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NEC内定の廣田あい(文京学院大女高) 春高を逃した悔しさはVリーグで

  • 高校生
  • 2021.12.28

 

2022年1月5日(水)に開幕する第74回全日本高等学校バレーボール選手権大会(春の高校バレー)の出場は逃したものの、予選で全力を尽くした選手たちを紹介する「次の勝者たち」。世代を代表するスパイカーの一人として文京学院大女高(東京)を引っ張ったが、春高を逃した廣田あいは、NECレッドロケッツに内定。その悔しさはVリーグで晴らす

取材/田中風太 撮影/松村健人、田中風太

 

 

 うれし涙を流す下北沢成徳高の選手たちを背に、文京学院大女高の選手たちの目から涙があふれた。春高への最後の出場権を懸けた3位決定戦で、フルセットの末に逆転負け。中でも責任を感じていたのが、エースでキャプテンの廣田あいだ。得点源としてチームを牽引したが、勢いに乗ったインターハイ女王を止められず。「今まで自分たちを信じて思いを託してくれた仲間や、応援してくださった方々に申し訳ない。自分が情けないです」と声を振り絞った。

 

 

3位決定戦で下北沢成徳高に敗れ、うつむく廣田(左から2番目)

 

 最高到達点は3m9㎝で、これはVリーグを見渡しても日本人トップクラスの数値。吉田岳史監督も「高いときはほんとうに高い。コンディションがよくなったら3m11㎝にも届くと思います」と話すほどの跳躍力だ。その身体能力を生かし、1年生時には第16回女子U18世界選手権大会にも出場。今季はミドルブロッカーからアウトサイドヒッターに転向し、高い打点から幅広いコースに打ち分けられる、世代を代表するエースの一人だった。

 ポテンシャルは高いものの、控えめだった廣田にとって、転機となる敗戦があった。6月のインターハイ予選最終日。上位2校が出場権をつかめるベスト4チームによるリーグ戦で、勝敗数で並びながらも、得点率差で3位に終わった。優勝、準優勝校のキャプテンとともに、うつむきながら表彰式へ。「自然と涙が出ました。あと少しのところで勝敗が決まって、あと一点をあの場面で決め切れられていたら、って…。悔しかったです」と振り返る。

 その思いは、チームを引っ張る原動力に変わった。春高の代表決定戦を控え、「1年生のときから試合に出ていて、自分が常にチームの先頭に立たないといけません。まだできているとは言えないですが、どんな状態でも打ち続けたり、頼りにされるエースとしてチームを引っ張らないといけない」と鋭いまなざしで語った。

 その姿に、選手を滅多にほめない吉田監督が「悔しさを自覚に変えて頑張っていました。廣田だけは怒る気がしないんですよね。それくらいまじめで、めっちゃいい選手です」と語るほど、信頼を置く選手に成長した。

 文京学院大女中3年生時には全中を制し、東京都選抜として出場したJOC杯でも日本一に。輝かしい成績を残した中学時代だったが、高校3年生時は全国の舞台に立つこともできなかった。

「この負けを絶対に忘れてはいけないし、次に生かさないといけない。自分たちのバレーボールに対しての考え方や向き合い方が間違っていたと試合を通して改めて実感することができました。バレーを続けるメンバーも、続けないメンバーも、この経験を意味のある負けにしないといけないと思います」。

 廣田には、悔しさを晴らすチャンスが待っている。NECに内定し、卒業後はVリーグへ。「食事やトレーニングなど、自分の体を管理できるようになって、どんな場面でも決めきれる、チームを引っ張る強い存在にならないといけない。技術面だけでなく、精神面でも幅広くチームに貢献できる選手になりたいです」。この敗戦を踏み台に、さらに高く跳び上がる。

 

 

得点を決めると弾けるような笑顔を見せた。Vリーグでもその表情を見せられるか

 

 

廣田あい

ひろた・あい/3年/アウトサイドヒッター/身長175㎝/最高到達点309㎝/文京学院大女中(東京)出身

 

 

 

  • インターハイ2021

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