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5季ぶりV逸、1部昇格への挑戦。富士通が向き合った「楽しむこと」の本質〔前編〕

  • 編集部取材
  • 2022.05.27

<在籍2季目の⑭谷平拓海も台頭し、2021-22シーズンはレギュラーとして貢献>

 

これまでとはまるで異なったシーズンを戦ううえでの胸中

 

 それまではリーグで優勝しようとも、それより上のステージがあるにも関わらず、その先に進むことはかなわなかった。だが、今は違う。21-22シーズンを前に、S1ライセンスの承認がVリーグ機構から下りた。

 

 その事実は、選手たちをさらに奮い立たせた。2014年に入部し、現在はキャプテンを務める栁田百織は21-22シーズンを戦う中で、言葉を弾ませたものだ。

 

 「やっぱり違いますよ!! V2のシーズンでの優勝を目標にしていたのが、今はV1に上がることが目標になっています。それだけで、練習中から違いますし、試合もこれまでと同じ気持ちで戦っていない感覚です」

 

 2020年に入部し、21-22シーズンからレギュラーとしてプレーする谷平拓海も「コーチやスタッフの熱量が高まったのを感じますし、僕たちと同じ気持ちなんだな、って。その思いに対して、選手として応えたいと思うようになりました」と話している。

 

 となると、試合での結果自体の捉え方も変わってくる。21-22シーズンは5連覇がかかっているとはいえ、そもそもV2の上位2チームに入れなければ、V・チャレンジマッチへ進むことができない。V1昇格など、まさに絵に描いた餅、になってしまう。

 

 また、V1のチームとの対戦機会も同様だ。Vリーグのシーズン中でいえば、天皇杯がカテゴリーをまたいで戦う場所となるのがもっぱらだが、昨年12月のファイナルラウンドを1週間後に控え、栁田はこのように語っている。

 

 「以前は、口には出さないけれど、どこかみんな『V1のチームには負けてもしかたがないよね』という空気があったと思うんです。でも今は目標がV1である以上、その相手に勝つことを目指して臨みたい。出場することが記念になる大会ではなく、そこでいい結果を残したいですよね」

 

<これまでとは異なる心持で天皇杯ファイナルラウンドに臨んだ>

 

 だが、迎えた大会本番。1回戦の関西大(大阪)には難なく勝利を収めたが、続く2回戦の相手はV1のJTサンダーズ広島。富士通は第3セットこそジュースに持ち込んだものの、終わってみればストレート負けを喫する。

 

 「最後はJT広島も主力をベンチに下げていましたから、それならば取り切るところまでいきたかったですね。いい雰囲気で試合への準備もできていましたが、いざ自分たちのサーブミスがとにかく多かった。ミスして、次は入れなきゃ、そしてミスをする。負のスパイラルでした。

 それに、“富士通らしさ”を出せなかったと感じています。お客さんを盛り上げるよりも、自分たちが慌てふためかないために、パフォーマンスをしていた。見ている方々に楽しんでもらえなかった、そんな気がします」

 

 試合後に吐き出した栁田キャプテンの言葉は、これまでチームが経験したことがない感覚にあったことを表していた。

 

【後編】はコチラ

<JT広島を相手に果敢に攻めた④栁田だったが…>

 

(文・写真/坂口功将〔編集部〕 写真〔天皇杯〕/中川和泉〔NBP〕)

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