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【バレー】「最後の一球だと思って」城南中 主将が最後の全国大会で涙のサービスエース 相手のマッチポイントで

  • コラム
  • 2023.09.08

 バレーボールの中学生世代の全国大会「第53回全日本中学校選手権大会」(以下、全中)は今年、愛媛県松山市を舞台に8月23日まで行われた。2年生のダブルエースを擁し、前評判の高かった男子の城南中(広島)は最終日に到達。準決勝で死闘を繰り広げた。

 

通算14度目の出場を果たした城南中

 

 

優勝候補の一角だった城南中

 

 今年3月、全国各地の中学生57チームで争われた「パナソニック旗 第37回全国東西中学生交流バレーボール大会」(以下、東西交流杯)で、ひときわ注目を集めたのが城南中だった。

 

 機動力、ジャンプ力、テクニック、どれもピカイチ。そんな寺岡蒼大と前田鳴斗の2人のエースが得点を重ねる姿に、関係者たちはうなった。しかも2人とも当時1年生だというから、そのインパクトは強烈だった。

 

 あれから約半年、城南中は全中の舞台でも強さを見せた。決勝トーナメントではサレジオ中(東京)、昇陽中(大阪)といった、日本一の実績を持つ有力校を撃破。昇陽中の元成喜一郎監督は敗れた直後、「うまい!! どれも相手が上回っていた」と潔く白旗を上げた。

 

 東西交流杯で「今年と(来年の)自分たちの年、2年連続日本一を取ります」と力強く意気込んだ寺岡の言葉も現実味を帯びた。

 

城南中の2年生エース寺岡(コート左)が名門・サレジオ中のキャプテン水嶋勇吹とネット上で攻防

 

 

太宰府U14クラブとの準決勝

 

 迎えた最終日、会場の松山市総合コミュニティセンター体育館には、勝ち残った男女各4チームの応援団だけでなく、大会に参加していたチームの姿も数多くあった。その熱気を受けて、城南中の中村蒼実キャプテンは「いろんなチームが見に来たりして、応援もすごかった。プレッシャーを感じましたし、緊張もしました」と明かす。

 

 そうして臨んだ太宰府U14クラブ(福岡)との準決勝は寺岡のアタックで先制すると、前田が強烈なスパイクを突き刺すなどセット中盤で6連続得点を奪い一気にリード。そのまま第1セットを先取する。

 

 続く第2セットは相手のサーブとミドルブロッカーの多彩な攻撃を前に競り合う展開となり、22-20から5連続得点を許して落とした。相手に渡った流れは変わらず、最終第3セットは序盤で6連続失点を喫し、4-10と苦しい状況に陥る。

 

 そんななかでも、チームを盛り上げたのが3年生たちで、その筆頭はやはり中村だった。「泥臭くボールをみんなで追いかけたり、ミスしたときこそ自分たちで声を出して、決まったらしっかり喜ぶ。それが自分たちのバレーです」とは東西交流杯で語っていた言葉。それを集大成の場でも貫く。

 

チーム内の雰囲気を盛り上げる⑥中村キャプテン

 

 

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