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春高2024

月バレ!ザ・ワールド/vol.6-ブルーノ・レゼンデ-

  • 編集部取材
  • 2020.04.11

 ハロー!! 月バレ編集部のGUCII(グッチー)です。クラブシーズンも望まぬ結果で終わった国もあるようですが…、来シーズンにむけて様々な動きが見られます。その中でも話題を集めたのが、レジェンドプレーヤーの動向。今回は誰もが知っているセッターの軌跡をあらためて紹介。(Photo:FIVB

 それではご一緒に。月バレ!ザ・ワールド!

GUCIIの 月バレ! ザ・ワールド】vol.6

■“生きる伝説”ブルーノ・レゼンデがイタリアに別れ。次なる挑戦は母国で

 ブラジル男子代表のブルーノ・レゼンデがSNS上で、飛行機に搭乗する自身の写真を公開した。おそらくは4月10日の晩と思われる。プレーするイタリア・セリエAの2019/20シーズンが新型コロナウイルスの感染拡大を受けてシーズン途中での中止が決まってまもなく、ブルーノは母国ブラジルへの帰路に着いた。それは同時に、イタリアとの別れを表していた。

Bruno Rezende<ブルーノ・レゼンデ/身長190㎝/最高到達点323㎝/セッター>

バレーボール大国ブラジルのアイコン

 

 フルネームはブルーノ・モッサ・デ・レゼンデ。“ブルーノ”“ブルニーニョ”の愛称で親しまれるブラジル人セッターだ。

 

 2000年代に高速立体コンビバレーで世界のバレーボールシーンを席巻したブラジル男子代表監督、ベルナルド・レゼンデを父に持ち、ブルーノ自身も12歳からブラジルのユースチーム、フルミネンセでキャリアをスタート。16歳からブラジル・スーパーリーグのフロリアノーポリスでプレーし、リーグタイトル獲得を果たすと、2011年4月にイタリア・セリエAの名門モデナに途中加入。世界最高峰リーグの一つと称されるイタリアクラブバレーボールの地を踏んだ。

 

 併せて、ブラジル代表の一員として着実にキャリアを重ね、2010年世界選手権、2011年から2015年までの南米選手権3大会、そして2016年リオデジャネイロオリンピックのほか、数々の世界大会で優勝。昨年秋に日本で開催されたワールドカップでも金メダルを手にした。高速立体コンビバレーの操舵手であると同時に、バレーボール大国ブラジルを象徴する存在としてコートに立っている。

 

 イタリアでは2013/14シーズン途中にふたたびモデナに加入すると、2015/16シーズンにはリーグタイトルとコッパイタリア(カップ戦)の二冠を獲得。そして、2018/19シーズンからは強豪ルーベに移籍し、そこでも2018/19シーズンのリーグタイトルと2019年ヨーロッパチャンピオンズリーグ制覇を達成。同年末には自身がまだ手にしていなかった世界タイトル、世界クラブ選手権で優勝を果たした。

ブラジル男子の高速コンビバレーを操り、ワールドカップバレー2019で優勝

「新たな挑戦がここから始まります」とブルーノ

 

 そんな中、今年2月下旬にイタリアのラジオ番組でブルーノは思いを告白した。『家族や仲間を助けるために、国へ戻る』というタイトルでつづられたそのインタビューで、「今年が最後です。絶対とは言いませんが、来シーズン、ここ(イタリア)にいないことは確実です」と語ったという。そこで明かされたのが、ブラジル・スーパーリーグへの復帰だった。

 

 復帰先とされているチームはタウバテ。アウトサイドヒッターのリカルド・ソウザ(ルカレリ)やドウグラス・ソウザ、ミドルブロッカーのルーカス・サートカンプにリベロのテレス・オスらブラジル男子代表の面々が並び、現・代表監督のレナン・ダルゾットが指揮をとる。だが、財政難に陥っていることが明らかになったといい、それがブルーノに帰国を決断させたと見られている。

 

 いずれにせよ、ブルーノがイタリアでの戦いを終えたことは明らか。ルーベで2019/20シーズンのキャプテンを務めたオスマニー・ユアントレーナ(イタリア)は4月11日にSNS上で、「あなたがいなくなって寂しい。あなたは素晴らしい人間であり、私も多くを学びました。けっしてあきらめることなく、常にお手本となることを示してくれました。あなたのそばで戦い、多くを勝ち取ることができて光栄でした。幸運を祈り、そして、あなたが真の伝説であることを忘れません」とメッセージを送っている。

 

 代表でもクラブチームでも、幾多の栄光をつかんできた“生きる伝説”ブルーノ・レゼンデ。次なるミッションは、母国でその姿を見せること。冒頭のSNS上でブルーノは、このようにつづった。

 

 「神に感謝しています。私が過ごした期間で受けた愛情や敬意、そして、私が住んでいた町や敵として乗り込んだ町もほんとうに印象的でした。少しばかり恋しいですが、それらすべてが価値のあるもの。みんなに感謝しています。

 コートの内外で新しい挑戦がこれから始まります。さぁ、帰ろう!!」

ブルーノとユアントレーナ(写真右)。ともにバレーボール史にその名を刻むプレーヤーだ

◆コロナショックが直撃したイタリア・セリエAについて、現地記者によるレポートを掲載。『月刊バレーボール』5月号は4月15日(水)に発売。

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<画:大嶽あおき>

著者紹介:GUCII(グッチー/坂口功将)。2016年春入社。月バレ編集部に配属後、本誌で『WORLD VOLLEYBALL NEWSPAPER』、「月バレ.com」では『WEEKLY SERIE A』を担当。2018年は世界選手権の男女両ファイナルを取材した唯一の日本人記者という称号を獲得し、昨年はネーションズリーグ男子ファイナルラウンドの取材のため単身でシカゴへ。だが、英語が特に話せるわけではない。

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