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大学日本一の水町泰杜が「最後くらい見に来やぁ」と誘った親友 谷武珍が明かす“幻の対決”と目にしてきた姿

  • 大学生
  • 2023.12.23

 

 

愛知学院大ではキャプテンを務めた谷。写真は今年の西日本インカレ

 

「コイントスしたいね」と描いた直接対決

 

 大学生活において公式戦での対戦はなかったが、実は今年の11月に練習試合で再会。谷はリリーフサーバーで投入されると、狙いを定めた。

「泰杜が一人でサーブレシーブを捕っているパターンが多かったので。手前にショートサーブを打って、崩して、が理想でした。案の定、普通に返されて、普通にサイドアウトをきられましたけど」

 その試合後、水町は谷に「狙ってくんなよ」と伝えたそうが、その表情がどのようなものだったかは想像に容易い。

 

 そうしてチャンスは、最後にめぐってきた。大学生活最後の全日本インカレは、お互いに勝ち上がれば3回戦でぶつかる組み合わせだった。

トークアプリのLINEで「やっと(山に)入ってきたね!!」と喜ぶ水町とは、「コイントスしたいね」と言葉を交わした。

 

 だが、その願いはかなわずに終わる。愛知学院大は主力選手のコンディション不良に悩まされ続け、いざ大会本番では一回戦で慶應義塾大に敗れる。

 勝負の世界では、こうした非情さが往々にして姿を現すもの。水町は「しようがないですよね」と受け止めたものの、LINEでは先に「何してん!!!!!!!」とメッセージを送っている。

 谷は「全然だめだった」と嘆いた。

 

 

水町自身も幻に終わった盟友との直接対決に思いを馳せた

 

 

準決勝前日に聞いた活躍宣言

 

「勝ち上がって、早稲田との大一番で勝負したかったのが正直な思いだったので…、とにかく悔しかったです」

 そう話す谷の大学バレーはこのとき閉幕した。ただ、LINEを続けるなかで、水町から誘いの言葉を受ける。

「最後くらい見に来やぁ」

 

 もともと予定にはなかったが、水町がそう言うならば。

 チケットは本人に手配してもらい、谷はレンタカーを借りて準決勝前日の深夜に愛知を出発。高速道路を飛ばし、朝には東京に到着して、会場に足を運ぶ。えんじ色の応援シャツを着て、チーム応援席に座った。

 

 前日に電話した際には、大会が始まって早々に背中を寝違えたことを水町から明かされ、谷は「はぁ!?」とあんぐり。それでも「明日からは、がんがんギア上げていかんと」と頼もしい言葉を聞き、期待に胸を膨らませた。

 その言葉どおり、水町はサーブにスパイク、それにブロックシャットに、とエンジン全開。加えて、熱く、激しく、何より満面の笑みを浮かべながらプレーする。その姿に――

「普通にかっこよかった。感情を出しているのが、おもしろかったですね。僕が見たかった泰杜の姿。ほんとうに見に来てよかった、って思いました」

 翌日に予定があり、現地で観戦できたのはこの日だけ。再び車をかっ飛ばし、谷は決勝を見ることなく愛知へ帰った。

 

 

スタンドには早稲田大の応援シャツをまとってエールを送る谷の姿が

 

 

 【次ページ】「誰よりもバレー馬鹿」だと再確認した瞬間

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