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東京学芸大学大会でデフバレーボール男女代表チームも躍動

 第22回東京学芸大学バレーボール大会が1224日に東京学芸大学と学芸大学付属小金井中学校(東京)で開催され、男女各12チームが出場。基本的には高校生カテゴリーの大会だが、棄権した学校の代わりに東京学芸大の4年生チームが入ったほか、今回はデフバレーボールのチームも参加した。男子は合宿中のデフバレーボール日本代表チームが初出場、2度目の出場となった女子チームは日本代表メンバーが中心となった、神奈川チームで戦った。

 

男子日本代表チームは熱さを表現して戦った

 

 

 2025年に東京で開催される、耳が聞こえないアスリートのための国際的な総合スポーツ大会・デフリンピックに出場するデフバレーボール日本代表チーム。20246月には、沖縄を舞台にデフバレーボール世界選手権の開催が迫っており、男女とも強化が進められている。今回は村井貴行監督(男子)と狩野美雪監督(女子)が東京学芸大の卒業生という縁もあり、1セットマッチで次々と繰り広げられる高校生たちとの連戦で貴重な経験を積んだ。

 

「試合ができる機会は多くないので、大会に向けて、ユニフォームを着て試合をすること、数をこなすことが大事でした。参加者にデフスポーツのことを知っていただくきっかけにもなれば」と狩野監督は思いを話す。“障害者”だと思うと心理的な距離が生じがちだが、「選手たちと接していると、自分たちと変わらないことに気づいてもらえる。ハードルが下がってくれればいいな、と思います」(狩野監督)

 そんな思いは村井監督も同じだった。「今大会でも最初に『デフリンピックって知っていますか?』と聞いたら、ほとんどの人は知りませんでした。そんな状況を改善するためにも、戦いをとおして、表情や熱量で見ている人に感動を与えられるように。スマートにやっても伝わりませんから」

 

 

大勢が見守った女子決勝。右下が狩野監督

 

 男子キャプテン、リベロの坂下真一選手は「ブロックとレシーブの関係性が以前から課題だった。跳んだあとの後衛とのコミュニケーションを重視していたが、そこがよりスムーズにできたことが今大会での収穫。来年の世界選手権に向けて、見ているだけでも熱くなる、応援したくなるようなチームを目指したい」とコメント。順位決定リーグの結果、得失点差で準決勝まで勝ち進み、実りある大会となった。

 

 2017年デフリンピック優勝メンバーも在籍する女子は、接戦を制して見事に優勝を飾り、今後に向けていい流れをつくって大会を終えた。「2024年の時点でもっと知っていただける機会になるよう、自分たちも努力を重ねていきたい」と、狩野監督はまず来年を見据えていた。

 

 

優勝を飾ったデフバレーボール女子チーム

 

■大会結果

男子優勝 日本航空高(山梨)

準優勝  早稲田実高(東京)

 

女子優勝 デフバレーチーム(神奈川)

準優勝  向丘高(東京)

※大会の模様は月刊バレーボール20243月号(215日発売)に掲載予定

 

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