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全日本インカレ5連覇の早稲田大に前田凌吾、畑虎太郎ら7人が入部 前田「チームを勝たせる選手に」

  • 大学生
  • 2022.04.29

4月1日、早稲田大の入学式が行われ、全日本インカレ5連覇中の男子バレーボール部に前田凌吾(清風高[大阪]出身)、畑虎太郎(福井工大附福井高[福井]出身)ら7人の新入生が加わった。先輩たちから刺激を受ける、将来が楽しみなルーキーに迫る

 

 

入学式にて笑顔で肩を組む前田(左)と畑

 

悩みさえも

楽しむ前田

 

 大隈記念講堂に響く『都の西北』を聴きながら、前田の胸が高鳴った。「いよいよ入学したんだな、と思いましたね」。優勝候補の一角として臨んだ今年の春高では初戦敗退(2回戦)に終わったが、1、2年生時は同大会のセンターコートに立った。「世代No.1」として注目を集め、常々「オリンピックで金メダルをとる」と口にしてきた司令塔。次の挑戦の場に選んだのは全日本インカレ5連覇中の王者だった。

 日本代表に選ばれた大塚達宣(4年)、そして水町泰杜(3年)ら高校時代から活躍した選手たちがそろう。「特にクイックは(清風高とは)高さが違うので、どうしてもトスが低くなってしまって。いろいろ悩んでいます」と言いながらも、「悩めるのもとても楽しい」と言うのが前田らしい。そのメンバーをどう生かすかを考えるだけで「めちゃめちゃ楽しいです」とワクワクが止まらない。

 

 代名詞の正確無比なトスは、高校時代のこだわりが生んだ。いくら体勢が崩れても、オーバーハンドパスを貫いたのは「自分の手の形をスパイカーに見せて、『(トスを)いくよ!』という意思を示したいので」。だからこそ、「アンダー(ハンドパス)は自分のトスではない」ときっぱり。練習では「いける?」「(ボール)1個分上げたで!」と一球ごとにコミュニケーションを取って微調整を繰り返し、スパイカーとともに打ちやすいトスをつくり上げた。「自分からコミュニケーションを取っています」と大学でも信念を貫く。 

 

 その姿勢はコート内にとどまらない。セッターの命ともいえる指先を常にケアし、昨年10月31日に行われた春高大阪府予選準決勝では、練習中に手袋を着用。勝てば春高出場が決まる一戦だったから、というわけではなく、なんとそれはふだんから。授業中にも欠かさず、「違うクラスの人には『なんで手袋してるん?』と思われていると思います」と笑った。高校2年生時にその習慣をはじめ、手袋は5枚。目指す姿が明確だからこそ、それもいとわない。

 

 セッターの楽しさも、そして厳しさも、すべてを教えてくれたのが元日本代表のセッターでもある、同校の山口誠監督だった。「ノーマークにしてもスパイカーが決められなかったらトスのせい。でも、ブロックが3枚ついて、スパイカーが決めたらいいトス。矛盾しているけど、それが矛盾じゃないんだ、と感じてほしい」という教えを胸に、トスワークに磨きをかけた。恩師からの言葉を胸に、次の舞台へ決意を固める。

 「『試合に出れんかったり、多分、苦しむと思う。でも、あきらめずコツコツとやって、高校のときのように少しずつ課題を潰せば、必ずいいことがある』と言われました。清風で学んだことを大学でも生かせれば、また伸びると思います。まだ分からないですが、春季リーグからしっかりと試合に出て、山口先生に安心してもらえるようにしたいですね」

 

 今年の全日本インカレで頂点に立つと、同大会の連覇記録(1997年~2002年に筑波大が成し遂げた6連覇)に並ぶ。しかし、「松井先生(泰二/早稲田大監督)もそうですが、連覇をあまり意識していなくて、全日本インカレに100%の力を持っていけるようにするのがチームの方針。日々の練習を頑張って、チームを勝たせられるような選手になりたいです」と目の前の課題に集中する。

 自身も、そして周囲もワクワクするトス回しで、目標へ駆け上がる4年間にする。

 

 

強力スパイカー陣に

刺激を受ける畑

 

 その前田が、「大学で一緒にやろう」と声をかけたのが畑だ。中学3年生時に全日本中学生選抜に選ばれ、高校では1年生時から春高を経験。広角に打ちわける鋭いスパイクを武器に、3年生時のインターハイではチームをベスト8に導いた。早稲田大への入学を決めたのは、中学3年生時に同選抜で共にプレーした前田の誘いはもちろん、以前からの憧れが強かった。

 「石川祐希(ミラノ[イタリア])さんが大学4年生(2017年)のとき、早稲田がインカレで優勝しました。喜入(祥充/サントリーサンバーズ)さんや加賀優太さんがとても楽しそうで、かっこよかったです。僕自身も楽しんでバレーボールをするタイプなので、中学2年生だったそのときから早稲田に行きたいと思っていました」

 入学前からそうそうたるメンバーと練習をともにし、「3枚ブロックがついたときに、ブロックアウトを狙ってしっかり打ちきれている人がとても多いです。僕はそれが少し苦手なので、まねしようと思いました」とヒントを得る日々。中でも「(水町)泰杜さんはものすごいパワーで、打球のスピードがめちゃくちゃ速い。トスへの対応力もすごく高いです。また、(山田)大貴さんは、日本代表のような高さ(最高到達点345㎝)を感じて、僕もそれぐらいになれたらと思います」と目を輝かせる。

 

 そんなオールスターともいえるスパイカー陣に、割って入る存在を目指す。

 「自信をつける4年間にしたいです。すごい選手がいっぱいいるので、その中でレギュラーになれるとほんとうに自信がつくと思います。また、これまでは自分がチームに貢献して日本一になったことがありません。大学ではぜひ獲りたいですね」

 先輩たちの技を盗みながら、主力への階段を上っていく。

 

 2人のほかにも、高いブロック力を武器に、昨年はチームを3年ぶりのインターハイ出場に導いた板垣慧(洛南高[京都])、昨年の春高都予選でベスト4入りした早稲田実高(東京)のサウスポー赤坂侑哉らが入部した。

 前田は春季リーグ戦初戦からスタメン出場し、チームは現在4連勝を飾っている。

 

文・写真/田中風太

 

 

 

(前列左から)赤坂侑哉(179㎝/オポジット)、山﨑銀二(168㎝/セッター/早稲田大学院高[東京])、横山颯大(169㎝/アウトサイドヒッター/早稲田実高[東京])、(後列左から)畑虎太郎(187㎝/アウトサイドヒッター)、前田凌吾(178㎝/セッター)、梶村颯汰(181㎝/アウトサイドヒッター/安田学園高[東京])

※カッコ内は左から身長、ポジション、出身校。板垣慧(187㎝/ミドルブロッカー)は撮影時不在

 

 

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