と思います。

 

税所 まあ…、うれしいです(笑)

 1年生のときから全国大会に連れて行ってもらって、2年生では誰よりも関わる機会が多いです。自分がふざけて漣さんに何かちょっかいをかけても、それを嫌がらずに笑って対応してくれて(笑) ほんとうに優しい先輩だと思います。それは漣さんだけではなくて、(平川)陽翔さんや(山崎)孝大さんもそうです。3年生はほんとうに接しやすくて優しい人たちが多いです。

 

一ノ瀬 それはたぶん、去年の3年生がこういう環境をつくってくれたからだと思います。自分たちもやりやすかったですし、今は1、2年生も同じような感じできているので、ほんとうにやりやすいです。当時の3年生にはほんとうに感謝しています。

 

 

昨年度に続き、学年を超えた仲のよさもチームのカラーに

 

 

――国スポはどんな大会にしたいですか?

一ノ瀬 どちらも勝ち上がれば準決勝で東山(京都府)と戦えます。しっかり一つずつ勝ち上がって、今年の春高(準々決勝)からどっちがどれだけ成長したのかを確かめたいです。

 ずっと言っているとおり、狙っているのは春高の優勝ですが、インターハイでは2位になれました。国スポでもまずはベスト4を目標に、最終的には日本一、連覇ができるように頑張りたいです。

 

税所 国スポの九州ブロック大会は漣さんがいませんでしたが、ここからはいます。漣さんがいて、九州ブロックと同じパフォーマンスを出せばどこにも負けないと思っています。漣さんに負担をかけないように、本戦でそのときのパフォーマンスを出せるようにもっと練習したいです。自分はレギュラーとして東山と戦うのは初めてですが、そこを倒して、決勝では大阪(清風高単独)にインターハイのリベンジができればと思います。

 

取材/田中風太(編集部)

写真/中川和泉、編集部

 

一ノ瀬 漣

いちのせ・れん/身長192㎝/最高到達点338㎝/大和中(佐賀)出身/アウトサイドヒッター

 

税所蓮嘉

さいしょ・れんが/身長187㎝/最高到達点337㎝/山之口中(宮崎)出身/アウト

サイドヒッター

 

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