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注目中学生 柏﨑祐毅の2022年。最高到達点340㎝越えの逸材は悩み、感謝し、さらなる高みへ

  • 編集部取材
  • 2022.12.21

 

 中学生世代の全国大会「JOCジュニアオリンピックカップ第36回全国都道府県対抗中学大会」(JOC杯)が12月25日に大阪で幕を開ける。全国各地から“金の卵”が集まるこの舞台で、大会前から注目を集めるのが愛知県選抜男子の柏﨑祐毅(篠目中3年)だ。最高到達点は驚異の340㎝を超える彼が歩んできた2022年の軌跡をたどる

 

柏﨑祐毅(かしわざき・ゆうき/身長181.4㎝(※全国中学選抜合宿測定時のもの)/最高到達点346㎝/篠目中3年〔愛知〕、STINGS Jr./アウトサイドヒッター)

 

STINGS Jr.のジュニアチームで全国大会に出場

 

 今年9月25日、中学生世代のクラブチームが集う「第25回全国ヤングクラブ男女優勝大会」(全国ヤンクラ)は最終日を迎えていた。決勝トーナメントは大詰めを迎え、U14男子準決勝のカードの一つはSTINGS Jr.(愛知)とIZULU U14クラブ(静岡)が争っていた。試合はIZULU U14クラブが優位に試合を運ぶ。追い込まれたSTINGS Jr.のキャプテン、柏﨑祐毅は勝利への執念を絶やさずにいたが、エンドラインに立つと腕が縮こまるのを自覚した。

 

【ギャラリー】躍動する“金の卵” 柏﨑祐毅の2022年。アナザーカット〔20点〕

 

 「ジャンプサーブが全然入らなくなっていたんです。それで、フローターサーブに変えて打っていました」

 

 試合が進むにつれて、自身の左足がつり、満足にプレーすることもできなくなった。キャプテンでありエース、文字どおりの大黒柱の翼がもがれた影響もあり、チームの日本一への道はここで途絶えた。大会を終えて、柏﨑は堅く固く誓ったものである。

 

 「逃げ腰になったら、それは負けてしまいますよね。なので、もっともっともっとジャンプサーブを磨いて、勝負強くなりたいです」

 

 もっともっと強くなりたい。その思いはこれまで彼を押し上げ、そして、これからも成長を生む原動力だ。

 

全国ヤンクラの準決勝で敗れ、涙する柏﨑

 

エースではなく、キャプテン。監督が促した意図

 

 柏﨑がVリーグのジェイテクトSTINGSのジュニアチームに入団したのは小学6年生の冬。小学生時代は走り幅跳びに励み、競技者としても全国トップクラスの数字を記録するほどの経歴の持ち主だったが、実は1年生のころからバレーボール教室に通っており、5年生になって市内のチームに入団。本格的にバレーボールに取り組んだのはそこからだ。

 

 抜群の身体能力は体育館のコートでも光り、STINGS Jr.では中学2年生時からレギュラー入りを果たす。チームの宗宮直人監督も自身の指導方針から「ふつうは2年生を入れることはしないんです」と言いながらも抜擢したあたりに、そのポテンシャルの高さが表れていた。そして、そこではエースの心を植えつけられた。

 

「お前がエースなんだ。お前が点を取らないと、誰も取れないぞ」

 

 宗宮監督は柏﨑にそう言い続け、本人もまた先輩たちからの信頼を集めながら、力強く跳び上がり、得点を重ねた。

 

中学生世代では並外れたポテンシャルを備える

 

 このころからその名前は全国で知られ、2年生時にはJOC杯愛知県選抜入りも果たしている。誰が見ても、まぎれもない“エース”格。だが、STINGS Jr.の新チームが始動するタイミングで、宗宮監督は柏﨑へかける言葉を180度変えている。

 

 「お前はエースじゃなくて、キャプテンだ」

 

 そのわけを宗宮監督は明かす。

 

 「確かに、エースの役目だけでもよかったと思います。ですが、やはり将来、日の丸をつけてもらうためには、“ただスパイクを打って、点を取ればいい”という選手にはなってほしくなかった。すべての面で周りの見本となり、『彼についていけばいい』という姿勢を生み出す存在になれるように促しました」

 

STINGS Jr.で過ごす最後の1年は、こうして始まった。

 

STINGS Jr.で過ごすラストシーズンはキャプテンとしてチームをリードする立場に

 

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