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春高2024

インターハイ優勝・東山高が単独チームの京都府ら熾烈なV争い 身長190㎝台がそろう愛知県も注目【とちぎ国体少年男子注目チーム】

  • 高校生
  • 2022.10.07

第77回国民体育大会(国体)が10月7日(金)から10日(月・祝)に栃木で行われる。3年ぶりの開催で、選手たちにとっては初めての舞台となる今大会の、注目チームを紹介。インターハイ上位校や規格外の大型チームなど、今季2度目の全国大会も熱戦の予感が漂う

 

インターハイで初優勝を飾った東山

 

東山が単独チームの京都府 インターハイに続く頂点なるか

 

 インターハイで初優勝し、目標である三冠への一歩を刻んだ東山高。その単独チームで臨む京都府は、松永理生監督が「春高でチームの完成形を見るには、チャレンジが必要」と2つ目のタイトルに向けてさらなる進化を図る。

 

 エースの尾藤大輝(2年)を第14回アジアU18(ユース)男子選手権大会で欠いた国体近畿ブロック大会では、大幅にポジションを配置転換。高校生では今年度唯一日本代表に選ばれた身長207㎝のミドルブロッカー麻野堅斗(3年)をアウトサイドヒッター花村知哉(2年)の対角に、尾藤が入っていたセッター対角には勝山翔太(3年)を据えた。公式戦初出場の守屋徒輝(1年)も力を発揮。初戦は和歌山県にストレート負けを喫したものの、代表決定戦で兵庫県にストレート勝ちし、本戦出場を決めた。

 

 麻野が後衛でリベロと交代しないローテーションもあり、攻撃の厚みはさらに増す。池田幸紀(3年)キャプテンは「今あるかたちを確実なものにすれば、間違いなく(日本一を)取れる」と手応えは十分だ。

 

インターハイのリベンジへ 東福岡が軸の福岡県

 

 昨年度のスタメンから5人が替わるなか、インターハイは準決勝で前回大会王者の鎮西(熊本)に逆転勝ちし、東山との決勝へ。第1セットは序盤からセッター田代理貴(3年)を軸とした多彩な攻めが光り、15-8とリード。しかし、サーブレシーブが乱れると7連続失点を喫してセットを落とし、まさかのストレート負け。歓喜に沸く東山を見つめながら、悔し涙を流した。

 

 エースの一角を担った葭原逢太(2年)がU18日本代表としてチームを離れる間、身長199㎝のサウスポー川野史童(3年)の対角には守備の要の磯脇侑真(3年)を配置。慣れない布陣となり、藤元聡一監督が「ボールは落ちるし、打てない。ほとんど負けたんじゃないですか」と語るように練習試合では苦戦が続いた。

 

 だが、負荷をかけたことでそれぞれがパワーアップ。国体九州ブロック予選では鎮西高(熊本)が単独チームの熊本県に再び勝利し、Aパート1位通過を決めた。夏の悔し涙を力に変え、国体の頂点奪取へ燃えている。

 

東福岡の#3川野と#9葭原が攻撃を牽引

 

鎮西が単独チームの熊本県 守りを強化しエース舛本以外にも選択肢を

 

 世代を代表するエース舛本颯真(3年)を擁し、前回大会王者として臨んだインターハイは、準決勝で東福岡に逆転負け。舛本が徹底的にサーブで狙われると、「速くスパイクに入らないと、と思って雑になってしまった」と焦りが生じた。持ち味の最高到達点340㎝から打ち込むスパイクにはしつこいブロックと堅いレシーブが待ち受け、「ほんとうに打つところがなかった」と肩を落とした。

 

 舛本への厳しいマークを打ち破るためにも、セッターの平川天翔(3年)がいかにトスの選択肢を持てるかがポイント。舛本が「ブロックとレシーブの関係がまだまだ。ディグからつないでいけたらもっと得点を決められる」と語るように、粘り強いディフェンスから攻撃につなげていけるかに注目だ。

 

 ともに順当に勝ち上がれば、準決勝で東福岡高が軸の福岡県と対戦。今季4度目のマッチアップに向け「向かっていきたいですね。上がってきたボールは全部打ち込みたいです」と力強く語った。

 

エース舛本は厳しいマークを破れるか

 

 

身長190㎝越えが4人! 超大型チームの愛知県

 

 今大会、台風の目になりそうなのが愛知県。身長190㎝台は細川晃介(3年)、伊藤蒼眞(3年/ともに星城)、座禮楓人(3年/大同大大同)、笹本穏(3年/愛知工大名電)の4人。さらに、東怜佑(3年/星城)も188㎝という超大型チームだ。藤井千丸(3年/愛知工大名電)と平松陸哉(3年/大同大大同)の好セッターが高さを生かした攻撃を組み立てる。

 

 中学時代は選手たちの多くがVリーグのジュニアチームであるウルフドッグス名古屋ジュニア、JTEKT STINGS Jr.でプレーし、3年生時にはJOC杯でタッグを組んだ。最優秀選手賞にあたるJOC・JVAカップを受賞した笹本、優秀選手の細川と伊藤は、そのあと全日本中学生選抜としてプレー。高校入学後も下級生時から出場し、3年生になった現在も各チームの主軸として火花を散らす。

 

 今夏のインターハイ後、笹本は「楽しみです。上を目指していきたい」と語り、気心知れたライバルたちと共に戦う舞台を心待ちにしていた。ドリームチームで、石川祐希(ミラノ[イタリア])らを擁した2013年以来の頂点を狙う。

 

愛知工大名電の#1瀧澤舜斗キャプテン、#9笹本は、JOC杯愛知選抜のチームメイト

 

 

文/田中風太

写真/山岡邦彦(NBP)、田中風太

 

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