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ジェイテクトSTINGS愛知 宮浦健人が明かしたGAME1の“迷い”と自身を奮い立たせた一つの場面

宮浦健人(STINGS愛知)【写真:月刊バレーボール】

 

 バレーボールの2024-25 大同生命SVリーグ男子チャンプオンシップファイナルは53日に有明アリーナ(東京)でGAME1が実施され、3時間半におよぶ大熱戦の末にサントリーサンバーズ大阪が先勝を収めた。敗れたジェイテクトSTINGS愛知は窮地に立たされたわけだが、サウスポーエースの宮浦健人はメラメラと闘志を燃やしている。

 

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宮浦健人(STINGS愛知)【写真:月刊バレーボール】

 

 

試合中盤までサーブミスが続いた宮浦

 

 SVリーグ初代王者を懸けたファイナルのGAME12セットを先取したSTINGS愛知。セッター関田誠大のトスワークもさえ渡り、そこに「有明アリーナにきて、彼らのモチベーションはさらに上がっているよ」とミハウ・ゴゴール監督が名指ししたトリー・デファルコ(アメリカ)とリカルド・ルカレッリ(ブラジル)の両アウトサイドヒッターが高い決定力で得点を重ねる。

 

 そして、オポジットの宮浦もまた豪快にアタックを決めていた。その一方でサーブに関して宮浦は1セット、2セット、3セット…、とどうにもネットに突き刺す場面が多い。前日の会場練習では「フィーリング自体はとてもいいです」と語り、初めてプレーする有明アリーナについても「やりやすい印象です。ここに観客が入ることで圧迫感が増して、プレーしやすくなると思います」と踏んでいたにもかかわらずだ。

 

 その理由は、相手がサントリー大阪だったから。宮浦は明かす。

「序盤はサーブの感覚もそれほどよくなかったです。それに髙橋藍選手、藤中颯志選手と素晴らしいレシーバーがいるので。そこを避けるのか、そこに思いきって打つのか。サーブのターゲットに関して、自分でも割りきれていない部分がありました」

 とどのつまり、迷っていたのである。そうして、第3セットからサントリー大阪の逆襲が始まり、第4セット13-10の場面でこの日6本目となるサーブミス。相手にサイドアウトを許すと、続くプレーで今度はバックライトからのアタックが3枚ブロックにつかまった。

 

 相手の反撃ムードの中、直接失点につながるプレーはチームにとっても、そのうちの一人としても手痛いところだ。だが、ここからの宮浦は一段とギアを上げてみせている。相手ブロックのタッチネットを誘発し、続けざまにバックライトから豪快にアタックを決めきり、チームに3連続得点をもたらしたのである。

「そこまで気持ちの変化はなく…。ですが、確かにあの場面は自分の得点をきっかけにして流れに乗っていきたい、そんな思いがありました。そうして1点が決まって、しっかりと喜んで、自分自身を高めました」

 

 

サーブで苦しんでいた宮浦は、第4セットにサービスエースを決めた【写真:月刊バレーボール】

 

 

ファイナルで見せたいのは「豪快な、思いきりのあるプレー」

 

 この試合において、きっとこの場面が宮浦のターニングポイントだったに違いない。以降は強烈なサーブを相手コートに放ち、第4セットは29-29から、この日最初のエースを奪っている。最終第5セットもデファルコやルカレッリをしのぐほどの決定力でチームを導かんと腕を振り抜いていた。

 

「勝負どころでの強さには自信を持っている」とはこれまでにも宮浦本人の口から聞かれた言葉だが、それをファイナルの舞台でも証明してみせた。ゆえに敗れたという事実、それもマッチポイントから最後は自身の被ブロックで試合を終えたことに宮浦は唇をかんだ。

 

「勝てるチャンスがそこにあるかぎり、それを絶対に逃してはいけないと思っています。重要なポイントが取りきれなかったことが悔しいですし、自分はそこを取るポジションなので。やはり責任は感じます」

 そう語り、有明アリーナをあとにした宮浦。とはいえ、まだチャンスは残っている。これまでの競技人生では何度も、大一番を経験してきた。だからこそ、やるべきことはただ一つ。ファイナル前日に口にしていた、自身が見せたい姿。

「豪快な、思いきりのあるプレーをしたいと思います」

 

 5日に行われるGAME2の舞台はLaLa arena TOKYO-BAY(千葉)。ありたっけの闘志をその左腕に込めて、宮浦はチームを勝利に導く1点を積み重ねる。

 

取材・文/坂口功将

写真/石塚康隆(NBP)、中川和泉

 

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