高校生たちがシューズ開発の現場を体験。西田有志は「興味を持つことがプレーヤーとしても大事」とエール【METARISE 2 – TRY! ASICS!】
- 高校生
- 2025.05.12
スポーツ用品メーカーのアシックスは、高校生の男子トッププレーヤーを対象にしたイベント「METARISE 2 – TRY! ASICS!」を1月25日に実施。当日は全国各地から集まった選手12名が参加した。
イベントが実施された「アシックススポーツ工学研究所」
最先端の場所で知見を得て、今後の競技生活に生かす機会に。バレーボール男子日本代表を長年サポートするアシックスが実施した、今回の「METARISE 2 – TRY! ASICS!」のねらいだ。
イベントが催されたのは兵庫県神戸市に構える「アシックススポーツ工学研究所」。アシックス製品の開発に際して素材の研究や動作分析を行うための施設であり、トップアスリートでさえ訪れる機会はほとんどないという。そんな特別な場所で今回は学生プレーヤーたちへ、男子日本代表の西田有志(大阪ブルテオン)を筆頭に多くのトッププレーヤーたちが着用しているバレーボールシューズ「METARISE 2(メタライズ2)」を通して製品開発の過程に触れると同時に、実際に着用してプレーする機会が実現したのである。
施設に到着した高校生男子12名はエントランスでさっそく、アシックスのブランドスローガン「Sound Mind,Sound Body」を表現したオブジェに驚きの声。この日は週末のため稼働はしていなかったものの、工作機械などがずらりと並んだ研究開発の部屋など施設内を見学した。
施設内でオブジェの説明を受ける参加者たち。この時点から気分も高揚した様子
イベントではまず、アシックススポーツ工学研究所の主任研究員によるシューズ開発の背景や「METARISE 2」の機能説明をまじえた勉強会が行われた。そこでは参加者全員に「METARISE 2」が提供され、アドバイザリースタッフ契約を結ぶ西田選手から「自分の足に合ったシューズを着用してもらうことはもちろん、こうした機会を通して“自分のパフォーマンスが上がりそうだ”と感じたら、ぜひ着用してみてください」という動画メッセージが贈られた。
そうして、今回のイベントの肝である「足形計測」と「動作分析」のパートへ。
「足形計測」は両足の長さをはじめ、甲の高さやかかとの幅など細かな部分までの実数値を明確にするもの。それらの数値を踏まえて自分の足に合ったシューズを着用することでパフォーマンス向上やケガの防止につなげる意図があり、実際に男子日本代表も活動に際してまずはこの測定から行っているという。
今回、測定を行った結果、実に参加者の半数近くが自身の想定していた足のサイズと開きがあり、「思ったよりも(自分の足は)小さかったです」という声がちらほら。そこでは研究員たちが一人一人に対して、数値や足形をもとに適切なシューズの選び方などをアドバイスしていた。
まずは自分自身の体を知ることから。足形計測を通して、その大切さを体感した
一方の「動作分析」はスパイク助走時の踏み込みからジャンプの動作までを複数台のカメラで撮影し、モーションキャプチャーを用いて解析するもので、シューズ開発において西田選手もこの作業に協力している。こうした動作分析をまじえながら開発された「METARISE 2」は前モデルから比較して約2㎝の跳躍力アップが実証されており(※)、その数字はシューズの特徴の一つを明確に表すものに。今回、参加者たちも実際に「METARISE 2」を着用し、スパイク動作を行った。
※アシックススポーツ工学研究所調べ。
数値は被験者10名(大学男子バレーボール部)の平均値であり、効果には個人差があります。
そうして最後には施設内にある体育館へ移動し、スパイク体験のほかミニゲームを実施。参加者たちは「METARISE 2」の使用感を味わいながら、ボールをつないでいた。
「METARISE 2」を着用して実際にプレーする参加者たち
イベントの最後には再び動画メッセージで西田選手が登場し、「こうした機会を通して、いろんなことに興味を持つことはプレーヤーとしてとても大事です」とアドバイス。「この先、日本代表でともに戦ったり、SVリーグで対戦することが必ずあると思うので、そのときは一緒に楽しんでバレーボール界を盛り上げていきましょう」というエールに参加者たちの目もキラリと輝く。
また、アシックスと契約しているフランス代表オポジットのジャン・パトリも「METARISE 2」を手に、動画内で「このシューズにはたくさんのテクノロジーが詰まっていて、ジャンプ力を高めてくれることはもちろん、足と一体となった履き心地が素晴らしいので着用を強くお薦めします」とアピール。加えて「喜びや楽しさを感じながら、すべてのことに取り組んでください。その喜びがあなたのトライを成功に導くでしょう」とパリオリンピック金メダリストそしてトップ選手としての言葉を授けた。
動画で登場した西田選手は学生プレーヤーたちへ熱いメッセージを送った
トータル約3時間のイベントを終え、参加者たちは「楽しかったです」と口をそろえた。そのなかの一人は「この『METARISE 2』を履くのは初めてでしたが、これまで履いていたシューズと比べると踏み込みからジャンプへスムーズに移ることができているのを感じました」とコメント。とりわけ「METARISE 2」の特徴の一つである、ソール内に搭載されたカーボンプレートの反発力を実感したそうで、「自分のジャンプをアシストしてくれるので、跳びやすかったです」と語った。
さらに参加者たちにとっては最新モデルに触れるだけでなく、「足形計測」では自分の体を知るきっかけにも。参加者から聞かれた「今後も『METARISE 2』を履いてみたいですし、今後シューズを選ぶ際にも今日の学びが生かせると思いました」という言葉は、今回のイベントのねらいそのものだった。
トップ選手たちから信頼を集めるシューズの開発にまつわる背景や過程を体験することは、学生たちにとって新鮮そのものであり、有意義な時間となったに違いない。
参加者からは「この学びを生かして、いいプレーにつなげたい。『METARISE 2』を履いて、トップのステージで活躍できる選手になりたいです」という意気込みが聞かれた