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春高2024

東山、先輩たちへの恩返しのためにも「必ず日本一を取りにいく」

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  • 2021.06.04

 2021年度のバレーボール男子日本代表メンバーに名を連ねる髙橋藍(日本体大2年)が主将を務め、「高速立体コンビバレー」を強みに春高バレーで初優勝を飾った2019年度。当時1年生だった選手たちが最上級生となり、再び全国制覇を成し遂げるべく奮闘する東山(京都)を、新チームとしての形が見え始めた4月に訪問した。

 

「目標は当然、全国制覇です」(辻本主将)

コートに立てるうれしさと誇りを胸に、日本一への新たな挑戦

 

 新型コロナウイルス感染症が猛威をふるう中、昨年度唯一開催された全国大会「春の高校バレー」。大会連覇が期待された東山だったが、チーム内に発熱者が発生したことを受けて、無念の途中棄権となった。誰にも非がないからこそ、増す悔しさ。その現実を受け止め、今年も、新チームが始動した。昨年度、悲願達成を成し遂げられなかった先輩たちへの恩返しの気持ちも込めて――。東山は再び「日本一」を目指して日々の練習に取り組んでいる。

 

 今年キャプテンを任されたのは、リベロの辻本怜要(3年)。小学校、中学校時代もキャプテンを経験しており、高いキャプテンシーで新チームを率いている。豊田監督から主将のオファーがあったというが、「伝統ある東山で、自分がキャプテンをして日本一を取りたいと思い、キャプテンをやらせていただくことになりました。新チームでミーティングをした時に、“昨年の3年生たちの分も、必ず日本一を取りにいこう”という話をしました。今年も当然、全国制覇が目標です」と、意気込みは十分だ。豊田監督も、「リーダーシップを持ってチームをけん引してくれている」と、辻本への信頼を言葉にする。

 

 

 とはいえ、昨年度、春高バレーの優勝候補筆頭にあげられた東山の主力メンバーを務めたのは、当時の3年生たち。新チームとなりレギュラーメンバーが総入れ替えとなる中、監督も選手も、当初は不安があったという。しかし、「最初は、不安などいろんな要素があってチームがうまく噛み合っていませんでしたが、練習試合などを通して少しずつ自信がつきました。また、その中で自分たちが目指すバレーが決まってきたので、目標にたどりつくまでの過程を一人一人が頭の中で作れるようになったことで、チームがまとまり始めたのかなと思います」(辻本主将)と、新チームは日々、着実に成長を続けている。

 

 3年間の中でメンバー構成が変わる高校バレーでは、その年のチームでしか作り出せないカラーが、きっとある。特に今年の選手たちは、高身長の選手が多く、身長206センチの麻野堅斗(2年)や192センチの横江啓吾(3年)など、ミドルブロッカーの層も厚い。

 また、セッターには、中学生時代にJOC杯でベストセッター賞を受賞し、全日本中学生選抜のセッターとしても活躍した當麻理人(2年)、リベロには、主将の辻本や、JOC杯のベストリベロである池田幸紀(2年)など高い技量を持つ選手たちが揃っており、「伸びしろしかない」と、豊田監督。能力の高い新入生も含めて、全国大会へ向けてどう焦点を合わせてくるか、どんなチームカラーになるのか。期待は膨らむばかりだ。

 

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高さを生かした高速立体コンビバレーで魅了

組織的な守備・攻撃の強化に励む

 

 東山の代名詞といえば、「高速立体コンビバレー」だろう。ミドルブロッカーの存在感を見せつけ、決定力のあるアウトサイドヒッターやオポジットの決定力を生かしながら随所でバックアタックを絡めて多彩な攻撃を展開。堅実な守備からスピーディーな攻撃で相手ブロックを翻弄(ほんろう)し得点を重ねる姿に、観客は魅了される。今年も、高速立体コンビバレーの強化に取り組んでいる東山だが、豊田監督は「これだけサイズのある選手たちがテンポの速いバレーをやっていけば、今まで以上におもしろくなるのではないでしょうか」と、望みを語る。

 

 理想とするバレーの実現に向けて、キーマンとなるセッターの當麻は、「レベルが高いので、自分自身もやっていて楽しいですし、やりがいを感じます。中学校とはトスの速さも全然違いますし、速さの使い分けをしていく中で、攻撃のバリエーションも増えました。高速立体コンビバレーは少しずつ形になっているとは思いますが、まだまだ完成形ではないので練習していきます」と、目を輝かせる。「離れたところからでもクイックを使える自分の強みを生かしつつ、バックアタックの使用率も上げていきたい。自分のトスで、優勝したいです!」と、その気迫でチームに活力を与える存在でもある。

 

 

 また、高速立体コンビバレーに取り組むにあたり、サーブレシーブの安定や切り返しの攻撃を展開するための守備力も大事になってくるが、「今年はサイズが大きい選手たちが多いとはいえ、守備力だけは絶対に譲れないところです。サーブレシーブは課題ですし、ディグは特に、その技量を生かすも殺すもブロック次第。ブロックの整備も大事になってきます。ブロックなどは、松永コーチも作りあげてくれている中で、これから組織力ができてくる。抜けてきたボールのレシーブなどを鍛えていけば、すごく魅力のあるチームになっていくと思います。全体的に高さがあるので、どのローテになっても、ある程度まんべんなく高さのあるブロックを目指したいですね」と、豊田監督。東山の持ち味である堅実な守備力の、さらなる強化に励んでいる。

 

 

やっとの思いでユニフォームを手にした3年生

最後の一年に懸ける思いの強さがチームを強くする

 

 ムードメーカーでもあり、得点源としての活躍が期待される佐々木達郎(3年)は、「1年生でメンバーに選ばれた時は、まだ技術もなく補欠でした。ですが、その時から“明るく元気に、笑顔を大切に頑張っていこう”という思いはあったので、そこは今に生きていると思います。チーム全体に活気があるので、負けないように頑張っています」と、笑顔を見せる。コートに立てない悔しさを抱えながらも、自分らしさを磨き上げ、前へ進む力に変えてきた3年間。やっと巡ってきたチャンスをものにすべく、そして何より、日本一を目指せるチームを築き上げるべく、最上級生たちは前を向いている。

 

 

最初は歯車が嚙み合わなかった新チームも、やっと、これまでの先輩たちが率先して作ってきたようないい雰囲気を作り出せるようになってきた。特に3年生は、高い実力を持つ先輩たちが主力メンバーとして活躍してきた中で、なかなかユニフォームを着ることができなかった選手も多い。「3年生として、ラスト1年に懸ける思いは絶対に誰にも負けてはいけないと思います。強い気持ちでチームを引っ張っていきたいです。まずは京都府予選で洛南を倒して、そこからもう一度、全国の舞台で日本一をつかみ取るために戦いたい。そこが、チームの目指している場所です。昨年の3年生たちに恩返しするためにも、僕らが必ず頂点を取りたいと思います」(辻本主将)。

 

 思いは、伝染する。志の高い選手やスタッフが集い、日本一を目指す東山。インターハイ初優勝、そして、1年半前の春高バレーで初めて見ることができたあの景色を、あの感動をもう一度――。悲願達成へ向けて、日々、「不屈の闘魂」を燃やし続ける。

 

 

東山高校(京都)

■「信頼 団結 闘志 不屈の闘魂」を掲げ、豊田充浩監督が指揮を執る。「高速立体コンビバレー」を代名詞に、松永理生コーチを迎えた2019年度には春高バレーで初優勝を飾った。卒業生には、2021年度バレーボール男子日本代表に選ばれ、活躍が期待される髙橋藍などがいる。

 

 

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